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韓国の小説家朴鍾和の小説作品 ウィキペディアから
女人天下(にょにんてんか、朝鮮語: ヨインチョナ、ハングル:여인천하)は、韓国の小説家朴鍾和の小説作品である。
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女人天下 여인천하 | ||
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著者 | 朴鍾和 | |
発行日 | 1959年 | |
発行元 | 女苑社 | |
ジャンル | 歴史小説 | |
国 | 韓国 | |
前作 | 官吏の道 | |
次作 | 寝むって行くあの雲よ | |
ウィキポータル 文学 | ||
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1958年より韓国日報に連載開始され、翌1959年、女苑社より上下2巻の単行本が出版された。1960年には舞台化、1962年には映画化、2001年にはテレビドラマ化されている。
15世紀から16世紀、中宗在世時の朝鮮を舞台に「朝鮮三大悪女」のひとり鄭蘭貞と彼女が仕えた中宗の正妃文定王后尹氏、蘭貞の夫で文定王后の兄尹元衡たちの権力闘争と没落を描く。
燕山君から中宗治世下の朝鮮。反逆者として追われる身となった王族巴陵君は、自分の子を身ごもった妓生をひそかに逃がすが、彼女は単身逃亡中に倭寇の襲撃に遭い、女児を生み落して死亡する。女児は自身の子を死産したばかりの鄭允謙の側室に引き取られ、蘭貞(ナンジョン)と名付けられる。
成長した蘭貞は庶子の故に不遇な日々を過ごしながらも美しく聡明な女性として育ち、やがて若き両班尹元衡に見初められる。蘭貞は元衡の姉妹にあたる文定王后を知り、彼女の忠臣となる。
敬嬪朴氏、金安老との権力闘争の末、文定王后は実子慶源大君即位後その摂政となる。元衡の側室となっていた蘭貞は正室(金安老の姪)を毒殺後継室に収まり、外命婦最高の位である「貞敬夫人」の称号を得て共に栄華を極める。
しかし文定王后の死後、元衡夫妻は権力を失い没落。蘭貞は正室殺害の容疑に問われ、元衡ともども自害して果てる。
1960年2月26日より翌3月2日まで、国立劇団により同劇団第17回定期公演作品として上演された。車凡錫が脚色、李眞淳が演出を担当した[1]。
以下の記述は[2]に基づく。
大瑛映画社が制作し1962年に上映された。監督は尹峰春。日本未公開。
2001年2月5日から2002年7月22日まで、韓国SBSにて放送された。SBS月火ドラマ(SBS 월화드라마)作品のひとつ。ユ・ドンユンが脚本を担当し、キム・ジェヒョンが監督を務めた。平均30パーセントの視聴率を獲得し、当初全50話の予定が延長され、最終的には全150話となった。「韓国史上最も当初予定より延長されたドラマ」のひとつとしても挙げられる作品である [4]。
作品中にて敬嬪朴氏に扮するト・ジウォンが度々発する台詞「メイヤ(메이야)[脚注 1]、「何だと」の意)」は流行語となった[5][6]。
韓国を代表する女優のひとりカン・スヨンが、16年ぶりにテレビドラマに出演した作品でもあった。この作品の出演に際して、彼女はランニング・ギャランティ方式(出演料が視聴率によって支払われるシステム)による契約を行った。これは韓国ドラマ史上初めての事であった [7]。
2001年度SBS演技大賞にてカン・スヨンと文定王后尹氏役のチョン・イナが揃って大賞を受賞した[8]他、ト・ジウォンが最優秀演技賞(女優)を受賞した。カン・スヨンは同年度クリメ賞(그리메상)最優秀演技者賞(女優)も受賞している[9]。
俳優 | 役名 | 作品中の設定等 |
カン・スヨン 少女時代チャン・スヘ | チョン・ナンジョン | 本作品の主人公。巴陵君とケヒャンの間に産まれるが誕生後実母を喪い、チャンフン宅に娘として引き取られる。清楚さと妖艶さを併せ持つ美貌の持ち主。ウォニョンの側室となりサムを儲ける。 |
