金沢21世紀美術館
石川県金沢市にある美術館 ウィキペディアから
石川県金沢市にある美術館 ウィキペディアから
金沢21世紀美術館(かなざわにじゅういっせいきびじゅつかん)は、石川県金沢市広坂にある現代美術を収蔵した金沢市立の美術館である。愛称はまるびぃ[3][9](由来は「丸い美術館」)。また、略称として21美(にじゅういちび)も使用される[1][10][11]。
金沢21世紀美術館 | |
---|---|
情報 | |
用途 | 美術館 |
設計者 | SANAA(妹島和世・西沢立衛)[4][6][7] |
構造設計者 | 佐々木睦朗構造計画研究所 |
設備設計者 | イーエスアソシエイツ・森村設計 |
施工 | 竹中・ハザマ・豊蔵・岡・本陣・日本海特定建設工事企業体 |
構造形式 | 鉄骨造・鉄筋コンクリート造[8] |
敷地面積 | 26,964.5 m² |
延床面積 | 17,069 m² |
高さ | 14.9m |
着工 | 2002年(平成14年) |
竣工 | 2004年(平成16年)[4][8] |
開館開所 | 2004年(平成16年)[1][3]10月9日[5] |
座標 | 北緯36度33分39.0秒 東経136度39分29.5秒 |
備考 |
2005年度グッドデザイン金賞 日本建築学会賞作品賞(2006年) 2006 International Illumination Design Award of Merit 第4回 環境・設備デザイン賞 2005 |
建物は地上2階、地下2階建ての構造[8]。「まちに開かれた公園のような美術館」をコンセプトとしており[10][12][13]、芝生の敷地中央に円形(直径112.5m)の建物となっている[8]。総ガラス張りで[14]、合計122枚のガラスが使用されている。また、4か所の出入口(本多通り・広坂・柿木畠・市役所)が設けられているのが特徴で[15]、誰でもどこからでも気軽に入場できるようになっている[4][7]。
建築設計競技で選ばれた設計者の妹島和世と西沢立衛(SANAA)は、開館後に実際に展示を行う学芸員より、世界中の美術館の展示室をモデルに正方形や長方形、円形などさまざまなタイプの理想的な展示室の提案を受けた。当初は美術ゾーンと交流ゾーンを独立した建物にする計画であったが、SANAAはこれらを一つの建物に集約することを提案した[7]。なお、美術館のロゴマークは、円形となった建物を上部から見たものが使用されている[8]。
外壁同様各所にガラスが多用されているため、外側から館内の様子がわかるだけでなく館内からも外側の光景を見ることができる[8]。また、館内のエレベーターはデザインを損なわないようにガラス張りのデザインを採用した油圧方式となっている[16][17][18]。
設計者のSANAAは、この建物などによりヴェネツィア・ビエンナーレ第9回国際建築展の最高賞である金獅子賞を受賞している。
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
作品収集の方針は、
となっている[19](「金沢21世紀美術館収蔵作品図録」より)。
所蔵作品には体験型作品や[20]、部屋の空間全体を活かしたインスタレーションが多く、無料入場エリアにはジェームズ・タレルの作品を恒久設置した部屋があるなど[16]、現代美術をいつでも気軽に体験できる環境がある。これらは実際にこの美術館のために作家に依頼して制作されたコミッション・ワークである[1]。
そのほか1990年代以降の国際美術展を騒がせた作家の作品など、最新のさまざまな美術潮流を反映して収集されているため開館前から世界的に美術界では話題になっていた。美術館側も、2003年のヴェネツィア・ビエンナーレにて開館告知パーティーを開催するなど知名度の向上に務めていた[要出典]。
1980年代より前の時代、例えばポップアートや印象派の有名作家の優品はすでにほとんどが各国の美術館やコレクションに納まっており、有名作家の作品を買おうとすれば大コレクションの売却を待つか、もしくは今マーケットに出ている二級品を高値で買うか、いずれにしろ身の丈を大きく超えた大金を使うことになる。そのため市税と基金を源泉にかつそれに上限価格を設けた上で、学芸員がピーク目前の作家の作家を見極めて有識者委員会による審査などを経てその作品を購入している[19]。購入費は基金と積立金を合わせ毎年1億4000万円であり、全国の公立美術館の中では比較的豊富である[19]。
なお、収集品は2021年7月時点で4011件で、その内訳は8割以上が寄付となっており、その7割近くはグラフィックデザイナーの粟津潔からの寄贈である[19]。
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
各地で地方公共団体の財政難や公立美術館の赤字が問題になる中、当初金沢でも市立の美術館を新しく作ることに対し厳しい目が注がれていた。企画立案は、こうした市民との討論から始まった。同時代の美術を世界から収集し、金沢の工芸やデザインに刺激を与え活性化し、新しいものを生み出す土壌を育成するという新美術館の方針や効果は徐々に理解を得ていった。また収蔵品は1990年代半ばから収集が始められ、その一部は金沢市民芸術村や市内の学校、商店街などでプレオープン事業として公開され、シンポジウムやワークショップも多数開催された。これらは、市民の間に新しい美術館やその収蔵品、活動に対し理解を得るためのものであった。開館後も児童・学生や団体客に対する鑑賞教育活動はひきつづき盛んに行われている。[要出典]
開館後の第一回展は収蔵品等を一堂に集めた展覧会のほか、無料ゾーンの市民ギャラリーで印象派以降現代に至る名品展が同時開催され、多くの観客を集めることに成功した。また市内の小中学生に対する無料招待は、後日家族連れで再来館するという効果を得た。公立美術館冬の時代と言われ、「ここがコケたら今後50年間は冬の時代が続く」と、各地の美術館から入館者の推移が注目されたが、開館から1年間で地方都市の公立美術館としては驚異的な157万人もの入館者を集めた[要出典]。当初、開業初年度の目標は30万人と定めていた[14]。入場者数は150万人前後を推移し[24]、2018年度(平成30年度)で約258万人と対2013年度(平成25年度)で100万人以上の増加となったが[14]、2020年度(令和2年度)は新型コロナウイルス感染症の影響に伴い入場者数は過去最低の約87万人となった[21]。
2024年は前年12月29日から1月1日の完全休館日を挟み、1月2日から通常の開館時間を大幅短縮して10時から18時までの臨時開館(1月4日は基から臨時休館日、1月5日から通常営業)[25]する予定だったが、令和6年能登半島地震が1月1日に発生したことに伴い、館内メンテナンスが必要なことから、臨時開館を取りやめ、臨時完全休館日を延長することになった[26]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.