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アメリカムシクイ科

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アメリカムシクイ科
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アメリカムシクイ科(アメリカムシクイか、学名 Parulidae)は、鳥類スズメ目の科である。

概要 アメリカムシクイ科, 分類 ...

アメリカムシクイと総称される[5]ムシクイ類米州における収斂とみなされるが、ウグイス上科に属すムシクイ類とは疎遠である。

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特徴

南北アメリカにのみ生息する。

生態・形態は旧大陸のムシクイ類に似るが、明確な相違点として、初列風切が10枚に対し9枚である。

全長11–18cm[7]。黄色・橙・緑や、白黒などの、鮮やかな羽色の種が多い。

森林草原などさまざまな環境に暮らす。ほとんどが昆虫食で、枝葉や草に止まった昆虫捕食するが、種子果実を食べる種もいる。

系統と分類

要約
視点

アメリカムシクイ科 Parulidaenine-primaried oscines の1科である。分類によっては、いくつかの科を統合しその中のアメリカムシクイ亜科 Parulinae、あるいはアメリカムシクイ族 Parulini とする説もあるが、以下ではアメリカムシクイ科で統一する。

系統

アメリカムシクイ科内は Lovette et al. (2010)[2]などより。科間の系統関係(広義のアメリカムシクイ科内を含む)は Klicka et al. (2007)[8]; Weir et al. (2009)[9]より。未サンプリングだが形態からズグロヤシフウキンチョウ属と近縁だと考えられているジフウキンチョウ属 Calyptophilus[10]を追加した。

広義アメリカムシクイ科のうち伝統的にはフウキンチョウ科だった属には★(他は伝統的にアメリカムシクイ科)、伝統的なアメリカムシクイ科だった属を含む科には ☆ を付けた。オリーブアメリカムシクイ科にも ☆ を付けるべきだが、この図の範囲にない。

nine-primaried
oscines

アトリ科 Fringillidae

New World
nine-primaried
oscines
広義アメリカムシクイ科

アカアメリカムシクイ Microligea

ハジロアメリカムシクイ Xenoligea

ズグロヤシフウキンチョウ属 Phaenicophilus

? ジフウキンチョウ属 Calyptophilus

プエルトリコフウキンチョウ Nesospingus

シトドフウキンチョウ属 Spindalis

キューバムシクイ属 Teretistris

オオアメリカムシクイ Icteria

ズアカサザイ Zeledonia

アメリカムシクイ科

カマドムシクイ Seiurus

フタスジアメリカムシクイ Helmitheros

ミズツグミ属 Parkesia

アオバネアメリカムシクイ属 Vermivora

シロクロアメリカムシクイ Mniotilta

オウゴンアメリカムシクイ Protonotaria

チャカブリアメリカムシクイ Limnothlypis

ノドアカアメリカムシクイ属 Oreothlypis

ズアカアメリカムシクイ属 Leiothlypis

セントルシアアメリカムシクイ Leucopeza

ハイムネアメリカムシクイ Oporornis

カオグロアメリカムシクイ属 Geothlypis

メジロアメリカムシクイ Catharopeza

ハゴロモムシクイ属 Setophaga

クロイタダキアメリカムシクイ属 Myiothlypis

ナンベイアメリカムシクイ属 Basileuterus

アカガオアメリカムシクイ属 Cardellina

ベニイタダキアメリカムシクイ属 Myioborus

ムクドリモドキ科 Icteridae

ホオジロ科 Emberizidae

フウキンチョウ科 Thraupidae

ショウジョウコウカンチョウ科 Cardinalidae

ツメナガホオジロ科 Calcariidae

アメリカムシクイ科は、9枚の初列風切をもつ nine-primaried oscines の1科である。その中ではムクドリモドキ科、ホオジロ科と近縁である[8][9]

伝統的にはオリーブアメリカムシクイ Peucedramus が含まれたが、George (1962)[11]によりアメリカムシクイ科はもちろん nine-primaried oscines からも除外され、現在は単型のオリーブアメリカムシクイ科となっている。

アメリカムシクイ科+ムクドリモドキ科+ホオジロ科からなる単系統内には、アメリカムシクイ科に近縁ないくつかの属が見つかっている。これらは伝統的にはアメリカムシクイ科またはフウキンチョウ科に属していたが、新しい扱いは確立していない。

これらをアメリカムシクイ科に含める(広義アメリカムシクイ科とする)説もある[8][9]が、国際鳥類学会議 (IOC) はアメリカムシクイ科に含めず、フウキンチョウ科に残すか、アメリカムシクイ科だった属は科不明に移している[1]

広義アメリカムシクイ科の単系統性は高くない。一方、(狭義)アメリカムシクイ科の単系統性は強く支持されている[4][2][8][9]。アメリカムシクイ科を広義に(あるいは伝統的に)とる場合、狭義アメリカムシクイ科は typical Parulidaecore Parulidae(あるいはこれらの Patulidae の代わりに patulids, wood warblers, American warblers など)と呼ばれる。

Weir et al. (2009)[9]は伝統的なアメリカムシクイ科のうち、typical Parulidae + ズアカサザイ Zeledonia + オオアメリカムシクイ Icteria の単系統性を強く支持している。

属の移動

分子系統から、nine-primaried oscines 内でいくつかの属が移動させられた。Weir et al. (2009)[9]による移動は次のとおり(ジフウキンチョウ属 Calyptophilus[10]を追加)。国際鳥類学会議 (IOC)[1]アメリカ鳥学会 (AOU)[12]・AOU南アメリカ分類委員会 (SACC)[3]の対応を示す(×: 伝統的な科に留める; ○: 系統的な科に移す; △: どちらでもない科;  ?: 未定 incertae sedis; Coe: マミジロミツドリ科)。

彼らは広義アメリカムシクイ科を採用しており、これらはいずれも広義アメリカムシクイ科の基底群への移動である。伝統的なアメリカムシクイ科から基底群への移動も併せて記す。

さらに見る 属, 学名 ...
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詳細は移動先の科を参照。

分類史

過去の主な分類での扱いを述べる。

Mayr & Amadon (1950)[13]
フウキンチョウ科アメリカムシクイ亜科 Paurinae
Tordoff & Arbor (1954)[13]
アメリカムシクイ科アメリカムシクイ亜科 Paurinae。アメリカムシクイ科のもうひとつの亜科マミジロミツドリ亜科 Coerebinae は、ミツドリ類のうち3属(現在の分類では2属、マミジロミツドリ属 Coerebaマルハシミツドリ属 Conirostrum)からなる。
Sibley & Ahlquist (1970)[14]
アトリ科ホオジロ亜科アメリカムシクイ族 Paurini
AOU (1983)[15]
ホオジロ科アメリカムシクイ亜科 Paurinae
Sibley et al. (1988)
アトリ科ホオジロ亜科アメリカムシクイ族 Pauriniオリーブアメリカムシクイは別亜科となった。
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属と種

要約
視点

属と種は国際鳥類学会議 (IOC)[1]より。

広義アメリカムシクイ科の基底群の属と種も記す。これらはIOCの分類では科未定 (incertae sedis) かフウキンチョウ科かだが、この2つの区別は伝統的な分類の名残であり系統的ではない。

core Parulidae

基底群(科未定)

基底群(フウキンチョウ科)

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出典

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