民衆十字軍
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民衆十字軍(みんしゅうじゅうじぐん、英: People's Crusade)または農民十字軍(のうみんじゅうじぐん、英: Peasant's Crusade)、貧者十字軍(ひんじゃじゅうじぐん、英: Pauper's Crusade)は、第1回十字軍の一部として1096年に起こった西ヨーロッパの庶民たちによる大規模な聖地巡礼運動。
初期の十字軍では、諸侯や騎士らによる軍事行動と、社会の熱狂で生まれた巡礼運動は不可分であり、十字軍部隊には武器を持たない群集多数も付き従っていた。中には諸侯に従わない民衆らによる巡礼団が勝手に出発することもしばしばだった。十字軍末期にも少年十字軍や羊飼い十字軍などさまざまな民衆十字軍が登場しているが、この時期はすでに社会一般の巡礼熱も冷め諸侯らも巻き込んだ運動とはなりえなかった。
この項では1096年の4月から10月に起きた民衆十字軍について記述する。北フランスで遊説した修道僧・隠者ピエールと騎士ゴーティエ・サンザヴォワール(無一文のゴーティエ)に率いられてフランスを出た一行は小アジアにまで達したがルーム・セルジューク朝の軍に敗れほぼ全滅し、わずかな生き残りのみが第1回十字軍に合流できた。