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シルウィアの鹿を射るアスカニウスのいる風景
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『シルウィアの鹿を射るアスカニウスのいる風景』(シルウィアのしかをいるアスカニウスのいるふうけい、仏: Paysage avec Ascanius tirant sur le cerf de Sylvia, 英: Landscape with Ascanius Shooting the Stag of Sylvia)は、フランスバロック時代の画家クロード・ロランが1682年に制作した絵画である。油彩。ウェルギリウスの叙事詩『アエネイス』に基づいて描かれた8点の絵画の1つで、アイネイアスの息子アスカニオス(ラテン語ではアスカニウス)がシルヴィアの雄鹿を撃つエピソードから採られている。この作品は、クロード・ロランの晩年の最も重要な後援者である第8代パリアーノ公爵ロレンツォ・オノフリオ・コロンナ(英語版)のために制作された作品で、クロード・ロランがあまり一般的ではない主題の絵画にしばしば行っていたように、中央下部に署名、制作年、主題が記されている[1][2][3]。現在はオックスフォードのアシュモレアン博物館に所蔵されている[4][5][6][7]。
フランス語: Paysage avec Ascanius tirant sur le cerf de Sylvia 英語: Landscape with Ascanius Shooting the Stag of Sylvia | |
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作者 | クロード・ロラン |
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製作年 | 1682年 |
種類 | 油彩、キャンバス |
寸法 | 120 cm × 150 cm (47 in × 59 in) |
所蔵 | アシュモレアン博物館、オックスフォード |
『シルウィアの鹿を射るアスカニウスのいる風景』はクロード・ロランの最後の作品であり、おそらく完全には完成しなかった。したがって、画家自身が完成した作品を記録するために作成した目録『リベル・ヴェリタリス(英語版)』には掲載されていない。画家の生年月日は不明であるが、この作品を描いたとき少なくとも70代後半、おそらく82歳くらいであった。6年前に完成した絵画『カルタゴでのアエネアスとディドの別れ』(Les adieux d'Énée à Didon à Carthage, 1676年、ハンブルク美術館所蔵)は本作品の対作品である。この作品もまた『アエネイス』に取材した作品で、本作品よりも前の場面を描いており、クロード・ロランが描いた数多くある港の風景画のうち最後の作品であった。このうち本作品は、それぞれの人物群が内側を向き、主要な建築物が両作品の外側を縁取るように、『カルタゴでのアエネアスとディドの別れ』の左側に掛けられた[1][3]。どちらの絵画も大きな石柱を備えた古典的な建築物が描かれているのは、コロンナ家が石柱を紋章としたことと関係している[3][8]。