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『さすらい人』(Der Wanderer) D493 (D489)[1]は、フランツ・シューベルトによる歌曲。詩はゲオルク・フィリップ・シュミット・フォン・リューベックの『よそ者の夕べの歌 Des Fremdlings Abendlied』。この世のいずこにも幸福を見いだせぬさすらい人の心が歌われた、シューベルト若き日の楽曲である(1816年)。出版された時は「不幸な男」というタイトルであった。また、主人公が理想の国を追い求めて歌う途中の主題(詩で言うと第2節の部分)は、1822年出版の『さすらい人幻想曲』に引用された。
また、シューベルトには同じく「さすらい人」と題する、フリードリヒ・シュレーゲルの詩による歌曲(D649、Op.65-2、1819年)がある。
嬰ハ短調、2分の2拍子。通作歌曲形式。三連符の重苦しい前奏で始まり、「山を越え、この地にやってきた」と歌い始められる。それを受けて、「自分は自分自身の安息できる地を、ため息をつきながら探してきた」と歌われ(この部分が『さすらい人幻想曲』に引用されている)、そこから並行長調のホ長調に転調し、「どこにあるのか、私の国は、私の祖国となる国、私自身の言葉が話されている国は」と、早いテンポで歌われるが、すぐに冒頭の雰囲気に戻り、最後に「この世ならぬ声が『お前のいないところにその国はある』と答えた」と結ばれる。最後のE音は初版からオクターブで表記されており、高音・低音どちらを歌うかは歌手に委ねられている。
一般に演奏されるのは第三版で、初版(嬰ハ短調―ホ長調)は1895年、第二版(ロ短調―ニ長調)は1970年に出版されている。
親交のあったヴェネツィア総主教で詩人でもあったヨハン・ラディスラウス・ピルケルに献呈されている。
Der Wanderer
シューベルトは、オリジナルの詞の第4連一行目の"Träume"(夢)を"Freunde"(友)に改変している。
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