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日本の俳優、男性声優、ナレーター (1961-) ウィキペディアから
斧 アツシ(おの アツシ、1961年9月9日[5] - )は、日本の俳優、声優、ナレーター[3]。神奈川県横浜市出身[1]。大沢事務所所属[4]。
子供の頃からアニメ、映画を観るのが好きで、学芸会で人前で演技をするのも得意であり、「この楽しさを、将来仕事にできたらな」と思っていたという[6]。同時に頭の片隅で、「そんなに甘い世界じゃねぇよな」とも感じており、「やりたいことが見つかるまでは」と大学に進学したが、結局中退し、20歳から一人暮らしを始め、郵便配達をはじめとする10数種類の職種のアルバイトを掛け持ちして生活していた[6]。
正社員としても就職していたが、早々に「自分は会社の組織には馴染めない、向いてない」と感じながら会社の上の人たちを見ていた[6]。夢が持てなかったのもあり、改めて「自分が本当にやりたいことって何だろう?」と考えていたところ、無理だと決めつけていた「役者」が頭に浮かび、「やっぱりこの演技の道は避けても避けきれない」と思った[6]。
友人がその気持ちを知って、新聞広告の切り抜きを送ってくれたことがきっかけで、29歳の時に劇団のオーディションを受ける[6]。しかし子役中心の劇団だったため、次第に物足りなくなり、同じ劇団だった同期数人で劇団を結成して、自分たちで公演していた[6]。
その後名古屋市のタレント事務所から誘われてそこに所属し、「本社に移れば仕事の幅がもっと広がる」と32歳の時に出稼ぎのつもりで東京から名古屋に拠点を移す[6]。
1990年代後半ごろから、名古屋においてマルチタレントとしてドキュメンタリー番組やCMナレーションなどのナレーター活動、グルメ番組・旅番組のリポーター、結婚式の司会者などをしていた[6]。
俳優としてNHKの『中学生日記』、大河ドラマにも出演していたが、当時は「売れない役者」状態で生活は安定していなかった[6]。40歳も近い頃に、フリーでナレーションの仕事を中心に活動してから安定したという[6]。
NHKの深夜の再放送で海外ドラマ『ビバリーヒルズ青春白書』を毎回観ていくうちに、「吹替えってすごいな……」と興味が湧き、声優の仕事に興味を持つ[6]。のちに所属することになる大沢事務所の先輩である小杉十郎太の声と芝居に惹かれ、それまで声優の仕事に興味を持つことはなかったが、純粋に「声優っていいな」と思うようになった[6]。
40歳[7]を過ぎた2003年に声優を目指し帰京、東北新社が運営する「映像テクノアカデミア」のプロ専科クラスに入所した。プロ専科は、すでにプロの声優を対象としたクラスだったため、スタートも遅く吹き替えが未経験者だったので「初めの数か月は毎週落ち込んで帰った」そうである[6]。同年10月、当時所属していたリベルタから大沢事務所に移籍。2004年にジュニア登録をして声優業をスタートさせた[6]。
声優業を開始した当初は役らしい役は全然貰えず、特にジュニア時代は1本のギャラが少ないため、何度も「年越せねぇかもな……」と思った[6]。昼間は仕事があったりなかったりするため、「早朝の仕事ならできるだろう」と新聞配達のアルバイトもしていたという[6]。徐々に声が掛かるようになったのは、1年ほどして、マジックカプセルの音響監督の明田川仁に出会ってからであり、とにかく、「もっといい仕事を!もっといい役を!」と常に飢えていたという[6]。
CMナレーションで活躍している一方、アニメ作品にも多数出演している[2]。
明田川仁は敬愛するディレクターの1人で、2023年時点では『機動戦士ガンダム 水星の魔女』、『慎重勇者〜この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる〜』を始め、たくさんの作品に出演している[6]。明田川が、「なぜ斧さんをキャスティングし続けるんですか?」と後輩の声優に問われ、「だってあの人、どこまでが素なのか演技なのかわからないから」と答えたと知った[6]。その時は、嬉しく、その言葉に報われた思いがしていたという[6]。
自然な芝居をするために、「想像力をどこまで膨らませられるか?がとても大事だ」といい、台本を読む時に「このキャラクターはこういう時、どういう風に考えるだろう?」と想像したり、「このキャラクターは本当にそのセリフを言うだろうか?」と改めて考えていたりしている[6]。そこで「いや、言わないだろう」と思ったところ、リハーサル時に、台本とは違うセリフで演じているという[6]。
小林清志を尊敬している[8][9]。子供の頃からテレビアニメ『ルパン三世』[10]が好きで声優を始めた頃から、そのアニメの中でも一番好きな次元大介[11]の声を引き継ぐことを、目標にしていた[6]。アニメのテレビシリーズ、スペシャル番組、劇場版でのそのキャラクターのセリフをゼロから書き起こし、声や言い回しの癖を真似して、近づける練習を何年も続けていた[6]。OVA『ルパン三世 ルパンは今も燃えているか?』に出演していた時、我慢できずに小林にサインをねだりして持参したマジックを嫌い「俺はコレの方が良いんだよ」と筆ペンで台本にサインをくれたという[12]。しかし2021年、オーディションも受けるチャンスがないまま、大塚明夫が小林から次元を引き継ぎ[13]、一瞬で気力がなくなっていき、目標を失ってしまった気がしていた[6]。ただし、あまりにも悔しく「このままじゃ終われねぇな」、「どうせ声優人生を終えるなら、自分の中で『やり切った!』と納得して終えたい。それまでもう少し続けてみよう」と思ったという[6]。
太字はメインキャラクター。
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