2024年パリオリンピックの射撃競技(2024ねんパリオリンピックのしゃげききょうぎ)は、2024年7月27日から8月5日までシャトールーにあるフランス国立射撃場で実施された。当初はパリ郊外のラ・クールヌーヴで行われる予定だったものの、2022年9月8日のIOC理事会でフランス中部シャトールーへの変更が承認された[1]

概要 会場, 開催日 ...
2024年パリオリンピック
射撃競技
Thumb
パリオリンピック競技会場
会場フランス国立射撃場
開催日2024年7月27日-8月5日
参加選手数 340 (男子170、女子170)人
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種目

種目数は前回大会と変わらず15種目。ただし、クレー射撃の混合団体がトラップからスキートに変更されている[2]

  • ライフル
    • 男女個人50mライフル3姿勢
    • 男女個人・混合団体10mエアライフル
  • ピストル
    • 男子個人25mラピッドファイアピストル
    • 女子個人25mピストル
    • 男女個人・混合団体10mエアピストル
  • クレー射撃
    • 男女個人トラップ
    • 男女個人・混合団体スキート

出場選手

個人12種目は、2022年8月14日から2024年6月9日までに行われる指定ISSF選手権(ISSF世界射撃選手権や各大陸ごとの競技会など)を通じて、各種目25枠ずつ、合計300枠の出場枠が与えられる。また、大会を通じて出場権を獲得していない選手に対し、2024年6月9日に発表されるオリンピック予選ランキング(QROG)に基づいて各種目1枠ずつ出場権が与えられる。これに開催国枠(国際大会で出場枠を獲得できなかった場合のみ)として1名ずつに加え、男女8名ずつのユニバーサリティ枠を合わせて計340名が出場枠を獲得する。混合団体種目は個人種目で出場権を得た選手で構成される。混合団体スキートにエントリーできるチーム数は最大18チーム[3]

出場枠は世界ランキングによる出場枠以外はNOCに与えられるため、NOCは出場枠を獲得した選手と別の選手を派遣することができる。1つのNOCからは個人種目はそれぞれ最大2名を派遣することができ、混合団体種目には最大2チームをエントリーすることができる。

競技日程

日付はいずれも中央ヨーロッパ夏時間(UTC+2[4]

Q 予選 F 決勝
さらに見る 日付​種目, 7/27 ...
日付
種目
7/27 7/28 7/29 7/30 7/31 8/1 8/2 8/3 8/4 8/5
ライフル
男子 10mエアライフル Q F
男子 50mライフル3姿勢 Q F
女子 10mエアライフル Q F
女子 50mライフル3姿勢 Q F
混合団体 10mエアライフル Q F
ピストル
男子 10mエアピストル Q F
男子 25mラピッドファイアピストル Q F
女子 10mエアピストル Q F
女子 25mピストル Q F
混合団体 10mエアピストル Q F
クレー射撃
男子 トラップ Q Q F
男子 スキート Q Q F
女子 トラップ Q Q F
女子 スキート Q Q F
混合団体 スキート Q F
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大会形式

いずれの種目でも決勝には予選の結果は持ち越さない。前回大会の形式を概ね踏襲するが、一部が変更されている[5]

ライフル・ピストル

10mエアライフル・10mエアピストル

  • 予選は1人60発で、上位8名が決勝に進出する。
  • 決勝は12発目を撃ち終わった時点で8位の選手が脱落し、それ以降は2発撃ち終わるごとに残った選手のうち最下位の選手が脱落していくことを繰り返して順位が決定される。
  • 1発ごとの満点は10.9点として0.1点刻みで記録される。(10mエアピストル予選のみ10点満点、1点刻み)

50mライフル3姿勢

  • 予選は姿勢ごとに20発ずつ計60発で、上位8名が決勝に進出する。
  • 決勝は膝射15発、伏射15発、立射10発を撃ち終わった時点で7位と8位の選手が脱落し、それ以降は立射で1発撃ち終わるごとに残った選手のうち最下位の選手が脱落していくことを繰り返して順位が決定される。
  • 1発ごとの満点は10.9点として0.1点刻みで記録される。(予選は10点満点、1点刻み)

25mラピッドファイアピストル(男子)

  • 予選は「8秒射」、「6秒射」、「4秒射」を20発ずつ計60発で、上位6名が決勝に進出する。
  • 決勝は「4秒射」により競われ、9.7点以上に相当する命中1発を1点としてカウントし、4シリーズ(計20発)を終えた時点で最下位の選手が脱落し、それ以降は1シリーズ(5発)ごとに残った選手のうち最下位の選手が脱落していくことを繰り返して順位が決定される。
  • 予選では1発ごとの満点は10点満点、1点刻みで記録される。

25mピストル(女子)

  • 予選は「精密射撃」と「速射射撃」を30発ずつ計60発で、上位8名が決勝に進出する。
  • 決勝は「速射射撃」により競われ、10.2点以上に相当する命中1発を1点としてカウントし、4シリーズ(計20発)を終えた時点で最下位の選手が脱落し、それ以降は1シリーズ(5発)ごとに残った選手のうち最下位の選手が脱落していくことを繰り返して順位が決定される。
  • 予選では1発ごとの満点は10点満点、1点刻みで記録される。

10mエアライフル・10mエアピストル混合団体

  • 予選は1人30発ずつ計60発で、合計得点上位2チームが決勝、3位と4位のチームが3位決定戦に進出する。
  • 決勝・3位決定戦は1人1発ずつ計2発の合計得点の勝者に2ポイント、同点の場合は両者に1ポイントずつ与えられ、先に16ポイントを取ったチームが勝利する。
  • 1発ごとの満点は10.9点として0.1点刻みで記録される。(10mエアピストル予選のみ10点満点、1点刻み)

