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2019年フランスグランプリ (2019 French Grand Prix) は、2019年のF1世界選手権第8戦として、2019年6月23日にポール・リカール・サーキットで開催された。
レース詳細 | |||
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日程 | 2019年シーズン第8戦 | ||
決勝開催日 | 6月23日 | ||
開催地 |
ポール・リカール・サーキット フランス ヴァール県 ル・カステレ | ||
コース長 | 5.842km | ||
レース距離 | 53周 (309.690km) | ||
決勝日天候 | 晴(ドライ) | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | |||
タイム | 1:28.319 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | セバスチャン・ベッテル | ||
タイム | 1:32.740 (53周目) | ||
決勝順位 | |||
優勝 |
| ||
2位 | |||
3位 |
本レースでピレリが用意するドライタイヤのコンパウンドは、ハード(白):C2、ミディアム(黄):C3、ソフト(赤):C4の組み合わせ[2]。
前年の開催時に安全性が懸念されたピットレーン入口を、ターン14(最終コーナーの手前)のレーシングラインを外れた位置に変更した。なお、コース幅が狭いためピットレーンでの制限速度は60km/hのままとなる[3]。トラックリミット規制を強化するため、各所にボラードやボードを設置する対策が取られた[4]。
ホンダは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリー、トロ・ロッソのダニール・クビアトに「スペック3」のパワーユニット(以下PU)を投入する[5]。クビアトに関しては、4基目のエンジン(ICE)、3基目のターボチャージャー(TC)、MGU-H、MGU-K、エナジーストア(ES)、コントロールエレクトロニクス(CE)が導入され、ICE、MGU-K、ES、CEについては年間最大基数[注 1]を超えたため15グリッド以上の降格ペナルティが科され、最後尾グリッドからのスタートが決まった[6]。ホームグランプリを迎えるルノーはマシンのアップグレードを行い[7]、ダニエル・リカルドに「スペックB」のPUを投入する[8]。
レギュラーシートについては前戦カナダGPから変更なし。ただし、スクーデリア・フェラーリはフランスのたばこ広告に関する規制が厳しいことから、開幕戦オーストラリアGPおよびカナダGPと同様の処置[9]を行ったため、同チームのみエントリー内容が変更されている。ウィリアムズのリザーブドライバーを務めるニコラス・ラティフィが前戦カナダGPに続いて金曜午前のFP1を走行する。なお、今回はジョージ・ラッセルに代わって出走する[10]。
チーム | No. | ドライバー | コンストラクター | シャシー | パワーユニット |
---|---|---|---|---|---|
メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | W10 | メルセデス M10 EQ Power+ |
77 | バルテリ・ボッタス | ||||
スクーデリア・フェラーリ | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | SF90 | フェラーリ 064 |
16 | シャルル・ルクレール | ||||
アストンマーティン・レッドブル・レーシング | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | RB15 | ホンダ RA619H |
10 | ピエール・ガスリー | ||||
ルノーF1チーム | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | R.S.19 | ルノー E-Tech 19 |
27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ||||
リッチ・エナジー・ハースF1チーム | 8 | ロマン・グロージャン | ハース | VF-19 | フェラーリ 064 |
20 | ケビン・マグヌッセン | ||||
マクラーレンF1チーム | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン | MCL34 | ルノー E-Tech 19 |
4 | ランド・ノリス | ||||
スポーツペサ・レーシング・ポイント・F1チーム | 11 | セルジオ・ペレス | レーシング・ポイント | RP19 | BWTメルセデス (メルセデス M10 EQ Power+) |
18 | ランス・ストロール | ||||
アルファロメオ・レーシング | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ | C38 | フェラーリ 064 |
99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | ||||
レッドブル・トロ・ロッソ・ホンダ | 26 | ダニール・クビアト | トロ・ロッソ | STR14 | ホンダ RA619H |
23 | アレクサンダー・アルボン | ||||
ロキット・ウィリアムズ・レーシング | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ | FW42 | メルセデス M10 EQ Power+ |
88 | ロバート・クビサ | ||||
40 | ニコラス・ラティフィ 1 | ||||
ソース:[11] |
メルセデス勢が他を圧倒してフロントローを独占し、ルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した。フェラーリ勢はシャルル・ルクレールが3番手を確保したが、セバスチャン・ベッテルは7番手に沈んだ。レッドブル勢はマックス・フェルスタッペンが4番手に食い込んだが、地元フランスのピエール・ガスリーは9番手に終わった。フリー走行から好調ぶりを示していたマクラーレン勢はランド・ノリスがフェルスタッペンに僅差の5番手、カルロス・サインツJr.がノリスに続く6番手と大きく躍進した。ホームグランプリのルノーは、新型PUを搭載したダニエル・リカルドが8番手に入った[19]。
順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | Q1 | Q2 | Q3 | Grid |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1:30.609 | 1:29.520 | 1:28.319 | 1 |
2 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 1:30.550 | 1:29.437 | 1:28.605 | 2 |
3 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1:30.647 | 1:29.699 | 1:28.965 | 3 |
4 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-ホンダ | 1:31.327 | 1:30.099 | 1:29.409 | 4 |
5 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン-ルノー | 1:30.989 | 1:30.019 | 1:29.418 | 5 |
6 | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン-ルノー | 1:31.073 | 1:30.319 | 1:29.522 | 6 |
7 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1:31.075 | 1:29.506 | 1:29.799 | 7 |
