膜輸送体
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この項目では、細胞膜を透過させるタンパク質について説明しています。血中を循環して生体分子を運搬するタンパク質については「運搬体タンパク質」をご覧ください。 |
膜輸送体(まくゆそうたい;英語 Membrane transport protein)とは、生体膜を貫通し、膜を通して物質の輸送をするタンパク質の総称である。単に輸送体または輸送担体[1](Transporter)あるいは輸送タンパク質(Transport protein)ともいう。
親油性の低分子化合物は、生体膜を通して高濃度側から低濃度側へ自発的に(濃度勾配に従って)移動する。しかし親油性の低い物質はそのように自発的には移動しない。また低濃度側から高濃度側への(濃度勾配に逆らう)移動は自発的には進行せず自由エネルギーの供給が必要である。これらの非自発的な輸送を司るのが膜輸送体である。
膜輸送体による輸送は上のように2つに分けられ、このうち親油性の低い物質の移動を促進拡散(受動輸送の一種)という。またエネルギーを要する低濃度側から高濃度側への移動を能動輸送という。以下、この機能的分類に従って説明する。