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小銃擲弾は、第一次世界大戦での塹壕戦に起源を有する。西部戦線が構築されると、投擲のため身を晒さずに敵の塹壕に手榴弾を投射できる手段が求められるようになった。これに応じて開発されたのが小銃擲弾であった[3][4]。
このときには、小銃の銃口部にカップ型の発射機を装備して、ここに手榴弾を入れて空砲で射出するもののほか、手榴弾に棒をつけて銃口に差し込み空砲で射出するものなどが開発された[4]。ただし大重量の擲弾を射出する必要から、通常よりも薬室圧力が上昇するため、反動が激しく、肩付け射撃ができないため射撃精度が低いという問題があった。また小銃本体の消耗も激しいことから、戦間期には、ドイツ国防軍の5 cm leGrW 36や大日本帝国陸軍の八九式重擲弾筒のように、専用の小型迫撃砲が志向されることになった[3]。この時期、イタリア王国では特殊部隊用のカルカノM1891/28カービンに装着して使用する38mm口径の擲弾発射器であるMod 28「トロンボンチーノ」が開発されており、後のXM148やM79に影響を与えた可能性が指摘されているが、この時点では普及しなかった[5]。
その後、第二次世界大戦では、小銃の銃口部に簡単な管を装着して、これにロケット型の擲弾を差し込んで、空砲で射出する方式が登場し、こちらは大戦後も長く命脈を保つことになった[注 1]。現代では、特別な発射管すら必要とせず、銃身先端の消炎器にそのまま装着して、実包で発射できるものが主流となっている[4]。このため、西側諸国の小銃では消炎器の外径を22mmに統一し、共用化を図っている[6]。小銃擲弾を発射できる自動小銃では、通常よりも高い圧力によって機関部が激しく作動することを避けるために、自動機能を手動で停止できる製品もある。ガス圧作動式の自動小銃であれば、発射ガスの経路を遮断する部品を設けることで、擲弾発射に対応できる。
従来の小銃擲弾は、専用の擲弾薬筒(空砲あるいは木製弾頭付き)を小銃に装填・射撃することによって射出されていた。
フランス陸軍が1916年に採用したVB式小銃擲弾は通常の小銃実包をそのまま使えるバレットスルー方式で、小銃弾は擲弾の中心に設けられた貫通孔を通過して飛び去り、次いで発射ガスが擲弾を射出する。日本陸軍が1940年に採用した一〇〇式擲弾器もやはり通常の小銃実包を使うが、バレットスルー方式ではなく、小銃銃身の軸線と平行に配置されたカップ型発射器に発射ガスを導く構造だった。
その後、実包による発射に対応した弾丸トラップ方式が登場し、現代ではこちらが主流となった。これは発射筒部に設けられた弾丸トラップで小銃弾を受け止め、この作用と発射ガスの作用によって、飛翔体部を射出するものである。また陸上自衛隊の06式小銃てき弾では、更に分離飛翔方式の採用により、射手に有害な後方飛散物の発生を防いでいる[2]。
なお上記の通り、小銃擲弾は小銃による射出を前提としているが、フランキ社では、2連装・3連装の専用発射機も試作した[8]。
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