ペク・ユンシク | チョン・ユンギョム | ナンジョンの養父。中宗反正時の功臣でもある武官。聡明なナンジョンを可愛がっていたが、後ナンジョンとの関係が悪化していく。 |
キム・ヘスク | 夫人朴氏 | ユンギョムの正妻でリョムとオンニョンの母。後ユンギョムに実家に帰される。 |
キム・ヨンナン | チャンフン宅 | ユンギョムの側室でナンジョンの養母。元は両班だったが父が大逆罪で処刑された事に連座して奴婢階級となった。 |
キム・ジェハ 少年時代チャン・グンソク | チョン・ニョム | ユンギョムの息子でナンジョンの兄。漢字表記は鄭濂。母、妹と共にナンジョンを苛め蔑む。母が実家に帰され父が地方に去った後、財産を失い長通橋の居候を経て、最終的にユン・ウォンヒョン率いる小尹に加勢する。 |
アン・ヨノン 少女時代パク・チナ | チョン・オンニョン | ユンギョムの娘でナンジョンの姉。母や兄と共にナンジョンを苛める。パク・ヒリャンと婚約していたが破談となる。 |
俳優 | 役名 | 作品中の設定等 |
イ・ドックァ | ユン・ウォニョン (ウォンヒョン) | ユン・ジイムの次男、承候官。妓生の見習いだった頃のナンジョンを見初め、後側室とする。ナンジョンと文定王后に支えられ、後朝廷の実権を握る。 |
チョン・イナ | 文定王后 | ユン・ジイムの長女でウォルロ、ウォニョンの妹。章敬王后の死後中宗の継室となる。ナンジョンと二人三脚で権力闘争に打ち勝ち、実子即位後は摂政となる。 |
パク・ウン | ユン・ジイム | ウォルロ、ウォニョン、文定王后の父。貧乏両班だったが娘が中宗の王妃となり坡山府院君となる。当初はナンジョンを毛嫌いしていたが後受け入れる。 |
キム・ギソプ[12] | ユン・ウォルロ (ウォンロ) | ユン・ジイムの長男。作品中では尹元路の漢字表記が用いられている。文定王后やウォニョンの意向に反し、敬嬪朴氏・シム・ジョンに近づいて司憲部の役職を得る。彼らが朝廷から消えるとキム・アルロ・ユン・イムらに近付き、それがきっかけで弟妹と仲たがいしていく。 |
イ・ヘスク | 夫人金氏 | ウォニョンの正妻でキム・アルロの姪。後ナンジョンに殺害される。 |
ユン・サム | ウォニョンとナンジョンの息子。 |
俳優 | 役名 | 作品中の設定等 |
イ・ボヒ | 慈順大妃 | 中宗の母。 |
チェ・ジョンファン | 中宗 | 第11代国王。反正により異母兄の燕山君にかわり王となった。即位7日後に功臣たちに押され、慎氏を廃位し王宮から追放。以後功臣たちや後宮たちの政治的干渉を生涯において受け続ける。 |
キム・ヒヨン | 廃妃慎氏 | 中宗の最初の王妃。夫の即位7日後に廃位され宮廷から追放された。その後仏門に入りタンチュ和尚の寺で過ごしていた。 |
オ・アラン | 章敬王后 | 中宗の継室でユン・イムの妹。孝恵公主と元子/世子の母。元子出産後死去。 |
ユ・ソヨン[12] | 孝恵公主 | 中宗と章敬王后の娘。本名はオッカ(オクハ)。キム・ヒの妻。自身が灼鼠の変に関わり、弟を呪詛する品を置いた事で深く苦悩し、病に倒れ死去。 |
チョン・テウ 子供時代クォン・オミン | 世子/仁宗 | 中宗と章敬王后の息子で第12代国王。文定王后に育てられ、彼女に対して篤い孝心を示す。 |
シン・ウンジョン | 嬪宮/仁聖王后 | 仁宗の正室。 |
ト・ジウォン | 敬嬪朴氏 | 中宗の側室でパク・スリムの娘。尚州で暮らしていたがパク・ウォンジョンの養女となり側室として王宮に入り、福城君・恵順翁主・恵静翁主の母となる。文定王后とナンジョンの政敵として、一時は朝廷にて権勢を誇るが灼鼠の変と木牌の変により流刑の後賜死される。 |
アン・ホンジン 少年時代オ・スンヨン | 福城君 | 中宗の長子で母は敬嬪朴氏。長じて母同様流刑の後賜死される。 |
ソン・ナヨン[13] | 郡夫人尹氏 | 福城君の正室。 |
キム・ミニ | 熙嬪洪氏 | 中宗の側室でホン・ギョンジュの娘、錦原君・鳳城君の母。敬嬪ともども王后の地位への野心を持ち、文定王后の政敵となる。 |
イ・プンウン | 錦原君 | 中宗と熙嬪洪氏の息子。 |
チェ・ジョンウォン | 昌嬪安氏 | 中宗の側室で、永陽君・徳興君の母。常に正しい発言をし、文定王后や慈順大妃からの信頼が篤かった。中宗死後は文定王后の計らいにより引き続き王宮にとどまることを許された。 |
