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イギリスの大学院大学 ウィキペディアから
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(正式名称: ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス、英: London School of Economics and Political Science、略称: LSE)は、社会科学に特化した、ロンドン大学を構成するカレッジの1つである。ただしロンドン大学を構成する他のカレッジと同様に、通常は独立した個別の大学として扱われている。ロンドン中心部のオールドウィッチにキャンパスを構える。1900年にロイヤル・ホロウェイと共にロンドン大学のカレッジに加盟した。
2021年のQS World University Rankingsにおいては、社会科学分野で世界2位(欧州内1位)と評価されている[3]。社会政策をはじめ、LSEが発祥とされる世界的に著名な学問分野を有する。社会政策・管理(Social Policy & Administration)分野では、世界最高峰を誇る。近年では、NGOのマネジメントに関する研究や、環境経営学、欧州共同体研究、開発学、平和構築・紛争解決学などの分野での教育・研究が高く評価されている。
現在までに卒業生、教員、創立者から計19人のノーベル賞受賞者(経済学賞13人、文学賞2人、平和賞4人)、53人の各国首相・大統領・国家元首を輩出している。
LSEのキャンパスは、英国政治の中心である国会議事堂から経済の中心シティのイングランド銀行までの中間地点にある。双方へ徒歩15分程度の距離である。
キャンパスは、政治・経済・メディア・文化などの分野で英国を代表する機関に囲まれてもいる。キャンパスの隣にはイングランドの最高裁判所である王立裁判所があり、近隣にはリンカーン法曹院など司法関連の施設や弁護士事務所が多い。BBCワールドサービス本社が入るBush Houseも通りをはさんだ所にある。キングスウェイを西に渡るとコヴェント・ガーデンで、ロイヤル・オペラ・ハウスなどがあるウエスト・エンドの劇場街になる。キングスウェイを北に10分ほど歩くと、大英博物館がある。
キャンパスの北隣にはリンカーンズ・イン・フィールズという広場もある。隣接のPeacock Theatreではロンドンを訪れた各国首脳などの著名人の講演や卒業式などのセレモニーが行われる。
LSEには社会科学専門大学としての先進性を支えている図書館、British Library of Political and Economic Science (BLPES)がある。ノーマン・フォスターが設計した、大きならせん階段が特徴的なこの図書館は世界最大級の社会科学専門図書館であり、2002年現在、蔵書数は400万冊を超え、さらに増え続けている[9]。BLPESは国連寄託図書館に指定されているが、他の国際機関や世界中の政府発行の統計資料も数多く揃えている。LSEの学生・研究者はこの図書館のコンピュータから2万件以上の学術誌を購読できる。
2013年にはそれまでロンドン・メトロポリタン大学が所蔵していた女性図書館のコレクションを入手した[10]。
LSEは主に以下の専攻で構成されている。
LSEは、社会科学専門の大学であるため理系の大学との比較は本来不可能である。しかし、英国政府が行っている公的な研究査定や新聞社の評価などで、LSEの現状や英国内や世界における位置づけがある程度、把握できる。
Research Assessment Exercise (RAE) は、数年に1度、英国政府が研究機関に対して行う研究成果の公的な調査および査定である。英国の研究機関で行われている研究を何十もの分野に分け、その分野の専門家がお互いの研究成果を査定し、 英国政府はその結果に基づいて国内の研究機関への資金配分を決める。RAEはこれまで1992年、1996年、2001年、2008年の4回実施されている。
2008年版のRAEによると、総合ランキングでLSEは第2位[11]であった。評価方法が変更されているので正確な比較はできないが、この結果は前回、2001年の調査の4位[12]から改善している。LSEの研究の約35%が世界トップレベルと査定された[13]。これは英国のどの大学・研究機関よりも高い比率で、高級紙のインデペンデントはこの結果を重視し、LSEをイギリスで最高の研究機関だと評している[14]。結果を分野別に見ると、経済学、ヨーロッパ研究、法学、社会政策学の各分野でイギリスで第1位、文化人類学で第2位であった[15]。特に経済学や社会政策学は研究の60%、50%が世界トップレベルという非常に高い評価を受けた[16]。
英国では新聞各紙が独自の視点に基づいた大学ランキング(総合ランキングは下記の表を参照)を発表している。 サンデー・タイムズ紙は1997年 - 2007年の10年間の総合ランキングでLSEを第3位にしている[17]。 またガーディアン紙は2003年度版の大学案内で「世界中のどの大学よりも今日の国際政治に与えた影響が大きい」とLSEを紹介している。
詳細なデータが公開されているインデペンデント紙[18]の2016年度版のランキングを見てみると、 以下のようなLSEの特徴が読み取れる。
Assessor | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 | 2007 | 2006 |
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The Complete University Guide | 2nd[21] | 4th[21] | 5th[22] | 4th[23] | 3rd[24] | 4th[24] | ||
Guardian University Guide | 3rd[25] | 4th[26] | 8th[26] | 5th[27] | 6th | 3rd | 3rd[28] | 5th[29] |
Times Good University Guide | 3rd[30] | 3rd | 5th[31] | 7th[32] | 4th[33] | 4th[34] | 4th[35] | 4th[36] |
Sunday Times University Guide | 4th | 9th[37] | 4th | 4th[38] | 3rd[39] | 3rd[40] | 4th |
QS World University Rankingsは教育情報の専門会社Quacquarelli Symondsが毎年発表している世界大学ランキングである。このランキングは2007年に大幅に査定方法が変更され、自然科学系・工学系専攻のない大学は不利になり、LSEは大きく順位を落とした。しかし、社会科学分野では世界2位(欧州内1位)となっている。
イギリスの新聞タイムズが毎年発表しているTHE世界大学ランキングにおいてLSEは以下のように評価されている。
Shanghai Ranking Consultancyが毎年発表している世界大学学術ランキングにおいてLSEは以下のように評価されている。
LSEの中で高い評価を受けている分野として以下の学問分野がある。
世界各国から留学生が集うLSEには日本人学生も多数在籍している。2014年度には学部生16名、大学院生81名の合計97人がLSEで学んでいる[108](語学留学生・交換留学生は含まない)。官公庁からの留学生も多い。グローバルな同窓会のネットワークを有し、LSE日本同窓会 (LSE Alumni Association Japan) が大学公認の同窓会として、日本はもとより世界のLSE同窓会と連携して活動している。
また、日本の大学の教員や学生が交流協定を通じてLSEに毎年、留学している。LSEが学術交流協定を結んでいる日本の大学は東京大学、一橋大学、東北大学、慶應義塾大学、国際基督教大学、学習院大学である[109]。
1978年にトヨタ自動車とサントリーが協同出資して設立した研究機関STICERD (The Suntory and Toyota International Centre for Economics and Related Disciplines) があり、日本経済から貧困まで幅広いテーマで研究活動を行っている。