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XKは、ジャガーがフォードに買収された後、旧態依然となっていたXJSに替わる新たなスポーツカーとして開発された。「XK」というのはもともとEタイプ以前に市販されていたジャガーのスポーツカーに冠された名前であった。しかし、Eタイプの後に21年間も作られ続けたXJ-S(後期モデルはXJSに改名された)の後継モデルとなった当モデルが、その名前を受け継いだ。
XKは、リアにシートを備えた2+2のラグジュアリー・クーペで、その高性能と美しいデザインから人気を博し、初代モデルは10年間で9万台以上を売りあげるという、ジャガーのスポーツカー史上最も成功したモデルとなった(ただし、最も販売台数が多いのはXJ-S/XJSで、1975年から1996年の間に11万5千台を販売した)。ボディ形状は、初代・2代目モデルともに、クーペとコンバーチブルが用意された。
このモデルはエンジンに8気筒のものが採用されたため、ノーマルモデルはXK8と命名された(後に追加されたハイパフォーマンスモデルはXKR)。デザインは、Eタイプとの関連性を強く前面に押し出した、流麗なものとなった。
エンジンは、新設計の4.0L V8 DOHCのAJ-V8エンジンを搭載した。XK8の最高出力は294ps/6,100rpm、最大トルクは40.0kg・m/4,250rpmであり、これにスーパーチャージャーを搭載したXKRの最高出力は375ps/6,150rpm、最大トルクは53.5kg・m/3,600rpmを発揮した。トランスミッションはいずれもZF製の5速ATを搭載した。ZF製は信頼性に欠けるため、XKRではメルセデス製に変更されている。シャシーはXJSのものを大幅に改良して作られた。そのため、サスペンションはフロントにダブルウイッシュボーン、リヤにウイッシュボーンを採用している。ただし、XJSではリアショックが2本あったものが、1本に改められている。
また、XK8にはリンプ・ホームモード(エンジンやオートマチックトランスミッションに異常が出た場合にそれを保護するため、通常時の50%にパワーが抑制される安全機能)が備わっている。
ジャガー・XK(初代) XK8/XKR | |
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XK8 クーペ | |
XK8 コンバーチブル | |
XKR コンバーチブル シルバーストーン | |
概要 | |
販売期間 | 1996年 - 2006年 |
ボディ | |
乗車定員 | 4人 |
ボディタイプ |
2ドアクーペ 2ドアコンバーチブル |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
4.0L AJ-V8 V8 4.0L AJ-V8 V8スーパーチャージャー 4.2L AJ-V8 V8 4.2L AJ-V8 V8 スーパーチャージャー |
最高出力 | 406ps/6,100rpm |
最大トルク | 56.4kg・m/3,500rpm |
変速機 | 6速AT/5速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,590mm |
全長 | 4,760mm |
全幅 | 1,829mm |
全高 | 1,271mm |
車両重量 | 1,755kg |
1996年10月デビュー。コードネームは「X100」。デザインは故ジェフ・ローソンによるもので、XK-Eを彷彿とさせるものとなっている。
ボディ形状はクーペとコンバーチブルの2タイプで、前者は足回りのセッティングや内装を変え、「クラシック」と「スポーツ」という2つのグレードが設定された。
コンバーチブルは開閉には20秒ほどしかかからない電動のソフトトップを持っており、クローズ時の快適性もXJSより向上していた。内装はクーペがファブリックとレザーのコンビシートを標準とし、コンバーチブルはレザーシートを標準としていた。もちろん、クーペでもオールレザーのシートが選べた。いずれも、エンジンは自然吸気4リッターV8のみ。
ジャガー・XK (X150) (2006年 - 2014年) | |
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XKコンバーチブル (2011年) | |
XKR-S (2011年) | |
概要 | |
販売期間 | 2006年 - 2014年 |
ボディ | |
乗車定員 | 4名 |
ボディタイプ |
2ドアクーペ 2ドアコンバーチブル |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
クーペ/コンバーチブル: 4,999 cc V8 385エンジン XKR (クーペ) : 4,999 cc V8 510スーパーチャージド・エンジン XKR-S (クーペ) : 4,999 cc V8 550スーパーチャージド・エンジン |
