社交不安障害
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社交不安障害(しゃこうふあんしょうがい、英: social anxiety disorder: SAD)あるいは社交恐怖(しゃこうきょうふ、英: social phobia)とは、自分が他人からどう見られるか、どう思われるかを過度に心配することで不安を感じるために、社交(人間関係)を過度に避けたり、耐えたりすることによって、相当な苦痛がある、または生活に重大な支障があるという精神障害である[1][2]。対人恐怖症とほぼ同義[2]。
概要 社交不安障害, 概要 ...
社交不安障害 | |
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概要 | |
診療科 | 精神医学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | F40.1, F93.2 |
ICD-9-CM | 300.23 |
MedlinePlus | 000957 |
Patient UK | 社交不安障害 |
MeSH | D010698 |
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混同されやすいが、正常かつ疾患ではない「内気(人見知り)」とは、単に知り合いのいないパーティなどを怖がるといったものである[1]。対して、社交不安障害では、人と会ったり、人前に出たりするたびに毎回、動悸、下痢、発汗、震え、時にパニック発作といった不安症状が起こる疾患[2][3]。こうした症状が繰り返し起こることで日常生活に支障をきたし、症状を避けるためとして、人と会うこと、外出を避けるようになる[2]。
2008年に日本精神神経学会は、「社会」から「社交」へと訳語を変更した[4]。以前のDSM-IVでは社会恐怖と社会不安障害の併記、それ以前のDSM-IIIでは社会恐怖である[4]。対人恐怖の概念と似ているとする意見がある[4]。
治療は、認知行動療法が優先され、薬物療法では選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であり、反応が部分的である場合にこれらが併用される[5]。子供や若年者での薬物療法や、大人でのSSRI以外の薬は推奨されない[6]。具体的な治療法については「社交不安障害#治療」を参照。