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日本の小説 ウィキペディアから
『怪談と踊ろう、そしてあなたは階段で踊る』(かいだんとおどろう、そしてあなたはかいだんでおどる)は、竜騎士07の短編小説作品。講談社刊『ファウスト』2005年Vol.6(冬号)SIDE-A及びSIDE-Bに掲載。長らく単独での単行本化にはならなかったが、2012年に講談社の関連企業・星海社の星海社FICTIONSより発売されることとなった。
同じ原作者が主宰する同人サークル・07th Expansionの代表作『ひぐらしのなく頃に』と共通の世界観を有する。作品の舞台となった年代は特定されていないが、作品内の情景や描写から1970年代頃と見られる。
舞台は、1970年代頃とみられる某県鹿骨市(ししぼねし)内のある中学校。
受験勉強に追われる日々を過ごす少年 友宏は、覇気のない今時の中学生。ある日、叔母の優花が仕事の都合で、友宏の隣部屋に住むことになる。親友の博之・亨たちと賽銭箱の開錠ミッションを達成し、新たなスリルとロマンを求めていた三人は、自分たちの手で「学校の怪談」を作って人為的に「祟り」を起こそうと計画する。
教室の黒板に「骨」という字を書いて回ったり、精肉屋の骨をもらって教室内に置いたりするうちに、生徒たちの間にお骨サマの呪いの噂が蔓延していく。様々な追い風もあって賽銭箱への賽銭も増え、それを着服するようになる。お骨サマは生徒の間で浸透していき、生徒たちにより次々と新たな設定が加えられていく。
ある日、お骨サマの賽銭箱へ「5万円の賽銭」と共に、「田無美代子を呪ってください」という手紙が届く。博之と亨は数日間にわたって田無に悪戯をするが、その後もクラスメイトにより集中攻撃され、陰湿なイジメにエスカレートする。しかし、田無への呪いは衆人環視の中で行われたり、鍵のかかった自宅に入られたりと、クラスメイト達には実行不可能な状況であったことが判明する。
その後も、田無へのイジメがさらにエスカレートして、暴力と言えるほどになる。そんなある雨の日、立入禁止のプレハブ校舎の階段から田無が落下して、土に埋められたスコップにより意識不明の大怪我をしてしまう。ついに警察が介入し、事件としての捜査が始まるのであった。
優花が、刑事としての捜査を開始する。事故現場のプレハブの階段は、校舎からは死角となっており目撃者はいない。事情を聞くにも、田無は意識不明になっており、その他めぼしい証拠もない。仕方なく優花は、事件の始まりである「黒板落書事件」の犯人を探し出そうとする。
友宏たちも犯人を突き止めようと行動するなか、田無と仲の悪かった佐藤理恵が浮かび上がる。佐藤にアリバイを聞くが、「静かな図書館で、一人で新聞を読んでいた」と言う。しかし、友宏は『ある矛盾』を挙げて、佐藤が図書館にいなかった事を指摘する。だが、佐藤は屋上にいて、階段から落下した田無を発見した第一発見者であったことを告白する。そして、「カバン事件」の目撃者も佐藤であったことが判明するが、いずれもいないはずの誰かによる犯行だと言う。田無の自作自演を疑うが、田無のメリットが存在しない。
友宏が、優花と「呪い」について話している最中、田無の意識が回復して「犯人は佐藤」だと供述したとの知らせがくる。その後、優花は事件について語らず、佐藤は登校しなくなり、プレハブ校舎も屋上も立入禁止となる。誰もが「佐藤が逮捕された」と噂する中、人が変わったように物静かで凄みを帯びた田無が復学する。田無は神聖視されるようになり、「お骨サマの呪い」は形を変え、田無の敵になった者に対して実行されるようになる。
友宏は、優花に「お骨サマの呪い」を作ったのは自分だと白状し、事件の真相について聞くのだった。
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