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センチュリオン・エアカーゴ164便墜落事故は、2008年7月7日にコロンビアのクンディナマルカ県で発生した航空機事故である。エルドラド国際空港発マイアミ国際空港行きの貨物便だったセンチュリオン・エアカーゴ164便(ボーイング747-209BSF)がエルドラド国際空港からの離陸直後にエンジン故障に見舞われ墜落した。乗員8人に死者はなかったが、地上で2人が巻き込まれ死亡した[2]。
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事故機(N714CK)は、カリッタ航空からセンチュリオン・エアカーゴにウェット・リースされた機体である。1981年に製造され、同年にチャイナエアラインに引き渡された。総飛行時間は9万613時間、エンジンはプラット・アンド・ホイットニー JT9Dを4基搭載していた。
この他、パイロットと乗務員が合わせて5名搭乗していた。
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エルドラド空港を飛び立った当該機は、離陸後すぐ、第四エンジンが火災を起こし、停止した。クルーは、緊急事態としてメーデーを発信し、エルドラド空港に引き返すことを決めた。しかし、それとほぼ同じ時間に第一エンジンも停止し、引き返すのは不可能と考えた機長は畑に不時着しようとしたが、その付近の高速道路に機体が接触し畑に墜落、しばらく畑をすべって民家に激突した。この一連の様子を目撃した者も多数いたという。空港付近だったこともあり、クルーたちは救助隊によって全員助け出されたが、民家の住民2人が死亡した。
コロンビアの航空機事故調査委員会は、すぐに調査を開始した。また、アメリカの航空安全委員会、米連邦航空局、ボーイング社、エンジンメーカーのプラット・アンド・ホイットニー社も事故調査に立ち会った。
フライトデータレコーダーの解析から、事故機はVr(152ノット)で加速し、離陸していた。ここには何の問題もなかったが、EPRが1.7と離陸するには低かった。EPRとは、エンジンの圧力比を示す値で、圧縮装置の入口と出口での吸排気の圧力値を比で表したもの。エンジンの推力値を計算するのに使われ、この値が低ければエンジン推力も低いことになる。基本的には2.1が理想とされており、164便はエンジンの推力が低いまま離陸したのだ。
第四エンジンは、EPRが1.0まで減少し、エンジン推力を5.8%損失した。事故機の第四エンジンを調べた結果、圧縮装置のファンブレードの前縁の摩耗が進み、弦の形状が変化していたため、安定した空気の取り入れができず、エンジン内が不完全燃焼状態である、サージを引き起こしたと予測された。第一エンジンは、圧縮装置のファンブレードで経年劣化と熱損傷により後方のブレードが破損、エンジンから脱落し、第四エンジンと同じようにサージを起こした。続けざまに第二エンジンではEPRの急な低下と回復を五回に渡って繰り返し、推力が安定しなかった。通常、旅客機は一基でもエンジンが生きていれば飛行可能である。しかし、いくら第三エンジンが正常とはいえ、ほかの三基が不安定な推力で、推力低下と回復を繰り返したため、まるで機体の姿勢は安定しなかった。
調査委員会は、2011年7月に最終的な報告書を発表した。原因は、第一及び第四エンジンのファンブレードの故障により、十分な推力と安定した姿勢がとれず、飛行に支障をきたしたものとされた。
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