クラウ・ソラス
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この項目では、アイルランド語やスコットランド語の民話に登場する「光の剣」について説明しています。ヌアザの剣の実像については「トゥアハ・デ・ダナーン#四種の神器」をご覧ください。 |
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クレイヴ・ソリッシュ[1](アイルランド語: Claidheamh Soluis, Claíomh Solais; 発音 IPA: /kɫiːv ˈsɔɫɪʃ/ ""[注 1])は、アイルランド語で「光の剣」あるいは「輝く剣」の意をもつ、アイルランド民話やスコットランド民話の魔法剣。クラウ・ソラスというカナ表記が[2]先行している。
![Thumb image](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9e/Ireland-stamp-1922-sword-of-light-6p.jpg)
手に持つ者に照明を与える道具だったり、巨人などの敵に特殊な効果を発揮する武器など、物語によって異なる描写がされている。
この「光の剣の探求」の話素は、民間文芸のモチーフ索引 H1337 に分類される。主人公が、グルアガッハ(英語版)と呼ばれる魔人や魔法使い等を相手に賭け事で妻と財産を得るが、敗北し、あてどない探求の旅に出るのが、事の発端の常套的パターンである。いわゆる花嫁探求とは似て非なる話型であると指摘される。
アイルランド民話では、光の剣の探求譚が、「唯一の話」(ないし「女性についての唯一の話の原因」)の探求と融合される例が相当数みられる。その唯一の話というのは、悪妻により狼に変じられた男の身の上物語であると判明する。この狼男物語には通常のばあい光の剣は関係せず、光の剣の探求譚が狼男物語の枠物語となっている。
民話の「光の剣」は、アイルランド神話に登場する神殺しの武器の名残であるという考察が、トーマス・フランシス・オラヒリー(英語版)らの学者によってなされている。ケルト太陽神の雷霆に通じ、アイルランドの神話物語群でバロールを倒したルーの投擲武器、英雄クー・フーリンの槍・刀剣などまでも同じ源流の産物であると仮説される。