静脈管
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胎児では、静脈管(じょうみゃくかん、en:Julius Caesar AranziにちなんでArantius 管ともよばれる[1])が臍帯静脈の血流の一部を直接下大静脈に分流する[2]。これにより、胎盤からの酸素を含んだ血液が肝臓をバイパスすることが可能になる。動物実験では、臍帯血の50 %が静脈管を経由してシャントされることが分かっているが、ヒト胎児の生理的条件下でのシャントは、在胎20週目で 30 %、在胎32週目で18 %とかなり少なく、これまで考えられていたよりも胎児の肝臓の優先順位が高いことが示唆される[3]。他の胎児シャントである卵円孔や動脈管と連携して、酸素化された血液を胎児の脳に優先的にシャントするという重要な役割を担っている。胎児循環の一部である。