ジメチルトリプタミン
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ジメチルトリプタミン(DMT)あるいは、N,N-ジメチルトリプタミン(N,N-DMT、N,N-dimethyltryptamine)は、トリプタミン類の原型となるアルカロイド物質で、自然界に発生する幻覚剤である。熱帯地域や温帯地域の植物や一部のキノコ、ある種のヒキガエル、ほ乳類、ヒトの脳細胞、血球、尿などに存在する。抽出または化学合成される。形状は室温では透明か、白、黄色がかった結晶。近い物質に、5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン (5-MeO-DMT) がある。DMTは向精神薬に関する条約のスケジュールI。
概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
法的規制 |
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投与経路 | 経口(MAOIと共に)、吸入、直腸、煙(あるいは蒸気)、IM、IV |
識別 | |
CAS番号 | 61-50-7 |
ATCコード | none |
PubChem | CID: 6089 |
IUPHAR/BPS | 141 |
ChemSpider | 5864 |
KEGG | C08302 |
ChEMBL | CHEMBL12420 |
化学的データ | |
化学式 | C12H16N2 |
分子量 | 188.269 g/mol |
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物理的データ | |
密度 | 1.099 g/ml g/cm3 |
融点 | 40 - 59 °C (104 - 138 °F) |
沸点 | 160 °C (320 °F) @ 0.6 Torr[1] also reported as 80 - 135 °C @ 0.03 Torr[2] |
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シグマ-1受容体(英語版)に作用する[3]。依存性や毒性があるとはみなされていない[4]。DMTは、植物では昆虫の忌避作用があるため合成されておりオレンジやレモンの果汁にも微量に含まれる[5]。基礎研究から生体における低酸素ストレス時に肺によって大量に生合成され脳を保護するとされており、そのため生死をさまよった際に報告される臨死体験との関連が考えられている[4][6]。紀元前1000年以前から南米で植物を粉末にして吸引されていたとされる。DMTは経口から摂取した場合、モノアミン酸化酵素によって分解されてしまうが、これを阻害する成分と組み合わせて南米で伝統的にアヤワスカとして用いられてきた。DMT単体の治験も進行している。