クレー射撃

トラップ・スキート

  • 予選は25枚×5ラウンドで125点満点で、上位6名が決勝に進出する。
  • トラップ決勝は25枚終了時点で最下位の選手が脱落し、それ以降は5枚ごとに残った選手のうち最下位の選手が脱落していくことを繰り返すが、1位と2位の決定のみ10枚を追加で競技し金メダリストを決定する。スキート決勝は20枚終了時点で最下位の選手が脱落し、それ以降は10枚ごとに残った選手のうち最下位の選手が脱落していくことを繰り返して順位が決定される。

スキート混合団体

  • 予選は1人25枚×3ラウンドで150点満点で、合計得点上位2チームが決勝、3位と4位のチームが3位決定戦に進出する。
  • 決勝・3位決定戦は1人25枚、2人合わせて50点満点で争われる。

競技結果

ライフル

さらに見る 種目, 金 ...
種目
男子 10mエアライフル[6] 中国 盛李豪
中国 (CHN)
252.2 OR スウェーデン ヴィクトル・リンドグレン
スウェーデン (SWE)
251.4 クロアチア ミラン・マリチッチ
クロアチア (CRO)
230.0
男子 50mライフル3姿勢[7] 中国 劉宇坤
中国 (CHN)
463.6 ウクライナ セルヒー・クーリシュ
ウクライナ (UKR)
461.3 インド スワプニル・クサレ
インド (IND)
451.4
女子 10mエアライフル[8] 韓国 パン・ヒョジン
韓国 (KOR)
251.8 (SO:10.4) =OR 中国 黄雨婷
中国 (CHN)
251.8 (SO:10.3) =OR スイス オードリー・ゴニャット
スイス (SUI)
230.3
女子 50mライフル3姿勢[9] スイス キアラ・レオーネ
スイス (SUI)
464.4 OR アメリカ合衆国 サーゲン・マッダレーナ
アメリカ合衆国 (USA)
463.0 中国 張瓊月
中国 (CHN)
452.9 (SO)
混合団体 10mエアライフル[10][11] 中国 中国 (CHN)
黄雨婷
盛李豪
韓国 韓国 (KOR)
クム・ジヒョン
パク・ハジュン
カザフスタン カザフスタン (KAZ)
アレクサンドラ・レ
イスラム・サトパエフ
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ピストル

さらに見る 種目, 金 ...
種目
男子 10mエアピストル[12] 中国 謝瑜
中国 (CHN)
240.9 イタリア フェデリコ・ニーロ・マルディーニ
イタリア (ITA)
240.0 イタリア パオロ・モナ
イタリア (ITA)
218.6
男子 25mラピッドファイアピストル[13] 中国 李越宏
中国 (CHN)
32 韓国 チョ・ヨンジェ
韓国 (KOR)
25 中国 王鑫傑
中国 (CHN)
23
女子 10mエアピストル[14] 韓国 オ・イェジン
韓国 (KOR)
243.2 OR 韓国 キム・イェジ
韓国 (KOR)
241.3 インド マヌ・バケル
インド (IND)
221.7
女子 25mピストル[15] 韓国 ヤン・ジイン
韓国 (KOR)
37 (SO:1) フランス カミーユ・ジェドジェジェフスキ
フランス (FRA)
37 (SO:0) ハンガリー マヨル・ヴェロニカ
ハンガリー (HUN)
31
混合団体 10mエアピストル[16][17] セルビア セルビア (SRB)
ゾラナ・アルノヴィッチ
ダミル・ミケツ
トルコ トルコ (TUR)
シェヴァル・イライダ・タルハン
ユスフ・ディケチ
インド インド (IND)
マヌ・バケル
サラブジョット・シング
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クレー射撃

さらに見る 種目, 金 ...
種目
男子 トラップ[18] イギリス ネイサン・ヘイルズ
イギリス (GBR)
48 OR 中国 斉迎
中国 (CHN)
44 グアテマラ ジャン・ピエール・ブロル・カルデナス
グアテマラ (GUA)
35
男子 スキート[19] アメリカ合衆国 ヴィンセント・ハンコック
アメリカ合衆国 (USA)
58 アメリカ合衆国 コナー・リン・プリンス
アメリカ合衆国 (USA)
57 チャイニーズタイペイ 李孟遠
チャイニーズタイペイ (TPE)
45
女子 トラップ[20] グアテマラ アドリアーナ・ルアーノ・オリバ
グアテマラ (GUA)
45 OR イタリア シルヴァーナ・マリア・スタンコ
イタリア (ITA)
40 オーストラリア ペニー・スミス
オーストラリア (AUS)
32
女子 スキート[21] チリ フランシスカ・クロベット・チャディド
チリ (CHI)
55 (SO:7) イギリス アンバー・ジョー・ラッター
イギリス (GBR)
55 (SO:6) アメリカ合衆国 オーステン・ジュエル・スミス
アメリカ合衆国 (USA)
45
混合団体 スキート[22][23] イタリア イタリア (ITA)
ディアナ・バコージ
ガブリエレ・ロセッティ
アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 (USA)
オーステン・ジュエル・スミス
ヴィンセント・ハンコック
中国 中国 (CHN)
江伊婷
呂健林
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備考

  • 混合エアピストルで銀メダルを獲得したトルコユスフ・ディケチは、多くの選手がゴーグルなどを使う中で特別の装備を装着することなくTシャツのユニホームだけで競技に臨んだため世界的に話題となった[24]

脚注

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