中華まん
小麦粉で作った皮で具を包み蒸し上げた日本の饅頭 ウィキペディアから
小麦粉で作った皮で具を包み蒸し上げた日本の饅頭 ウィキペディアから
中華まん(ちゅうかまん)とは、小麦粉・水・砂糖・酵母・ベーキングパウダーなどをこねて発酵させて作った柔らかい皮で様々な具を包み、蒸した饅頭である[1][2]。
直接の原型となったのは中国の「包子(パオズ)」であるとされ、名前の元は包子では無く、「饅頭 (マントウ)」という中国の蒸しパン。現代の中国にはおいては、具のないものは饅頭、具のあるものは包子と呼ばれている。日本においては、中身の具材も独自の発展を遂げている。
中華まんは、中国の三国時代(220年頃)、蜀漢の宰相である諸葛亮が作らせたことが始まりといわれている[5](「伝説」節で後述)。
日本では中華街に伝わった大正・昭和の頃から各地で食べられており[2]、中華料理店やスーパー・コンビニ・小さな売店における人気のテイクアウト商品となっている。家庭で作られる事は少ないがチルドや冷凍食品は多く販売されており、適した蒸し器に入れて解凍する他、蒸し器がない場合は加熱時に真空ができないようにゆるめにラッピングし、少量の水を加えて上で電子レンジで解凍する。コンビニエンスストアでは例年8月~9月頃より冬季にかけて、あるいは通年、スチームで蒸し上げた商品をカウンター商材の1つとして販売している。
底の部分にはシート(元々は竹の皮)が付されていることが多く、これは蒸し器とまんじゅうが付着するのを防ぐ役割がある。また種類が判別できるよう、シートに「肉まん」や「あんまん」といった文字を入れる場合もある。
日本では、一般的には豚肉などを使用した肉まんや小豆餡のあんまんがあり、ピザまん・カレーまんなど中国には無い多様な変り種も販売されている。中国の包子は朝食や間食などの点心として食されることが多く、豚肉や中華葱・醤油・老酒などで作る肉まん、小白菜・干し豆腐・椎茸が入っている野菜まん、あんまんなど各種ある。皮は中華まんより薄くしっとりしている。詳しくは「包子」の項目に参考。
日本で最初に登場したのがいつなのかは諸説ある。「中村屋」での発売は、1927年の「天下一品 支那饅頭」が最初である。これは大正14年に同社創業者の相馬夫妻が中国へ視察旅行した際、目に止まった「包子(パオズ)」と呼ばれていた具の入った饅頭を元に、帰国後に商品化したものである[6]。
それ以前にも、中華街などの専門店や一部の中華料理店では、本場中国の中華まんが売られていたが、日本人の好みには合わなかったとされる[2]。
神戸中華街(南京町)の「老祥記」の先代は、1915年に「豚饅頭」として売り出した同店の中国包子が日本の中華まんの起こりであるとしている[7]が、現在の日本の中華まんと同一かどうかは定かではない[2]。
その他、コンビニエンスストアでは多種多様な中華まんが、大抵は期間限定で販売されている。
例: 豚角煮まん・てりやきチキンまん・チーズまん・塩豚まん・海鮮まん・グラタンまん・餃子まん・もんじゃまん・イカスミまん・チョコレートまん・カスタードクリームまん・キャラメルまん・プリンまん・さくらあんまん・焼き芋(安納芋)まん等々。
東京の南千住では「にくまん」というフライにした魚肉練り製品が類似のモチモチとした食感の物がおでんの具として販売されている。
『三国志』で知られる諸葛亮は、南蛮征伐の帰りに風雨で川が氾濫し渡れなかったが、氾濫した川を鎮めようと願うとき水神に人間の首を切り落として捧げて祭るという南蛮の信仰を、戦いで失われた人命を人柱にこれ以上犠牲には出来ないとして、小麦粉を水で練った皮に羊や牛の肉を包んで饅頭(まんじゅう)を作り、人頭に代わって供えて川に投じると見事に氾濫は収まったという。これが饅頭(中華まん)の始まりとされている[5]。
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