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ハリイ・ハリスン(Harry Harrison, 1925年3月12日 - 2012年8月15日)は、アメリカ合衆国のSF作家。ハリー・ハリスンの表記もある。
代表作として《ステンレス・スチール・ラット》シリーズや映画「ソイレント・グリーン」(1973)の元となった『人間がいっぱい』(1966) がある。
エスペラント語の愛好家であり(エスペラント語は、『死の世界2』など彼の小説にはしばしば登場する)、アイルランド・エスペラント協会の名誉会長を務めたこともある。また、Esperanto-USA の名誉会員、世界エスペラント協会の役員でもある。
ヘンリー・マクスウェル・デンプシー (Henry Maxwell Dempsey) としてコネチカット州スタンフォードのロシア系ユダヤ系のアメリカ人家庭に生まれる(30歳のとき、法律上の名前を Harry Max Harrison に改名[要出典])。7歳のときからSFファンだった。
1943年に徴兵され、第二次世界大戦中は空軍で整備兵・砲術教官としてイタリアで軍務に就く。復員後、ニューヨークのハンターカレッジに入学して水彩画を学んだ。
編集者になる前にまずイラストレーターとしてSF業界に関わるようになった。特に、ECコミックで2つのSFコミック誌 Weird Fantasy と Weird Science でイラストを描いていた。 雑誌編集では Wade Kaempfert や Philip St. John といったハウスネームを使用した。
初めはギャラクシィ誌にイラストを寄稿し、小説を書き始めたのは喉の病気によって絵が描けなくなったことからである。Felix Boyd、レスリー・チャータリス(ゴーストライターを務めた)、Hank Dempsey といった名前でも小説を書いた。SFは風刺の効いたユーモラスなものが多く、《ステンレス・スチール・ラット》シリーズや(ハインラインの『宇宙の戦士』を風刺した)『宇宙兵ブルース』が好例として挙げられる。
1948年、SF関係者の集まりであるヒドラ・クラブが設立されると会長職に就くがが、権力争いに破れ、数年で除名された。
1950年代から1960年代にかけて新聞連載漫画「フラッシュ・ゴードン」のメイン作家として活動していた。その脚本の一部は雑誌連載にも採用されている。科学的正確さを保証すべく、ハリスンは大まかなスケッチをアーティストに提示していたが、アーティスト側がそれを無視することが多かった。
1954年、ニューヨークで結婚。
1960年に、アナログ誌に連載した最初の長篇『死の世界』が、その年のヒューゴー賞候補にノミネートされ、気鋭の新人として一躍注目を浴びることになる。
評論においては、前衛的なニュー・ウェーブ系の作品を支持したが、ハリスン自身が書く小説は、シニカルな冒険小説的なSFか、ユーモアSFであった。コミカルな作品が多いが、シリアスなテーマの作品も書いている。例えば、人口爆発と資源の枯渇を扱った『人間がいっぱい』が有名で、映画「ソイレント・グリーン」の元になっている(ただし設定だけが共通で、テーマやプロットは全く異なる)。『人間がいっぱい』は自身の2人の子供たちに捧げられている。
1964年には親友ブライアン・オールディスと組んで、自費出版の評論誌『SFホライズン』を起こし、旧態に囚われたSFに対する批判をした。また、2人でアンソロジーの編集も精力的に行った。オールディスと共にバーミンガムSFグループの共同の社長を務めた。 また同年にはミステリ作家レスリー・チャータリスの「セイント」シリーズの新作 Vendetta for the Saint77 をチャータリス名義で代筆している。
アメリカを出て各国(メキシコ、イングランド、デンマーク、イタリア)に暮らすが、アイルランドに落ち着く。イングランドに出かけたときのためにブライトンにもアパートを借りていた。
1973年、国籍を問わずに最優秀SF長篇に与えられるジョン・W・キャンベル記念賞をレオン・ストーヴァーと共に創設した。
1990年、ジョー・ホールドマンらと共に第48回ワールドコンのゲスト・オブ・オナーとして招待された。
なお、パロディ作品『銀河遊撃隊』『宇宙兵ブルース』や『テクニカラー・タイムマシン』を翻訳した翻訳家の浅倉久志は、「自分が翻訳した作家で一番好きなのはハリスン。好きな作品は『宇宙兵ブルース』」と語っている。
2002年、妻が癌により死去。
晩年に至るまで、ハリスンは世界SF会議の組織者の一人として活躍する傍ら、精力的に小説を書き続けた。2009年、アメリカSFファンタジー作家協会からデーモン・ナイト記念グランド・マスター賞を授与された[1]。
2012年8月15日、死去[2]。87歳没。
ほか未訳作品多数。
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