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フューチャーポップ (Futurepop) とは、シンセポップ(主に楽曲構造やボーカルスタイル)、高揚感のあるトランス(壮大さや、シンセのアルペジエートによるメロディ)などからの影響を吸収した音楽ジャンルである。
VNV Nation(英国乃至アイルランド発、現ハンブルク)のロナン・ハリスとApoptygma Berzerk(ノルウェイ)のステファン・グロスにより、彼らのバンドの創り出す音楽のスタイルを表現する為に考え出された造語である。メインシーンは主にドイツで、日本では元になったEBM(ベルギー発)の知名度が浸透していないこともあり、定着していないのが現状である。また参考までにカントリーを示したが、グローバルな相互の影響から現れたという面もまた、日本ではうまく伝えられていない。
ネオ渋谷系が国内ではフューチャーポップと呼ばれる事があるが直接の関連性はない。日本での初出は2003年8月の雑誌『MARQUEE』vol.38における特集「Future POP」である。同特集ではBuffalo DaughterやCOILなどのインタビュー、nobleレーベルを中心とした企画ページ「noble.とその周辺」でディスクレビューが掲載されており、明確に音楽のジャンルを指定するものではなく、『MARQUEE』が「新しい」と感じるポップミュージックをピックアップするために用いた言葉であることが推測される。
『MARQUEE』は次号vol.39でも「23[フューチャーポップ]23」と冠した特集を組む。ここではアーティストの特徴がある程度はっきりとしており、前号から同誌でコラムの連載を開始したcapsuleやエイプリルズのインタビュー、capsuleの中田ヤスタカとPlus-Tech Squeeze Boxのハヤシベトモノリの対談が掲載されるなど、ネオ渋谷系との近似性が感じられる。また同特集内で『MARQUEE』編集長の松本昌幸は「基本ラインは、こう。学生運動盛んな1970年前後に青春だった世代の子供達が、今の20代前半。象徴して「23」。」と記しており、音楽性のみならず、中田ヤスタカやハヤシベトモノリのような、新しい時代を感じさせる「世代」をも規定する言葉として、カタカナの「フューチャーポップ」という言葉を使用したことが見て取れる。
その後も同誌では「フューチャーポップ」の名が冠された特集が毎号組まれ(vol.41ではまたアルファベット表記の「FUTURE POP」になっているが)、vol.44からはcapsuleの連載に加え、エイプリルズとHazel Nuts Chocolate、Plus-Tech Squeeze Boxが同時にコラムの連載を開始し、各アーティストが4分の1ページずつを担当する見開き構成の「フューチャーポップ・コラム」となった(4組同時での連載はvol.57まで)。これら4組は『MARQUEE』が定義した、日本の「フューチャーポップ」を代表するアーティストと言える。
またPerfumeをはじめ近年テクノポップとして認知・評価されている音楽の多くがフューチャーポップに近似しており、1980年代前半に流行したテクノポップの音楽性とは必ずしも同一ではない。
2018年8月15日には、未来感のあるポップスを追究して来たPerfumeが、満を持して「Future Pop」と言うアルバムをリリースした。
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