アイヌ語地名
アイヌ語に由来する地名 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
アイヌ語地名(アイヌごちめい)とは、アイヌ語に由来する地名のこと。また狭義には、その中でもアイヌ語に復元された地名を指すこともある[3]。
この項目には、JIS X 0213:2004 で規定されている文字が含まれています(詳細)。
アイヌ語地名は、アイヌやアイヌ語系話者がその土地で活動していた記録でもある。その分布は離島を含む北海道内の全域を中心とし、東北地方北部など本州にもみられる。また、カムチャツカ半島・サハリン・千島列島にも存在するが、ロシア式の地名に変えられて少なくなっている[4][3]。北海道のアイヌ語地名は明治時代中頃までカタカナ表記が多かったが[5]、のちに無理に漢字が当てられたために難読地名が多い[6]。また、日本語にない発音への当て字や訛音によりアイヌ語本来の意味がわからなくなってしまったものも少なくない[3][7]。
語源は生活に根差した自然地名が多く、それゆえ方言や文化・慣習の違いに起因する地方差も存在する[3]。同時にアイヌ語地名はアイヌによる土地の説明であり、アイヌがその場所をどのように捉えていたかを読み取ることでアイヌ文化を解明する手掛かりにもなる[3][4]。こうした経緯からアイヌ語地名はアイヌのアイデンティティに関わるものと捉えられ[8][3]、2001年には北海道遺産に選定された[9]。それと共に北海道では、漢字表記されたアイヌ語地名にアイヌ語のカタカナ表記やローマ字表記が並記されることも多くなっている[3][7]。