8 | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 1:30.954 | 1:30.369 | 1:29.918 | 8 |
9 | 10 | ピエール・ガスリー | レッドブル-ホンダ | 1:31.152 | 1:30.421 | 1:30.184 | 9 |
10 | 99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | アルファロメオ-フェラーリ | 1:31.180 | 1:30.408 | 1:33.420 | 10 |
11 | 23 | アレクサンダー・アルボン | トロ・ロッソ-ホンダ | 1:31.445 | 1:30.461 | 11 | |
12 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ-フェラーリ | 1:30.972 | 1:30.533 | 12 | |
13 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:30.865 | 1:30.544 | 13 | |
14 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 1:30.964 | 1:30.738 | 14 | |
15 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース-フェラーリ | 1:31.166 | 1:31.440 | 15 | |
16 | 26 | ダニール・クビアト | トロ・ロッソ-ホンダ | 1:31.564 | 19 1 | ||
17 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース-フェラーリ | 1:31.626 | 16 | ||
18 | 18 | ランス・ストロール | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 1:31.726 | 17 | ||
19 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ-メルセデス | 1:32.789 | 20 2 | ||
20 | 88 | ロバート・クビサ | ウィリアムズ-メルセデス | 1:33.205 | 18 | ||
107% time: 1:36.888 | |||||||
ソース:[20][21] |
2019年6月23日 15:10 CEST(UTC+2)[25]
ルイス・ハミルトンが1度も首位の座を譲らず、ポール・トゥ・ウィンで4連勝を飾った。ただ、メルセデス勢はフロントタイヤに大きなブリスターが発生し、2位のバルテリ・ボッタスの方はその影響でペースの悪化が起きながらも、3位のシャルル・ルクレールを辛うじて抑えきった。一方でハミルトンはそのタイヤで2位に18秒以上の差をつけたうえで勝利した。この結果、メルセデスは第5戦スペインGP以来今シーズン6回目、F1通算50回目の1-2フィニッシュを果たした[26]。さらにこの結果を受け、ハミルトンが6回目のタイトルにすでに王手をかけていると主張するメディアも見られた[27]。
マックス・フェルスタッペンは上位3台から引き離されての4位。5位のセバスチャン・ベッテルは終盤にタイヤをソフトに変更し、最終ラップでファステストラップを記録してハミルトンのグランドスラムを阻止した[28]。ベスト・オブ・レストは6位に入ったマクラーレンのカルロス・サインツJr.で、チームメイトのランド・ノリスは油圧関係のトラブルに見舞われ失速したものの入賞(後述の理由で10位から9位へ繰り上げ)[29]。彼は予選および決勝の好走が評価され、初のドライバー・オブ・ザ・デイを受賞した[30]。
ノリスがトラブルに見舞われたことで、後方からダニエル・リカルド、キミ・ライコネン、ニコ・ヒュルケンベルグの3台が迫り、レース終盤には4台が7位を争う展開となった。最終ラップのターン8でリカルドはコースを外れてノリスを抜き、リカルドのコース復帰の際にノリスはコースを外れなければならなかった。この間にライコネンがリカルドとノリスをパスするが、マシンのコントロールを取り戻したリカルドはターン9でライコネンを抜いて7位でフィニッシュした。しかし、リカルドの行為はレース後に審議対象となり、リカルドに2つのペナルティが科された結果、合計10秒加算とペナルティポイント3点加点処分を受け、入賞圏外の11位に降格[31]。このペナルティでガスリーが入賞圏内の10位に繰り上がり、他のドライバーも一つ順位が繰り上がる形となった。
順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア原因 | Grid | Pts. |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 53 | 1:24:31.198 | 1 | 25 |
2 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 53 | +18.056 | 2 | 18 |
3 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 53 | +18.985 | 3 | 15 |
4 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-ホンダ | 53 | +34.905 | 4 | 12 |
5 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 53 | +1:02.796 | 7 | 11 FL |
6 | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン-ルノー | 53 | +1:35.462 | 6 | 8 |
7 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ-フェラーリ | 52 | +1 Lap | 12 | 6 |
8 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ルノー | 52 | +1 Lap | 13 | 4 |
9 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン-ルノー | 52 | +1 Lap | 5 | 2 |
10 | 10 | ピエール・ガスリー | レッドブル-ホンダ | 52 | +1 Lap | 9 | 1 |
11 | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 52 | +1 Lap 1 | 8 | |
12 | 11 | セルジオ・ペレス 2 | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 52 | +1 Lap | 14 | |
13 | 18 | ランス・ストロール | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 52 | +1 Lap | 17 | |
14 | 26 | ダニール・クビアト | トロ・ロッソ-ホンダ | 52 | +1 Lap | 19 | |
15 | 23 | アレクサンダー・アルボン | トロ・ロッソ-ホンダ | 52 | +1 Lap | 11 | |
16 | 99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | アルファロメオ-フェラーリ | 52 | +1 Lap | 10 | |
17 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース-フェラーリ | 52 | +1 Lap | 15 | |
18 | 88 | ロバート・クビサ | ウィリアムズ-メルセデス | 51 | +2 Laps | 18 | |
19 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ-メルセデス | 51 | +2 Laps | 20 | |
Ret | 8 | ロマン・グロージャン | ハース-フェラーリ | 44 | 撤退 | 16 | |
ソース:[32] |
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