吉田茂賞
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吉田茂賞(よしだしげるしょう)は、財団法人吉田茂国際基金が「国際的教養の豊かな前途有為の学者」に授与する学術賞であった。基金の前身である吉田茂記念事業財団が1971年に創設して以来、日本外交史、日中関係史、日米関係史等の分野で顕著な業績を上げた若手の研究者に贈られた。副賞の賞金は50万円。
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吉田茂国際基金は、1995年に吉田茂記念事業財団(1971年 - 1995年)が解消され、吉田国際教育基金(1964年~1995年)に事業が継承されることにより、両者が合併して設立された。1963年に吉田茂が政界を引退するに際して、池田勇人・佐藤栄作とともに吉田国際教育基金の呼びかけ人となった小泉信三によれば、吉田茂は「政務の多忙の其間に在って、日を定めて学者の会合を求め、その説を聞いて百年の計を樹てることに腐心」してきたという。
こうした背景から、吉田茂賞は若手の研究者で、近代日本の歩みを左右した政治・外交問題に関する顕著な研究業績を挙げたと認められたものに贈られることになったと考えられる。2008年以降の選考委員は、戸部良一、波多野澄雄 、波多野敬雄、 北岡伸一が務めた。
吉田茂国際基金が2011年3月末で解散したため、2011年(平成23年度)が最後の授与となった。