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日本の映画監督 ウィキペディアから
上田 慎一郎(うえだ しんいちろう、1984年4月7日[3] - )は、日本の映画監督。滋賀県伊香郡木之本町(現:長浜市)出身[4][5]。株式会社PANPOCOPINA(エイベックス・ピクチャーズ業務提携)取締役[6][7]。妻は同じく映画監督のふくだみゆき[8]。
うえだ しんいちろう 上田 慎一郎 | |||||||||||
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第31回東京国際映画祭にて(2018年10月) | |||||||||||
本名 | 上田 慎一郎 | ||||||||||
生年月日 | 1984年4月7日(40歳) | ||||||||||
出生地 | 日本・京都府[1] | ||||||||||
出身地 |
日本・滋賀県伊香郡木之本町 (現:長浜市木之本町) | ||||||||||
身長 | 168 cm[2] | ||||||||||
血液型 | A型[2] | ||||||||||
職業 |
映画監督 アニメ映画監督 | ||||||||||
ジャンル | 映画 | ||||||||||
活動期間 | 2009年 - | ||||||||||
配偶者 | ふくだみゆき(2014年 - ) | ||||||||||
事務所 | PANPOCOPINA(取締役) | ||||||||||
主な作品 | |||||||||||
映画 『カメラを止めるな!』 『スペシャルアクターズ』 『ポプラン』 短編映画 『たまえのスーパーはらわた』 『上田慎一郎ショートムービーコレクション』 『カメラを止めるな!リモート大作戦!』 アニメ映画 『100日間生きたワニ』 | |||||||||||
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木之本町立木之本中学校[9]在学時から、父親のハンディカムで友人と自主映画を撮り始める[10]。滋賀県立長浜高等学校在学時も自主映画を撮り続け、文化祭での上映を行っていたところ、演劇部の顧問に声をかけられ高校2年生の終わり頃に演劇部に入部[11]。演劇部では舞台劇の脚本・演出を担当し[12]、高校3年生時に創作した作品は2002年度近畿高等学校総合文化祭で上演[13]、春秋座の招待公演「演じる高校生」でも上演された[14]。
高校卒業後も独学で映像を撮り続け[15]、ハリウッドを目指すために大阪府内の英語の専門学校に通うも馴染む事が出来ず2ヶ月で退学する[16]。20歳頃からは一度映画制作から離れ、ヒッチハイクで上京するものの詐欺に遇ったり、SF小説の自費出版をしたりするなどして借金を複数回抱え、ホームレス生活も経験する[8]。
SF小説の展開に失敗した25歳の頃に改めて映画監督になる決意を固め、2009年に自主映画団体「STUDIOMAYS」に参加[17]。その後、同団体で長編映画を撮るために集めたメンバーを率いて独立し、同年に映画製作団体「PANPOKOPINA」を結成する[18]。数々の短編映画を手掛け、2018年時点、国内外の映画祭で46の賞を獲得してきた[18]。
若手映像クリエイターを支援するSKIPシティ製作による2015年公開のオムニバス映画『4/猫 ねこぶんのよん』の「猫まんま」にて商業作品デビューを果たす[18]。このオムニバス映画は上田を含む若手映画監督4人による短編映画で構成されており、上映館のテアトル新宿では鑑賞者による人気投票が実施された[19]。結果、上田の「猫まんま」が1位を獲得し[20]、その褒賞として2016年にシネ・リーブル池袋にて「猫まんま」と過去の短編3作の特集上映「4/上田 うえだぶんのよん」が行われている[21]。
2017年、ENBUゼミナールのシネマプロジェクトという企画にて制作した映画『カメラを止めるな!』で劇場用長編映画デビューを果たすと、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭でゆうばりファンタランド大賞を受賞。2018年6月から劇場公開が始まると低予算のインディーズ映画ながら口コミが広まり、上映館の1つであるK's cinemaでは上映10日間で30回連続満席が続き話題となり[22]、最終的に同館では一度上映を終えるまでの35日間、77回全て満席となった[23]。同作品は公開から約1ヶ月後にアスミック・エースが配給協力に名乗りを挙げ、当初2館の公開から累計300館以上に公開が拡大されることとなり[24]、ロングヒットを続け「映画界のシンデレラストーリー」[25]、「ジャパニーズ・ドリーム」[26]などと称された。同年10月には同作が第31回東京国際映画祭の「Japan Now部門」に選出され、出演キャストらとともにレッドカーペットを歩いた[27]。
