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コリオリの力(コリオリのちから、仏: force de Coriolis)とは、慣性系に対して回転する座標系内を運動する物体に作用する慣性力または見かけの力である。時計回りに回転する座標系では、この力は物体の進行方向の左側に働き、反時計回りでは力は右に働く。コリオリの力による物体の偏向はコリオリ効果と呼ばれる。コリオリの力を数学的に表現したのは、1835年にフランスの科学者ガスパール=ギュスターヴ・コリオリが水車の理論に関連して発表した論文が初出である。20世紀初頭、コリオリ力という言葉は気象学に関連して使われ始めた。
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古典力学 | ||||||||||
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歴史(英語版) | ||||||||||
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![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b6/Corioliskraftanimation.gif)
ニュートンの運動法則は、慣性(加速しない)系内の物体の運動を記述している。ニュートンの法則を回転系に変換すると、コリオリ加速度と遠心加速度が現れる。質量を持つ物体に適用すれば、それぞれの力は質量に比例する。コリオリ力の大きさは回転速度に比例し、遠心力の大きさは回転速度の2乗に比例する。コリオリ力は、慣性系に対する回転系の角速度と、回転系に対する物体の速度という2つの量に垂直な方向に作用し、その大きさは回転系における物体の速度(より正確には、速度のうち回転軸に垂直な成分)に比例する。遠心力は半径方向の外側に働き、回転フレームの軸からの物体の距離に比例する。これらの付加的な力は、慣性力、見かけの力と呼ばれる。回転系にこれらの見かけの力を導入することで、ニュートンの運動法則をあたかも慣性系であるかのように回転系に適用することができる。
コリオリ力という用語の日常的な使われ方において、回転系は大抵地球を意味している。地球は自転しているため、地球にいる観測者は、物体の運動を正しく分析するためにはコリオリ力を考慮する必要がある。コリオリ力の影響が顕著になるのは、大気中の空気や海洋中の水の大規模な運動など、距離や時間のスケールが大きい運動や、長距離砲やミサイルの軌道のように精度が重要な場合に限られる。このような運動はおよそ地球の表面にに制約されるため、一般にコリオリ力の水平成分のみが重要となる。この力は、地表を移動する物体を、北半球では進行方向に対して右に、南半球では左に偏向させる。この水平偏向の影響は極点付近でより大きくなる。というのも、局所的な鉛直軸を中心とした有効的な回転速度は極点付近で最も大きくなり、赤道付近ではゼロまで減少するからである。風や海流は、非回転系のように単純に高気圧から低気圧へと直接流れるのではなく、赤道より北ではこの方向より右に(反時計回り)、赤道より南ではこの方向より左に(時計回り)流れる傾向がある。この効果によって回転が起こり、台風が形成される。