鉄門 (ドナウ川)
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鉄門(てつもん/ポルツィレ・デ・フィエル、ルーマニア語: Porțile de Fier、セルビア語: Ђердапска клисура / Đerdapska klisura、ハンガリー語: Vaskapu-szoros、ドイツ語: Eisernes Tor、英語: Iron Gates)とはドナウ川がカルパティア山脈を横断する部分の峡谷。セルビア・ルーマニア国境の一部をなす。広義には、134 kmからなる渓谷であり、狭義には東端部のみを指す。東端部はルーマニアの都市オルショヴァ(英語版)の郊外にあり、現在は水力発電目的のダムが建設されている。
![Thumb image](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/ca/IronGate.jpg/640px-IronGate.jpg)
景勝地として著名である。鉄門の周辺は湿地帯となっており、ヨシ、ヤナギ、ヨーロッパハンノキ(英語版)などの植物が生え、カタシロワシ、ヨーロッパスズガエル、コチョウザメ、ユーラシアカワウソ、アジサシ、ハシグロクロハラアジサシなどが生息している[1][2]。ルーマニアの鉄門自然公園(英語版)は2009年に[1]、セルビアの鉄門付近は2020年にラムサール条約登録地となった[2]。また、2020年にセルビア国内の部分がユネスコ世界ジオパークに指定される[3]。
ダムはルーマニア・ユーゴスラビアの共同事業で、治水を目的に1964年に建設が開始された。1972年に完成、二つの水力発電所と二つの水門が付随している。