チョ・サンジン | 徳興君 | 中宗と昌嬪安氏の息子。王世子選びで最終選考の対象者となるが辞退した。 |
キム・グァンヨン 子供時代キム・ハクチュン | 慶源大君/明宗 | 中宗と文定王后の息子で第13代国王。 |
俳優 | 役名 | 作品中の設定等 |
キム・ジョンギョル | キム・アルロ | キム・ジョンの甥でキム・ヒの父。文定王后とナンジョンの政敵。 |
パク・ピョンホ | キム・ジョン | キム・アルロの叔父でキム・ヒと夫人金氏の祖父。領議政だったが高齢のため辞職。 |
パク・ヒョンジェ[13] | キム・ヒ | キム・アルロの息子で孝恵公主の夫、延城尉。ナンジョンにそそのかされ妻と共に灼鼠の変に関わる。 |
俳優 | 役名 | 作品中の設定等 |
イ・ヒョジョン | ユン・イム | 反正功臣のひとり、章敬王后の兄で仁宗の伯父。判府事。キム・アルロの盟友。メヒャンを巡りイム・ベンニョンと争う。 |
キム・ヘジョン | 貞夫人 | ユン・イムの正室。 |
俳優 | 役名 | 作品中の設定等 |
チェ・ドンジュン | 巴陵君 | 中宗の叔父でナンジョンの実父。行方不明となったケヒャンと実子を探している。 |
キム・ヨンイン | パク・ウォンジョン | 反正功臣のひとり。敬嬪の養父。 |
ムン・チャンギル | ナム・ゴン | 反正功臣のひとりでシム・ジョンともども敬嬪に近づく。領議政にまで登りつめるが朝廷内で孤立し引退。 |
キム・ヨンソン[要曖昧さ回避] | シム・ジョン | 反正功臣のひとりで華川君の爵位を持つ。敬嬪の手足となり、彼女との姦通疑惑が持たれた事もある。キム・アルロの策略で匿名書事件の首謀者に仕立て上げられて失脚、後流刑先で賜死される。 |
アン・デヨン | ホン・ギョンジュ | 反正功臣のひとりで南陽君の爵位を持つ。熙嬪洪氏の父。娘が王妃の地位に付けるよう画策するが失敗。病に倒れ死去。 |
キム・ホヨン | チョン・グェンピル | 士林派からの信頼が厚い。ナム・ゴン辞任後に領議政となるが、中宗を批判して罷職された。 |
ソ・ハク | アン・ダン | 士林派のひとりでチョ・グァンジョの朝廷における後見人的存在でもあった。策略により謀反の疑いをかけられ賜死される。 |
チャ・グァンス | チョ・グァンジョ | 士林派のひとり。中宗に寵愛され大司憲にまで出世するが己卯士禍に遭い賜死される。 |
パク・サンギュ | イ・ジャンゴン | 兵曹参判。チョ・グァンジョらの処刑に反対し罷免される。 |
パク・ムンソプ[13] | イ・ハン | 大司憲。 |
パク・サンジョ[13] | キム・グクピプ | 都摠管。 |
イ・ウソク[13] | ホ・ハン | キム・アルロ側に付く文臣。 |
パク・スンホ[13] | チェ・ムテク | キム・アルロ側に付く文臣。 |
カン・マニ[14] | ユン・ウンボ | 中立派。 |
イ・ジヒョン | イ・オンジョク | 士林派のひとり。キム・アルロに疎まれ朝廷を追われる。 |
チョン・ウン | チャン・スンソン | 兵曹判書。シム・ジョンの一派にいたが後キム・アルロ側に寝返った。 |
パク・ヨンジ | ハン・ジュンボ | 都総管。キム・アルロの腹心。 |
パク・ピョンソン | パク・ヒリャン | 儒学生でオンニョンの婚約者だったがナンジョンに色情を寄せて破談となる。士林派に近かったが仲間とともにチョ・グァンジョの賜死を求めて座り込みを行い、以後敬嬪/シム・ジョン、キム・アルロと取り入りながら朝廷で出世していく。 |
俳優 | 役名 | 作品中の設定等 |
ハン・ヨンスク | オム尚宮 | 交泰殿 (王后の住まい) 付尚宮。 |
イ・ジェジョン | オ尚宮 | 交泰殿付尚宮。 |
ソ・ヨンエ[15] | キム尚宮 | 慶寧殿 (中宗の住まい) 付尚宮。敬嬪の間者。 |
ペ・ミジャ[16] | チョ尚宮 | 大妃殿付尚宮。 |
カン・スヨン | パク尚宮 | 東宮殿(世子の住まい)付尚宮。 |
チョン・ヒョナ[17] | クム | 敬嬪付宮女、後昇進しチャン尚宮。灼鼠の変の際尋問を受け、敬嬪を裏切る発言を行い、彼女を死へ追いやる。自責の念に堪え切れず王宮内にて縊死する。 |
