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ペア碁(ペアご)は、滝久雄によって創案された[1][2][3][4][5]囲碁の新しい楽しみ方である[6][7]。白黒双方とも二人の打ち手がチームを組み、交互に着手する形式を取る。「ペア碁」および「PAIR GO」は、日本ペア碁協会の登録商標である。
ペア碁は、男女のペア同士が一面の共通の碁盤を用いて、黒番の女性、白番の女性、黒番の男性、白番の男性の順で交互に打つという試合方式[1]がとられる。ペア碁の正式ルールでは、味方同士でも相談することは許されない[1]。勝つためには、パートナーとの意思の疎通、お互いのミスをカバーし合う気遣いなども必要である[3][7]。
同性同士がペアを組んで戦うことも可能だが、日本ペア碁協会の正式ルールでは「男女がペアを組む」と規定されており、一般にも普及・交流の目的などから、男女ペアで行われることが多い。
現在では、アマチュアやプロ棋士を対象とした国際棋戦や国内棋戦も行われ、国際大会でも正式種目として採用されている。また、広い世代へのアプローチを目的として、日本ペア碁協会が主催する各ペア碁大会では併催イベントとして「ベストドレッサー賞」が実施されている[3]。
「日本ペア碁協会」の定める「ペア碁」の正式ルールは以下の通りである。
またアマチュアのペア碁大会で実施されているハンデ戦は、ペアそれぞれの段級位を足して2で割ったポイント(ペアポイント)を算出し、対戦ペアとの差でハンデを付けて対局を行う。
「ペア碁」規約は、日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語の5ヶ国語で記載されている[8]。なお、「ペア碁」のルールが定まったのは、創案の翌年の1991年であり[1]、吉國一郎日本ペア碁協会名誉会長が監修を行った。
その年のアマチュアのペア碁世界一を決める「国際アマチュア・ペア碁選手権大会」が1990年から毎年開催されている。1994年からは日本棋院・関西棋院に所属する男女トッププロ棋士を対象として「プロ棋士ペア碁選手権戦」という国内プロ棋戦が行われている。2008年にはマインドスポーツの公式種目に、2010年には「広州アジア競技大会」で競技種目、2011年にはIOC承認「スポーツアコードワールドマインドゲームズ」で正式種目となる。国際プロ棋戦として、2010年に中国杭州市にて「ペア碁ワールドカップ2010」が、2016年には「ペア碁ワールドカップ2016東京」、翌2017年から2019年には、「世界ペア碁最強位戦」が、2019年には「ペア碁」創案30年を記念する国際大会が開催された。現在では世界75カ国・地域(2019年10月時点)でプレーされている[2]。2022年3月17~21日には世界のプロ棋士やアマチュアが参加する「ペア碁ワールドカップ2022ジャパン」が開催された[9]。
ペア碁の発想の元となったのは、古くから存在した対局形式「連碁」(双方数人ずつがチームを組み、交代で着手する)である[2]。たとえば1837年(天保八年)には、土屋秀和・竹川弥三郎(先番五目コミ)対太田雄蔵・服部正徹の、2対2の連碁が打たれている[12]。
囲碁は特に右脳を使うゲームである[13]。連碁は、エキシビションとしての楽しさはあるが、同じ進行を複数の碁盤に並べる形式では左脳を使うことになり、勝負を競うゲームとしての意味合いが薄いことから一つの碁盤を使って二人対二人で対局する「ペア碁」の構想が生まれた[1][4]。
現代的なペア碁は、1990年に株式会社ぐるなびの創業者である滝久雄によって[1][2][3][4][5]、囲碁の普及のために女性と子供の囲碁ファンを増やしたいという思いで創案された[1][2][4]。1990年に開催された第1回大会では、石田芳夫九段が審判長を務め「ペア碁」はやってみると楽しいと称賛した[1]。現在では世界75カ国・地域(2019年10月時点)で開催されている[2]。
ペア碁は国際的な普及も進んできている。2008年には、ペア碁の一層の国際的な普及・発展を目的として世界ペア碁協会(WPGA)が設立された。世界ペア碁協会には、2020年9月末現在75か国・地域の囲碁団体が加盟をしており、第8代ユネスコ事務局長の松浦晃一郎が会長を務めている。また、2015年には「ペア碁をオリンピック正式競技にする会」が発足。2019年10月には日本棋院、関西棋院とともに、国際的に日本の囲碁界を代表する唯一の団体として一般社団法人全日本囲碁連合が設立されるなど、将来的な囲碁とペア碁のオリンピック競技採用に向けた活動を行っている。
「ペア碁」は人工知能の分野でも注目されている。ペア碁の、碁盤上の局面のみから試合相手ペアの意図を読むのみならず、味方のパートナーともコミュニケーション[14](会話ではなく伝達の意味)しなければならないというゲーム上の設計は、人間と人工知能間のコミュニケーション問題を考える上での基礎研究に役立つのではないかと考えられている[5]。
作詞:小山薫堂 作曲:平田輝 発表日:不明[1][2][21][22]
ペア碁ワールドカップテーマソング 作詞:小山薫堂 作曲:北山陽一、竹本健一 編曲:武部聡志、鳥山雄司 アドバイザー:松任谷正隆 歌唱:ペア碁スペラーズ(オーディションで選ばれた女性シンガー2名がゴスペラーズに加わった新ユニット) 発表日:2022年3月17日[21][23]
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