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かつてバンダイ・デジタル・エンタテイメントとアップルコンピュータが製造販売したマルチメディア機 ウィキペディアから
ピピンアットマーク(Pippin atmark、Pippin @.)とは、バンダイ・デジタル・エンタテイメントがApple Computer(現:Apple)と共同開発したMacintosh互換のマルチメディア機。名前の「ピピン」はリンゴの一品種からとられている。
Classic Mac OS (7.5.x) と互換性を持つpippinOSとCD-ROMドライブを搭載し、ピピンアットマーク用ゲームの他にMacintosh用ゲームも遊べる。ハードディスクは有さず、代わりにフラッシュメモリを記憶装置として搭載していた。また、標準でモデムを搭載し、ダイヤルアップ接続でインターネットに接続できていた。
1996年3月から日本[2][3]とアメリカで発売された。このうち、アメリカではpippin@WORLD(ピピンアットワールド)という名称で販売されている。
しかし、後述するように様々な理由で成功せず、莫大な損失を生み出して商業的には大失敗に終わった。当時は販売不振とされる家庭用ゲーム機でも数十万台から数百万台以上を販売していたが、ピピンアットマークは50万台を製造してわずか4万2千台しか販売できず、「世界で最も売れなかったゲーム機」とされている[4][5][6]。
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本製品は、1996年3月から日本[2][3]およびアメリカ合衆国にて販売された。当初は電話注文か、加盟店での販売のみで、1996年6月15日からはモデムを別売りにした廉価版が、各種周辺機器と同時に一般店舗で販売された[7][リンク切れ]。
本製品は家電量販店での販売を想定していたにもかかわらず、家電業界の商習慣に反してリベートを一切支払わないという条件が立てられた。本製品の販売部門の課長に就任した川口勝は、家電製品の営業実績がなかったこともあって困惑したものの、Appleのブランド力をもって交渉を推し進めるしかなかった[8]。
また、量販店による値引き販売を防ぐため、バンダイ側が一括で在庫を管理し、店側には発注書を渡した上で、客がバンダイに送った発注書の数に応じて手数料がバンダイに支払われるという仕組みが作られた[8]。この仕組みは、Apple側の担当者である原田泳幸により、デジタル・ディストリビュート・システムと名付けられた[8]。
発売前の千人枠のモニターに10万4千人が応募したものの、実際に店頭で発注書を手に取った客は少なかった[8]。コンセプトが当時のゲーム機の領域を超えたため、小売店の理解を思ったほど得られなかった[9]。 累計の損失額は約260億円となった[8]。本製品の開発責任者である鵜之澤伸はUniteTokyo2019のセッションにて、損失額が268億円であると発言している[3]。
1998年3月13日付で事業担当子会社(BDE:バンダイ・デジタル・エンタテインメント)を解散し、予定していた次世代機も出ないまま事実上撤退した。最終的に全世界で4万2千台を出荷したという[1]。そういったことから、後年にはバンダイの黒歴史の1つとしても挙げられている[5]。
失敗の主な原因として、下記のような点が挙げられている。
1990年代前半の開発された当時としては先進的なオンラインコミュニティーやボイスチャット機能の開発も行われていた。しかし、日本国内ではダイヤルQ2によるツーショットダイヤルが社会問題化していたことから、「(子供向けの製品が主力の)バンダイの製品がアダルト系サービスに利用されかねない」と危惧した当時の社長・山科誠の判断により、それらの機能は開発中止となっている。バンダイによるユーザーサポートは、2002年12月31日まで続けられていた。
Appleの代表的な失敗例として、Newtonと共にピピンアットマークの名前が取り上げられることがある。しかしApple自体は、ゲーム開発やネットワークのインフラ提供、バンダイDEの販売戦略などに関わっていたわけではなく、Appleの方からも「あれはうちと名前の似た別の会社が作った物で、その会社はこの失敗で倒産して消えた」と否定している[要出典]。
撤退後、ピピンのネットワーク機能のために用意された数百台ものサーバー機器は、バンダイで携帯向けコンテンツの提供のために転用され、新会社「バンダイネットワークス」が立ち上げられ、結果的にバンダイに大きな利益をもたらしたという[10]。
マルチメディアアーキテクチャ、Pippinに準じた設計になっている。また、アメリカで販売されたバージョンは本体とコントローラーの色がダークグレーとなっているほか、パッケージも非常に簡素なものとなっている。
ほか
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