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ヴィクトル・タタン(Victor Tatin 、1843年 - 1913年)[1]はフランスの発明家。主として1870年代に重航空機の研究を行なった。タティンと表記する資料[2][3]もある。
はじめゴム動力の模型オーニソプターを作っていたが、1879年には固定翼(単葉)の模型飛行機を製作[1]。これは翼幅が1.9メートルという大型の動力模型で、機尾に水平尾翼を持ち、四枚羽の牽引式プロペラを二つ備え、それらを圧縮空気エンジンで駆動する方式だった。この模型は15メートルの距離を飛行することに成功した[1](ただし自由飛行ではなく、Uコンのようにワイヤで中心軸につながれた円運動であった[3])。ちなみに彼の実験に先行する1875年には、イギリス人トーマス・モイ(Thomas Moy )が同様の実験を執り行ない、タタンのものよりさらに大型の模型(翼幅4メートル半のタンデム翼機で、動力は蒸気機関)を浮揚させている。
同時代のフランスの飛行機研究者には、ジャン=マリー・ルブリ、アルフォンス・ペノー、フェリックス・デュ・タンプルらがいる。
1890年代には、蒸気機関を積んだ大型の単葉模型機を作った。ライト兄弟による有人動力飛行成功(1903年)以降は、その水準に追いつかんとするフランスの航空界で「応援団長の役割を務めた」[4]。タタン自身も晩年にはフルサイズ機を製作している。ただし1907年の単葉機タタン・ド・ラ・ボー号は飛行できず、1911年のタタン・ポーラン・アエロ・トルピーユ号も(流線型の、当時としては斬新な設計の単葉機であったが)性能は芳しいものではなかった。[5]
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