餅花(もちばな)とは、日本の一部地域で正月とくに小正月に、ヌルデエノキヤナギなどの木に小さく切った団子をさして飾るもの。東日本では「繭玉」(まゆだま)の形にする地域が多い。一年の五穀豊穣を祈願する予祝の意味をもつとされる。左義長の行事で飾ったり、食べたりする地方も多い。

各地の餅花

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街頭に飾られる餅花(香川県東かがわ市引田

長野県などでは、枝垂れ柳を使って稲穂の垂れるかたちにつくり、豊作を表現している。これを「稲の花」とよぶ。「粟穂稗穂」(あわぼひえぼ)も同じ。

岐阜県(主に高山市飛騨市)では「花餅」(はなもち)と呼ばれ、正月の装飾用品として定着している。

鹿児島県奄美大島では「生り餅(なりむち)」と呼び、小正月にニレ科のブブ木(クワノハエノキ)に白、赤、緑、黄などのカラフルな餅の「実」(なり)を刺して、床の間、神棚、墓、高倉などに置いて五穀豊穣や家内安全を祈る[1]。ブブ木は枝を切ってもすぐに伸びてくるため、繁栄の象徴として使われる。飾り終わった生り餅は、1月18日に煮て、蒸したサツマイモと練り合わせて作る「ひっきゃげ」にして食べる。

香川県宇多津町などでは、雛祭り菱餅と共に餅花を作って家に飾る。

また、東日本一帯に広がるものに「繭玉」(まゆだま)がある。の粉をカイコのかたちにして木にさしたもの。養蚕に関連の深い道具などをいっしょに飾る地方もある。カイコの安全を祈願したものだが、これも餅花の一種である。小正月が終わる頃にもぎとり焼いて食べる。

文学

松尾芭蕉俳句に下記がある。

餅花やかざしに插せる嫁が君

脚注

関連項目

外部リンク

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