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針葉樹林(しんようじゅりん)とは、主として針葉樹で構成された森林である。
針葉樹は世界の森林域のほぼ全ての地域に分布するが、多くの地域では広葉樹に混在するか、限られた環境で森林を構成するのみである。針葉樹が中心となる森林が多く見られるのは、広葉樹の生育には適さない地域である。これは、針葉樹がより古い型の植物であるため、種間の競争では広葉樹に勝てないからで、その代わりに劣悪な環境への耐性を発達させたと考えられる。広葉樹が森林を構成できない寒冷な地域では針葉樹が大規模な森林を作る。いわゆる亜寒帯がこれにあたり、シベリアや北アメリカ大陸にはタイガと呼ばれる広大な天然の針葉樹林が広がっている。
日本で極相として針葉樹林があるのは、主に以下のような所である。
日本で見られる針葉樹林は、その大部分が人工林である。暖帯から温帯ではスギやヒノキ、より寒い地域ではカラマツの植林が多い。特にひと頃の拡大造林の方針のため、自然林より大きな面積を占める。現在は材木としての収益が商売にならないほど下がっており、手入れを放棄された人工林があちこちに見られ、問題となっている。
また、クロマツ、アカマツは、広葉樹の高木の生育が困難な厳しい環境条件下で局所的に安定した群落を維持することを除くと、遷移により次第に広葉樹林になってゆく先駆者樹木であるが、かつては、民家の燃料としてマツの落葉落枝がよく使用され、それによってマツ林が長期にわたって維持されていた。しかし、その後の生活の変化によってマツ林に人手が入らなくなり、そこへマツクイムシによる被害(マツ枯れ)が重なり、現在では大きく減少している。
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