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藤子不二雄の藤本弘による日本の漫画 ウィキペディアから
『パジャママン』は、藤子不二雄(のちの藤子・F・不二雄)による日本の漫画。原案は子供向けバラエティ番組『ママとあそぼう!ピンポンパン』の中のオリジナル楽曲『パジャママンのうた』。同曲の歌詞同様、不思議なパジャマを着てヒーローとなる少年少女の活躍を描いた幼児向け作品であり、同曲の作詞者である阿久悠が本作の原案者にクレジットされている[1]。
以下の講談社の幼年向け雑誌4誌に、約1年にわたって連載された。
連載当時は単行本は存在していなかったが、2010年に小学館から『藤子・F・不二雄大全集』として刊行され、初単行本化が実現した。
『テレビマガジン』での連載前の予告には「ゆかいなスーパーマン[2]」として紹介されており、藤子の作品『パーマン』同様、読者である子供たちが「自分もなれそうだ」と思うようなヒーローとして描かれた作品である[1]。本作の主人公たちは有事にはヒーローとして活躍するものの、基本的には子供であり、ヒーローでない日常生活では親や先生に叱られたり、ヒーローとしての行動時も悪人の前でうっかり失敗をするなど、子供らしさが常に描かれている[1]。
藤子(藤本)の代表作『ドラえもん』では、掲載誌の対象年齢に合わせてドラえもんがひみつ道具を出す動機が描き分けられていたが、本作もまた複数の雑誌に連載されており、幼年向けの『たのしい幼稚園』、さらに低年齢向けの『おともだち』で、それぞれ内容を描き分けるといった工夫が行われている[1]。特に『おともだち』では、パジャママンが雪合戦で活躍したり、猛暑を凌ごうと南極へ行くためにパジャママンの力を使ったりといった具合に、悪人がまったく登場しないエピソードすらあり、「強くなって悪人を倒す」という願望が子供の成長につれて強まることを意識したものと見られている[1]。
子供たちへの教育を意識し、『おともだち』掲載分ではエピソードごとに「理科」「算数」「しつけ」などの項目が付記され、作中で描かれていることをどのように教育に活用するのかが指示されていた。これらは『藤子・F・不二雄大全集』にはそのまま収録されている。また『たのしい幼稚園』での連載中に『パジャママンとおやくそく』と題し、挨拶や交通安全などの教育のためのミニ漫画も掲載されていた[2]。
連載当時はテレビアニメ化の企画も進行しており、実現には至らなかったものの、『藤子・F・不二雄大全集』にはアニメ企画時のキャラクターデザインなどの資料が収録されている[2]。
主人公たちの「2人組のヒーロー + α」というチーム編成の図式や、地中にロケットが埋まっているという設定は、後の藤本の作品『ミラ・クル・1』に受け継がれており[3][4]、チーム編成については『T・Pぼん』にも通じるものがある[3]。また、作中では有事に際し、主人公が普段過ごしている自室に秘密基地ともいえるロケットへの入口が出現するが、この構図は藤本のSF短編作品『ベソとこたつと宇宙船』や大長編ドラえもん『のび太の宇宙開拓史』との共通点も指摘されている[1]。
とある町に引っ越してきた少年・山田タツ夫は、同じ日に隣に引っ越してきた少女・川田エミと知り合う。引越しの日の夜、2人は地下に眠っていたロケットに招かれ、超人的な力を身につけるスーパーパジャマを手に入れた。パジャママンとなったタツ夫たちは犯罪者や災害などに立ち向かい、町の平和を守り続ける。
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