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ファイナンシャル・プランナー(Financial Planner)は、顧客である個人から、収支・負債・家族構成・資産状況などのソース提供を受け、それを基に住居・教育・老後など将来のライフプランニングに即した資金計画やアドバイスを行う職業・職種、およびその職に就く者。略してFP(エフピー)とも呼ばれる。
日本において、FPとしての能力を有している者として認められている国家資格は、1~3級ファイナンシャル・プランニング技能士[3]である。
また現在の試験制度が整う以前の沿革が複雑であり、現在の試験の前身となる民間資格・公的資格、金融業・保険業の業界団体が実施する類似の資格などが多数存在しているものの、現在「ファイナンシャル・プランナー」と称する者は下記の資格を有している事がほとんどである。
協会はAFP認定者・CFP認定者に、それぞれ2年ごとの資格更新を定めている。2年間にAFP認定者はFP実務と倫理を含む最低3科目以上で15単位以上、CFP認定者はFP実務と倫理を含む最低3科目以上で30単位以上の継続教育を義務付け、資格更新要件としている。
よってAFP認定者及びCFP認定者は協会会員であり、継続教育により常に新しい業務関連知識を得ている者である。
また協会会員の義務としての年会費及び継続教育講習の受講費を各教育機関に納入するため、資格維持のため一定の費用負担が必要となる。
金財もファイナンシャル・プランニング技能士センターを設置し、ファイナンシャル・プランニング技能士に対して継続教育の機会を与えている。正会員については、2年間に1級は20ポイント・2級は15ポイント・3級は10ポイントの継続教育を義務付けている。
よってファイナンシャル・プランニング技能士センター会員及びFP協会の会員は共に、教育機関は異なるものの明確な基準のある継続教育により常に新しい業務知識を得ている者であり、その信頼性が担保されている。
但し、ファイナンシャル・プランニング技能士センターへの入会は任意であると共に、ファイナンシャル・プランニング技能検定合格者が継続教育を受けない場合においても資格を剥奪される事は無く、またファイナンシャル・プランニング技能士を称することを禁じられる事は無い。
またファイナンシャル・プランニング業務を法律上独占する専門資格は無いため、CFP認定者・AFP認定者及びファイナンシャル・プランニング技能士の資格を有していない者がファイナンシャル・プランナーという職種名を称して業務を行う場合、法律上の問題は生じない。
類似の資格としては、銀行業務検定協会が主催するFA(ファイナンシャルアドバイザー)、AFA(アシスタントファイナンシャルアドバイザー)や、生命保険協会認定FPのTLC(トータルライフコンサルタント)などが存在する。
職業人としてのFPは主に2種類の系統に分かれる。金融機関(銀行・信託銀行・郵便局・証券会社・生命保険会社・損害保険会社など)、会計事務所、不動産仲介・分譲会社に勤務する「企業系FP」と、自ら事務所を持ち独立自営する「独立系FP」の2つの系統である。また、最近では企業に属し、その企業の従業員に対するFP業務を主とする「企業内FP」も増えている。
FP業務に特化した「独立系FP」は、プランニング業務による時間当たりの相談料・会員契約の会費(士業でいう顧問契約の顧問料)・マネー雑誌等への原稿執筆・マネーセミナーの講師を行ってる事が多くFP本来の業務ではあるが、独立系FPの実態としては「保険代理店」である者で代理店報酬が主である者が大多数である。
また、公認会計士・税理士・社会保険労務士・行政書士などの士業者や宅地建物取引士などの専門業者が各分野に特化させる形で業務を行っている場合も多い(例えば、公認会計士・税理士は税金・事業継承、社会保険労務士は年金・社会保険、行政書士は事件性の無い遺産分割協議書などの事実証明書類の作成、宅地建物取引士は不動産等々)。加えて、DCプランナー・DCアドバイザー資格を併せ持ち投資教育を業務の主軸とするFPや、モーゲージプランナー資格を有し、住宅ローンに特化したコンサルティング活動を行うFPも最近では増加している。
更に近年では金融機関以外の業者が証券仲介業の営業が出来るようになったため、株式や投資信託の販売手数料(ただし日本証券業協会が行う証券外務員試験合格および一定要件を備える必要がある)、保険仲立人資格を保有するFPは生命保険、損害保険の販売手数料などが得られるようになっている。そのためには、各金融機関とIFA(= Independent Financial Adviser )契約を結ぶことが前提となる。
「企業系FP」の職務は、FP資格を持っている営業社員が自社で取り扱っている金融・保険商品、不動産を顧客に販売することである。最近、一部の金融機関で資産運用設計が有料化されてきているが、主には金融商品の収益を収入源にしているので相談業務自体は無料であることがほとんどである。
FP資格を保有していなくともメディアにおいてFPと同等のコメンテーター活動・経済評論家活動を行っている者も多く存在する。また資格よりも経験値や提案力が問われる世界であるため、1級技能士・CFPなどの上級資格を所持していなくてもFPとして独立起業する者が多い。さらには年会費や更新料、継続教育を必要とする民間資格(CFP・AFP)の登録を解除し、国家資格である1・2級ファイナンシャル・プランニング技能士のみを肩書きに付して活動を行うFPも多い。
ただし、企業系FP・企業内FPや金融会社・生命保険会社等においては自己啓発や社員教育、更には人事評価の一環として積極的にCFPや1級ファイナンシャル・プランニング技能士と言った上級資格の取得を奨励する企業も数多く存在する。
ビジネスモデルとしては、職業としての歴史が浅いため確固たるモデルが確立されておらず、「独立系FP」のビジネスにおいてはまだまだ手探りの状態である一方、多大なる可能性を秘めた分野であるとも言える。
FPが守るべき職業倫理として次のようなものがあるとされている[4]。
FPとしての相談業務は個人の資産に対する見直しやライフプランニングの提案という観点から、時に各士業の職域ボーダー線に近い立ち位置で業務を行うことが多く、FPとしての職分を弁えた行動を取ることが求められる。例えば、一般論を踏み越えた個別事情の法律相談は弁護士、税務相談は有償無償を問わず税理士の独占業務であり、一般論以上の法律・税務相談は弁護士法・税理士法に抵触するので一歩踏み込んだ対応を行う事ができない。
逆説的に、これら接近する各業法の制約がFPの業務の制約であり、より内容の濃いコンサルティングへと繋げるためには各士業者とのコネクションを確立するなどの業務遂行上の工夫が求められる。
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