上記映画のヒットにより、2018年夏頃より俄かに各種メディアの取り上げが頻繁になり、多くのテレビ番組にゲスト出演。日本テレビ『人生が変わる1分間の深イイ話』で密着取材が行われたり[28]、TBS『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』で半生の再現ドラマが製作されたり[29]などしている。また、上田の他作品にも注目が集まり、過去の短編映画のネット配信[30]や『上田慎一郎ショートムービーコレクション』と称しての全国上映[31]、一部地域のみで上映する予定だった中編映画『たまえのスーパーはらわた』の全国上映が行われたり[32]、最初期に制作した長編映画『お米とおっぱい。』のDVDの発売が決定したりするなど[33]数多くの展開が行われた。果てには一時期借金を抱える原因となったSF小説『ドーナツの穴の向こう側』新装版の発売まで行われた[34]。
2018年10月1日、松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画プロジェクトの第7弾の監督に起用されたことが発表された[35]。同プロジェクトによる監督作『スペシャルアクターズ』は2019年の初夏に撮影が行われ、2019年10月に全国約140館で公開[36]。また、同じく2019年の公開作として、『4/猫 ねこぶんのよん』で上田と共に監督を務め、『カメラを止めるな!』でもスタッフとして関わった中泉裕矢、浅沼直也との共同監督によるSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザの若手クリエイター支援プロジェクトの『イソップの思うツボ』の製作も進行[37]。同作は2018年内に9日間で撮影が終了し、2019年8月に全国約100館で公開された[38][39][40]。なお、この裏では『カメラを止めるな!』のヒットによって様々な人からの助言をもらうが故に深刻なスランプに陥っていたといい、『スペシャルアクターズ』では脚本を全く書けない状態だった[41]。同作はキャスト陣からのアイディア出しなどの協力を得て完成させている。
2009年に立ち上げた映画製作団体「PANPOKOPINA」を2019年1月29日に「株式会社PANPOCOPINA」として法人化。妻のふくだみゆきとともに取締役を務め[7]、上田の幼馴染である音楽家の鈴木伸宏が代表取締役を務める[6]。同社は同年6月20日よりエイベックス・ピクチャーズと業務提携し、メディアやイベントの出演や実演活動のマネジメント業務をエイベックス・ピクチャーズが担当し、また、両社による新規映像作品の制作も検討されている[6]。
2019年11月、滋賀県より文化奨励賞が贈られた[42][43]。映像関係での滋賀県文化賞等の受賞は吉村公三郎以来38年ぶり[44][45]。
2020年は新型コロナウイルス感染症の流行で外出自粛が呼びかけられたことで、自身の仕事もいくつか飛んでしまった中、キャストやスタッフと一度も会わない“リモート映画”の制作にいち早く着手[46]。5月1日に『カメラを止めるな!リモート大作戦!』をYouTubeにて無料公開し、再び上田と『カメラを止めるな!』が注目を集めることとなった。のちに、同映画を制作することによって自身の心も救われたと語る[47]。
2020年8月、エイベックス・ピクチャーズとプロダクション・アイジーが製作幹事の実験的映画レーベル「Cinema Lab」への参加を発表[48]。他の参加映画監督に本広克行、押井守、小中和哉がおり、この中では上田が一番の若手となった。10月に設立会見が行われ、『カメラを止めるな!』劇場公開前に本広から本企画について声を掛けられており、その際に「『カメ止め2』を作ってくれ」とリクエストされていたことを明かした[49][50]。上田は同レーベルの作品として、かつてより温めていた企画の中でも最も問題作だという『ポプラン』を皆川暢二主演で制作[51]。同作は2022年1月に劇場公開[41]。