ク・ジャミ[18] | ヒャン | 熙嬪付宮女。 |
俳優 | 役名 | 作品中の設定等 |
イ・ギョンファ | ケヒャン | 巴陵君の愛妾でナンジョンの実母。逃亡中に倭寇に襲われ、ナンジョンを出産後死亡する。 |
ハン・インス | タンチュ和尚 | 山寺の住職で、カッパチとパン・ベギンの兄貴分。ケヒャンの出産に立ち会いナンジョンを取り上げた。 |
イム・ヒョク | カッパチ | 革靴屋。高い教養と見識を持つ。チョ・グァンジョ、ウォニョン、イム・ベンニョンの師匠。 |
イ・チュンシク[19] | パン・ベギン | 占い師。 |
クォン・ウナ[20] | タンゴル | 巫女でパン・ベギンの妻。かつてユンギョムの正室の依頼で、妊娠中のチャンフン宅を崖から突き落とし死産させた。 |
ヤン・グムソク | チャウナ | 妓生でメヒャンの母。長通橋で妓房を経営する。 |
パク・チュミ 子役時代チュ・スルギ | オク・メヒャン | ナンジョンの幼馴染で妓生。イム・ベンニョンを愛するが、科挙合格の妨げになると考え自ら身を引く。 |
イ・ミヌ | イム・ベンニョン | 地方の儒学生でカッパチの弟子。後ウォニョンと共に朝廷で権勢を振るう。 |
キム・ジョンウン 子役時代パク・キュリ | ヌングム | 旅芸人だったがペク・チスとの邂逅をきっかけに商人の道を歩む。幼いころからキルサンの事を想っており、ナンジョンの事をよく思っていない。 |
パク・サンミン 子役時代チュ・ハヌル | キルサン | 旅芸人でタルレの兄。武術に優れている。兄だと偽り、ナンジョンの護衛役を務めるが刺客との戦いにて生命を落とす。 |
子役時代キム・ヒジョン | タルレ | キルサンの妹。 |
シムトゥン | 長通橋の妓房で働く少女。 | |
キム・ミンジョン[21] | モリン | 山寺からナンジョンが引き取った少女。当初は口がきけなかったが後話せるようになる。 |
キム・ギヒョン | ペク・チス | 商人で南門の行首。ヌングムに亡き娘の面影を追い、商人として修行をさせる。朝廷の陰謀に巻き込まれて財産を失いチャン大人の軍門に下った。 |
イ・フィヒャン | チャン大人 | 明の巨商でヌングムの師匠。朝鮮人の父と明国人の母を持つ[22]。朝廷の実力者に取り入り金儲けをしようとする。 |
チョン・ハノン[23] | ユン・チュンニョン | ウォニョンの従兄弟の息子でナンジョンを叔母と慕う。 |
キム・ナウン | ソ・ウォリャン (ウォルヒャン) | チュンニョンが連れてきた妓生。 |
2002年9月2日から翌2003年2月26日まで、八大電視系のCS局である八大戲劇台(zh)にて放送された。放送時、信楽団の『死了都要愛』が台湾版オリジナル主題歌として、また容祖兒(ジョイ・ヨン)の『明天愛誰』および『心情不好』がオリジナル挿入歌として用いられた。
2006年7月1日から翌2007年12月1日までSky PerfecTV!の331chにて放送された後、三重県の地方局であるMTVにて2009年5月6日より放送された[24]。
亜洲電視系チャンネルであるaTV本港台(本港台)にて放送された事がある(放送日時は不明)。放送時、葉麗儀(フランシス・イップ、zh)の『活出個未來』、および『又是命運』が香港版オリジナル挿入歌として用いられた[25]。
作品中の音楽、および主題歌の製作に、パンソリ名唱(歌い手)の安淑善(안숙선)、伽耶琴奏者の黄秉冀(황병기)、ソプラノ歌手の吉愛鈴が参加した。安はオープニングテーマにも用いられたタイトル曲を歌い、吉はヌングムのテーマソング『哀歌』を担当した[26]。
韓国ではDVDは未発売であり、台湾および日本でDVDが発売されている。台湾版はNew Her Ming Videoから2006年11月にDVD-BOX(全3巻)が発売された[28]。日本ではコリア・エンターテインメントより2009年7月にDVD-BOXの第1作目が発売され、翌2010年3月までに全9作が発売された[29]。
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