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細胞が代謝産物を排出すること ウィキペディアから
分泌(ぶんぴつ、英: secretion)とは、一般に、細胞が代謝産物を排出すること。
また狭義には、分泌活動を専門的に行う腺細胞が集まって腺を形成し、分泌物を排出することをいうこともある。この意味では特に動物個体のレベルで、排出管を通して体外(もしくは排出管に通じる体腔)へ出す外分泌(exocrine)と、体液として体内へ出す内分泌(endocrine)に分類される。
細胞による分泌は、その物質がどのように細胞から放出されるかという放出様式や、その物質が放出された後で標的となる細胞にどのように到達するかという作用様式によって、いくつかに分類される。
細胞からの分泌物の放出様式は、以下のように分類される
また漏出分泌(メロクリン)は分泌機構によって、さらに以下の二つに大別される。
タンパク質は最終的にエキソサイトーシスによって細胞外に分泌されるが、そのために特別なメカニズムが必要である。分泌されるタンパク質の多くはポリペプチド鎖N末端に疎水性の高いシグナルペプチド配列をもつ。またポリペプチド全体に 散在するシグナルパッチ(高次構造上は1箇所に集まる)の形でラベルされているものも知られている。
特に真核細胞は分泌メカニズムが高度に進化しており、次のような経過をたどる。
シグナルペプチドをもつタンパク質は翻訳が開始されるとリボソームが粗面小胞体に結合し、このタンパク質は翻訳されながらSec61複合体というチャンネルを通して小胞体内腔に輸送される。シグナルペプチドがないタイプは翻訳後に類似の膜貫通メカニズムによりATPのエネルギーを用いて小胞体内腔へ輸送される。以上のようなシステムはミトコンドリア、葉緑体、また細菌の細胞膜にもあってSec分泌系と呼ばれる。
その後シグナルペプチドタンパク質は小胞に包まれてゴルジ装置に移動し、糖鎖の付加やシャペロンによるフォールディング、開裂による活性化などの修飾を受ける。次いでタンパク質は行き先ごとに仕分けされ、細胞外に分泌されるものは分泌小胞および分泌顆粒によって輸送され、濃縮されながら細胞膜へ向かって移動する。最終的に顆粒は細胞外シグナル(例えば神経細胞で活動電位によってCa2+チャネルが開きCa2+レベルが上昇するなど)に応答して細胞膜と融合し内容物を細胞外に放出する。
すべての細胞は常時働く分泌経路(デフォルト経路)を持っているが、外的条件や細胞の極性に応じて調節可能な分泌経路を持つ細胞もある。
なお低分子化合物も多くの場合、特異的タンパク質に結合して分泌顆粒内で濃縮されて分泌される。
細菌の細胞膜(グラム陰性菌では内膜)にも真核細胞と同様のSec分泌系があるが、タンパク質は膜外に直接分泌され、小胞体やゴルジ装置などの複雑なメカニズムはない。
しかしSec分泌系と別に(または協働する)特有の分泌メカニズムがあり、IからIVの4タイプに分類される。これらは外毒素の分泌やグラム陰性菌の外膜を通しての分泌などに関与し、またべん毛や線毛の構築にも類似の機序がある。
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