2020年10月、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントによる12人の映像監督による12本の短編映画製作プロジェクト「DIVOC-12」の発表会見に出席。同プロジェクトは新型コロナ禍の影響を受けたクリエイター、俳優らを継続的に活動を続けられるように発足させたプロジェクトで、上田、藤井道人、三島有紀子がそれぞれ3人の新進気鋭の監督と組み、4人体制のチームを結成して、特定条件下での短編映画を制作するというもの。上田は、本プロジェクトでは「感触」というテーマで短編映画を制作する[47]。11月5日に妻のふくだと中元雄と[52]、2021年1月19日に一般公募によって選ばれたエバンズ未夜子とタッグを組むことが発表された[53]。同プロジェクトは2021年10月に劇場公開。
2021年2月、Twitter発4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』を原作としたアニメ映画『100日間生きたワニ』の監督・脚本を、アニメ制作経験のある妻のふくだとともに務めることが発表された[54]。ふくだとは、互いの作品を手伝うことは多かったが、同じ立ち位置で監督・脚本を担当するのは本作が初である[55]。初のアニメ映画の監督となるが、原作漫画の連載中である2020年1月時点で映画化を熱望し、上田個人で企画書を作って提案したものである[56][57]。
2022年11月、映画スタジオ「PICORE」を設立。同スタジオの実験場「PICORE LAB」の第1弾企画としてTikTok向けの縦画面のショートフィルムの制作に着手する[58]。同月末から複数作品の公開を始め[59]、2023年3月23日に投稿した『レンタル部下』は転載したTwitterアカウント上などを含め特に話題を呼んだ[60]。同作は、同年5月の第76回カンヌ国際映画祭で、TikTokとカンヌ国際映画祭によるコラボレーション企画「#TikTokShortFilm コンペティション」第2回のグランプリ受賞が発表された。前年の本木真武太『木って切っていいの?』に引き続き、2年連続で日本人監督による作品がグランプリ受賞となった[61][62][63]。
好きな言葉は「一生青春」[10]。好きな食べ物はチャンジャ[64]。天然パーマをカモフラージュするために帽子をかぶっており、それがトレードマークになっている。
作風として、「100年後に観てもおもしろい映画」をスローガンとしており[15]、コメディ作品、エンタテインメント作品を中心に制作する。特定のテーマやメッセージを設けることはあまり意識せず、そういったものは自然と滲み出るものだという持論がある[65]。作品の登場人物は芸事を志す情けない男性を主人公に据えることが多く、逆に女性は強い人物が登場する傾向にある[66]。これらの登場人物の設定が多い理由として、コメディ作品にしやすいからであると自己分析している[38]。また、娘に嫌われたくない父親を登場させることも多い[38]。
制作の現場では上田が上から指示するのではなく、他の撮影や録音などのスタッフも横一列に並んで一緒に映画を作るように意識し、スタッフ誰もがアイディアを出せる雰囲気を作り出している。「とにかく楽しんで映画を作る」というスタイルであり[65]、実際に上田の作品に出演した俳優の牟田浩二は「スタッフ、キャストが遊んでいるような感じ」と制作現場を表現している[67]。本当のトラブルなど、二度と撮れないような「ライブ感」のある映像を好む[68]。また、周囲から「やめとけ」と諭されると逆に燃えるタイプであると語ってる[69]。
上田の作品によく登場する俳優として、山口友和、牟田浩二、細井学などが挙げられる[70][71]。
影響を受けた人物として、松本人志(ダウンタウン)[72]、三谷幸喜[73]、吉田戦車[74]などを挙げている。高校卒業時にはお笑い芸人になろうという考えもあったという[1]。
2012年頃より「PANPOKOPINA」に参加していたふくだみゆきとの同棲生活を始め[注 1]、2014年12月12日に結婚し[76]、2017年に息子が誕生している。夫婦それぞれの監督作品が国内の映画祭で複数回受賞を果たしており、インディペンデント映画界では夫婦監督として知られた存在だった[77][78]。著名な映画賞では2人とも毎日映画コンクールの受賞を経験している[注 2][79]。映画監督の山岸謙太郎は2人を「勢いの上田、味わいのふくだ」と表現している[80]。脚本作りの際にはふくだの遠慮のない意見が助けになっていると言い、女性ならではの視点を積極的に取り入れている[81]。
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
★のついた作品はDVD「上田慎一郎ショートムービーコレクション」(2019年8月28日発売)に収録。
※ここでは表彰対象が本人のもののみを記載。
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