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1,4-ナフトキノン(1,4-naphthoquinone)は黄色の三斜晶系結晶で、ベンゾキノンのような芳香を持つ有機化合物である。冷水にはやや溶けにくく(0.09g/L)、石油エーテルには若干溶け、ほとんどの極性溶媒とは任意の比率で混ざる。アルカリ溶液中では赤茶色を呈する。その芳香族性により、誘導体は抗菌、抗腫瘍活性を持つことが知られている。
1,4-ナフトキノン | |
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naphthalene-1,4-dione | |
別称
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 130-15-4 |
日化辞番号 | J5.430E |
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特性 | |
化学式 | C10H6O2 |
モル質量 | 158.15 g mol−1 |
密度 | 1.422 g/cm3、固体 |
融点 |
126 ℃ |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | ICSC 1547 |
関連する物質 | |
関連する異性体 | 1,2-ナフトキノン |
出典 | |
Merck Index, 11th Edition, 6315. | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
1,4-ナフトキノンは、ナフタレンを酢酸を溶媒として三酸化クロム存在下でクロム酸酸化させることで得ることができる[2]。工業的には、五酸化バナジウム系触媒を用い、ナフタレンを気相酸化することで製造されている[3]。1,4-ナフトキノン誘導体は1,4-ベンゾキノンとジエンとのディールス・アルダー反応によって合成され、さらに、1,4-ナフトキノンとジエンとのディールス・アルダー反応によってアントラキノン誘導体が合成される[4]。
ナフトキノン誘導体は重要な薬理活性を有している。それは細胞毒性であり、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗生物質、殺虫剤、抗炎症薬、解熱薬などの効能を持つ。このようなナフトキノン誘導体は、ディールス・アルダー反応によって合成される。ナフトキノンを含有する植物は、中国や南アメリカの国々では悪性腫瘍や寄生虫による症状の治療に広く用いられている[6]。
1,4-ナフトキノンは喉や目の粘膜、皮膚に対して刺激性を示し、水棲生物に対して強い毒性を示す[7]。ラット経口半数致死量は190 mg/kg、マウス腹腔内投与半数致死量 は5.6 mg/kgである[8]。
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