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「波浮の港」(はぶのみなと)は1923年に野口雨情が発表した詞に、中山晋平が作曲した歌曲である。
レコードは1928年5月に佐藤千夜子が日本ビクターから、その2ヶ月後の7月には藤原義江が同じくビクターから高額な赤盤レコードとして発売している。このレコードは当時(2種計で)10万枚を売り上げるヒットになった[1]。日本ビクターの社史では「ビクター初のヒット曲」と記されている[2]。
本歌の舞台である波浮港村(はぶみなとむら)は伊豆大島南東部の村である。島の中心部の新島村(1940年に新島村が元村と改称するまで大島にあるのが新島村で、新島にあるのは新島本村だった)からも三原山を挟んで反対側にあるわびしい漁村であった。
作詞にあたり雨情は現地には全く行かず、地図さえも確かめなかった。このため、歌詞が必ずしも現地の風景に忠実でない部分がある。東を海に面し西側に山を背負って全く夕日が見えない波浮港に「夕焼け」を見せる点や、雨情の故郷の磯原にはたくさんいるものの、大島には全くいない海鵜が登場する点がそれにあたる[1](長良川の鵜飼いに使う海鵜も、磯原に近い茨城県十王町産である)。
雨情の詩は、上記のように本来5節ある。佐藤千夜子のレコードでは5番まで歌われているが、藤原義江のレコードでは2番までしか歌われておらず、それぞれ3行目を繰り返している。
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