最高出力 |
クーペ/コンバーチブル: 385 PS/6,500 rpm XKR (クーペ) : 510 PS/6,500 rpm XKR-S (クーペ) : 550 PS/6,500 rpm |
最大トルク |
クーペ/コンバーチブル: 515 Nm/3,500 rpm XKR (クーペ) : 625 Nm/5,500 rpm XKR-S (クーペ) : 680 Nm/3,500 rpm |
変速機 | 電子制御 6速オートマチック |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,750 mm |
全長 | 4,790 mm/4,795 mm (XKR-Sクーペ) |
全幅 |
クーペ、コンバーチブル:1,895 mm XKR、XKR-S (クーペ) :1,915 mm |
全高 |
クーペ:1,322 mm コンバーチブル:1,330 mm XKR (クーペ) :1,320 mm XKR-S (クーペ) :1,310 mm |
車両重量 |
クーペ/コンバーチブル:1,730 kg XKR/XKR-S (クーペ) :1,810 kg |
その他 | |
ハンドル位置 | 右/左 |
最少回転半径 | 5.3 m |
1999年にジャガーのデザインディレクターに就任した、アストンマーティン・DB7などを手がけたイアン・カラムによるデザイン。車両デザインは2002年には完了していた。2005年の北米国際オートショーではJaguar Advanced Lightweight Coupe (ALC) として量産型と極めて似通ったコンセプトカーが公開されている。
2005年フランクフルトモーターショーで初めて公開される。プロジェクトコードはX150。発売は2006年7月だが、日本上陸は2007年1月[1]。当初は先代と全く同じエンジンを搭載した自然吸気モデルのXKのみの発表であった。
製造はバーミンガム近郊カッスル・ブロムウィッチで行われている。フロントグリルは1961年のジャガー・Eタイプにインスパイアされている[2]。前任者である故ジェフ・ローソン時代のレトロ趣味から決別する第一号のデザインで、カラムによると「インスピレーションソースは(イギリス人女優の)ケイト・ウィンスレットの曲線」という[3]。インテリアは人間工学に則り設計されており、今までの懐古主義的デザインから決別している。パネルは伝統的なバーウォルナットウッドに加え、ポプラウッド、アルミの3種類が用意される。
XKコンバーチブルは2006年にデトロイトで開催された北米国際オートショーで初公開された。
2007年4月に過給モデルのXKRおよびXKRコンバーチブルが発表される。XKとのエクステリア上の差異はリアバッジとメッシュが貼られたフロントグリル。エンジンは上記V8 4.2Lにスーパーチャージャーを搭載し、当時ジャガーの量産車史上最高となる426PSを発生する。
同年、ジャガーの特殊車両チームとイギリスのブレーキの専門会社アルコンの共同チームによって開発された、限定仕様車XKRポートフォリオが発表された。内外装および音響システムに手を加え、よりプレミアム性を高めたモデルとなっている。
2009年にマイナーチェンジ、エンジンが新たに5L V8に更新された。外見もわずかに変更された[4]。
2011年3月ジュネーブモーターショーにて「XKR-S」を発表[5]。このXKR-Sは、同名の2008年に発表されたXKRをベースにした200台限定の欧州市場向け限定モデルとは異なる。フロントのデザインが大幅に異なり、見分けはつきやすい。エンジンはV8 5.0Lスーパーチャージドとなり、最大出力も550PSと大幅にパワーアップされている。
同年ニューヨーク国際オートショーにて、フロントとリアのデザインが変更されたXKの最後となるマイナーチェンジモデルが公開された[6] 。フロント・リア双方のライト周辺とバンパーのデザインの変更。インテリアも変更を受けており、XFと同様の回転式のギアセレクタと新しいドイツのZF社製のオートマチックトランスミッションが導入された。
Eタイプ同様ハッチゲートを持つリフトバック・ボディを採用、実際にラゲッジルームへのアクセスも向上している。XJのアルミボディをさらに進化させ、2005年のALCで開発された全アルミモノコックボディを採用している。これによりねじり剛性が先代モデルに比べクーペで31%、コンバーチブルで48%向上した。コンバーチブルが1635kg、クーペは1595kgでありクラス最軽量[要出典]。
パワーユニットは、先代からキャリーオーバーされたV8 4.2L 304PSのAJ-V8エンジンを搭載、ギアシフトはL字ゲートのZF製6速オートマチックトランスミッションを採用する。
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