小島 武夫(こじま たけお、1936年2月11日 - 2018年5月28日[1])は、競技麻雀のプロ雀士である。日本プロ麻雀連盟初代会長・最高顧問。同団体内での段位は九段。福岡県福岡市博多区出身。
中学生の時に麻雀と出会い、2回目の時にはすでに金銭を掛けて麻雀を打っていたという。技術を買われて雀ボーイをするなどイカサマにも非常に精通しており、特に「小手返し」は一度も見破られる事が無かったという。この小手返しは手癖となっており、晩年まで使用し続けた。
雀士としての知名度が高く「ミスター麻雀」の異名を取った。阿佐田哲也・古川凱章らと「麻雀新撰組」を結成し[2]、深夜番組『11PM』の麻雀コーナーに登場するなど、タレントとしても活動。一方で著書『麻雀-君ならどう打つ』の記述が天野晴夫の著書『リーチ麻雀論改革派』で批判されるなど話題になる。晩年はCSのTV対局・麻雀格闘倶楽部シリーズ・ロン2などに出演した。「近代麻雀オリジナル」で連載されたかわぐちかいじの漫画『はっぽうやぶれ』の主人公・ 花島タケオは、小島がモデルとされる[注 1][3]。
麻雀のほかギャンブル一般と競艇に詳しい。「必勝シリーズ」にてイカサマ麻雀対策のビデオを発売したが、内容はイカサマのやり方を詳細に解説するというものであった。
役満の中でも最難関とされる「九蓮宝燈」を公式戦で2回(玄人時代を含めると5回)上がっており[4]、モンド麻雀プロリーグ第3回名人戦での九蓮宝燈は界隈で非常に有名で、公式動画だけで880万回以上の再生がされている[5]。
経営者となった雀荘をたびたび倒産させた借金王としても有名である。
酒好きで知られ、特にハイボールが好みで3日に1本は飲む。55歳のときに糖尿病を患い、75歳まで治癒しなかった。先述の経歴のため、年金を一切受けていないと自著では語られている[6]。2人の女性との間に子供3人を儲け、孫は2010年12月時点で10人[要出典]。孫の一人である小島優は、日本プロ麻雀連盟に所属するプロ雀士である。
2011年、第1期麻雀グランプリMAXで優勝。さらに第5回モンド名人戦で優勝を果たし、75歳でタイトル2冠を達成した。
2018年5月28日午前、心不全のため療養先の東京都内の病院で死去[7][8]。82歳没。訃報は日本プロ麻雀連盟が5月31日に公式サイトにて告示した[7]。
映画
- 凌辱<こます>(1979年5月19日公開、にっかつ)監督:白井伸明 - 立会人 役[9]
- 極道記者(1993年7月19日公開、大映)監督:望月六郎 - 賭場の客 役[10]
- 雀鬼くずれ(2003年2月15日公開、ケイエスエス)監督:服部光則[11]
オリジナルビデオ
- 雀狼伝 2 必殺!!亜空間殺法(2000年10月21日、オールイン エンタテインメント)監督:服部光則[12]
- 雀士最強伝説 炎の大三元(監修:小島武夫)(2001年1月12日(2000年制作)、Softgarage)監督:井出良英[13]
- 麻雀飛龍伝説 天牌 2(2002年2月8日、ケイエスエス)監督:服部光則[14]
- 兎USAGI~野性の闘牌~(2013年2月15日、ジーピー・ミュージアム)監督:薬師寺光幸[15]
テレビドラマ
- いねむり先生(2013年9月15日、テレビ朝日・ドラマスペシャル)- 出演:カギヤマ(マキコの麻雀の仲間)役、麻雀監修:小島武夫
一般ビデオ・DVD
- 小島武夫の実践麻雀 負けない理論 守り編(2001年1月26日、ケイエスエス)
- 小島武夫の実践麻雀 負けない理論 攻撃編(2001年1月26日、ケイエスエス)
- プロ麻雀リーグ プロが選ぶ一局編(2005年3月30日、エイベックス)
- プロ麻雀リーグ 役満編(2005年3月30日、エイベックス)
- THE役満 ベストセレクション(2014年12月3日、AMGエンタテイメント)- 解説
- ミスター麻雀 小島武夫の足跡(2018年1月10日、AMGエンタテイメント)
漫画原作
- 麻雀新撰組(原作:小堀洋・小池一夫 作画:神江里見 協力:小島武夫)(1974年4月30日、劇画キングシリーズ オリオン出版)
- 必殺のマージャン(作画:北野英明)(1975年5月30日、トップコミックス 秋田書店)
- 麻雀昭和怨歌(作画:芳谷圭児)(1976年8月20日、オールコミックス 実業之日本社)(1978年4月20日、マンサンコミックス 実業之日本社)
- サラリーマン雀鬼(作画:北山茂樹 脚本:三輪洋平)(1976年11月1日、トーエンコミックス 桃園書房)
- サマ師志願(作画:村岡栄一、くずはら和彦 他 原作:小島武夫、畑正憲 他)(1978年2月20日、マンサンコミックス 実業之日本社)
- 雀鬼一番勝負(作画:北山茂樹 脚本:三輪洋平)(1978年3月10日、ワールドコミックス 久保書店)
- 別れ牌有情(作画:司敬、村岡栄一 他 原作:小島武夫、野村敏雄 他)(1978年6月20日、マンサンコミックス 実業之日本社)
- 青春!!雀鬼颯爽(作画:司敬 原作:小島武夫、志村裕次、西塔紅一)(1985年11月23日、マンサンコミックス 実業之日本社)
- 天下に無双(作画:司敬)(1986年6月1日、トクマコミックス 徳間書店)
関連本
- 煌々たる雀星 小島武夫伝(コミック)(作画:井上孝重 原案・協力:馬場裕一)(1990年8月21日、竹書房/近代麻雀コミックス)ISBN 9784884754709 - 全3巻の内の第1巻
- 煌々たる雀星 無邪気な帝王 小島武夫(コミック)(作画:井上孝重 原案・協力:馬場裕一)(2003年12月21日、竹書房/バンブーコミックス)ISBN 978-4812458655 - 全3巻の内の第1巻(小島武夫伝)を収録
- プロ麻雀伝説・小島武夫&灘麻太郎(コミック)(作画:井上孝重 原案・協力:馬場裕一)(2012年10月27日、竹書房/バンブーコミックス)ISBN 978-4812478431 - 全3巻の内の第1巻(小島武夫伝)・第3巻(灘麻太郎伝)を収録
- 小島武夫 ミスター麻雀のすべて(著:近代麻雀編集部)(2018年7月25日、竹書房)ISBN 978-4801915701
- 魅せる麻雀・小島武夫何切る?【近代麻雀 2021年6月号付録小冊子】(2021年5月1日、竹書房)
雑誌
- 近代麻雀 2021年6月号(竹書房)- ミスター麻雀 小島武夫特集号、別冊付録:小冊子「魅せる麻雀 小島武夫何切る!?」
注釈
同様に、作中に登場する朝倉徹也は阿佐田哲也、蟹江凱は古川凱章がそれぞれモデルとされる。
出典
「麻雀新撰組 in the 70s'」『近代麻雀』第30巻第7号、竹書房、2008年3月、12ページ。
『ろくでなし 伝説のミスター麻雀、酒と女とカネの無頼75年』プロローグより。
極道記者 - キネマ旬報WEB 2024年3月29日閲覧
雀鬼くずれ - allcinema 2024年3月29日閲覧