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日本の雑誌 ウィキペディアから
バス・ジャパン(BUS JAPAN)は、出版社のBJエディターズ(ビージェーエディターズ)が1992年まで発行していたバス専門雑誌。BJエディターズの代表者は加藤佳一(かとう・よしかず[1])、所在地は埼玉県越谷市船渡360-4[2]。
雑誌『バス・ジャパン』終刊後、翌1993年からはハンドブック形式の書籍として、バス事業者ごとに歴史や車両リストなどをまとめた『バスジャパン・ハンドブックシリーズ』の刊行を開始し、現在に至るまで刊行を継続している[3][4]。『バスジャパン・ハンドブックシリーズ』はBJエディターズが編集・発行し、星雲社が発売している[3]。
本項では『バスジャパン・ハンドブックシリーズ』および、出版元のBJエディターズについても併せて記述する。
代表者の加藤佳一は、1963年(昭和38年)に東京都で生まれ[1]、東京写真専門学校(現:専門学校東京ビジュアルアーツ)を卒業[1]。
加藤は1986年4月に「バス・ジャパン刊行会」を設立し、季刊雑誌形式で『バス・ジャパン』を創刊する[5]。同人誌的な形態ながら日本初のバス趣味雑誌であった『バスメディア』に続く、日本で2番目となるバス趣味専門誌であった。『バスメディア』と『バス・ジャパン』はほぼ前後して創刊されており、1980年代半ばが日本のバス趣味雑誌の黎明期であったことになる。
1990年4月、編集プロダクションとしての活動を正式に開始する際に「BJエディターズ」へ社名変更した[5]。
『バス・ジャパン』は、1989年4月発行の12号までは季刊誌として続いたものの、発行部数が伸び悩んだこともあり、翌1990年からは年刊誌に移行したが、1992年発行の15号で終刊となった。
なお『バス・ジャパン』は雑誌形式ではあったものの、発行形態は一貫して雑誌コードで管理される雑誌ではなく、ISBNが付与された書籍扱いであった。この点は『バス・ジャパン』に続いて1990年に創刊された『バスラマ・インターナショナル』や、それ以降に創刊されたバス雑誌にも共通する。
1993年7月より、ハンドブック形式の書籍として『バスジャパン・ハンドブックシリーズ』の刊行を開始[5]。『バスジャパン・ハンドブックシリーズ 1 東京都交通局』から、1997年3月の『バスジャパン・ハンドブックシリーズ 20 ジェイアールバス東北』までを刊行した[6]。
20号を区切りとして、1997年8月より車両写真のカラーページを追加するなど構成変更の上、書名を『バスジャパン・ニューハンドブックシリーズ』と変更。『バスジャパン・ニューハンドブックシリーズ 21 東京都交通局』から[6]、2003年9月の『バスジャパン・ニューハンドブックシリーズ 40 遠州鉄道』までを刊行した[7]。
40号を区切りとして、2004年1月より再度誌面をリニューアル、書名を『バスジャパン・ハンドブックシリーズ R』と変更。『バスジャパン・ハンドブックシリーズ R51 西武バス』から[7]、2013年4月の『バスジャパン・ハンドブックシリーズ R80 関東バス』までを刊行した[3]。なお番号は51から付番され、41~50は欠番となっている[7]。
80号を区切りとして、2013年8月より書名を『バスジャパン・ハンドブックシリーズ S』と再変更。『バスジャパン・ハンドブックシリーズ S71 西鉄バス(高速貸切バス編)』から、2018年12月の『バスジャパン・ハンドブックシリーズ S100 北海道中央バス』までを刊行した[3]。
100号を区切りとして、2019年5月より書名を『バスジャパン・ハンドブックシリーズ V』と再変更。『バスジャパン・ハンドブックシリーズ V101 京阪バス』を刊行し[3]、その後も刊行を継続中である[3][4]。
先駆的なバス雑誌であった『バス・ジャパン』と、その後も長期にわたり『バスジャパン・ハンドブックシリーズ』の刊行を地道に続ける、BJエディターズのバスに対する真摯な誌面作りの姿勢は、読者のみならずバス事業者からも高い評価を得ていた。
その実績から、2006年にはバス事業者社史の編集発行を受注することとなり、川中島バス『川中島バス80年史―善光寺平を駆けぬけて』(ISBN 978-4434072703) 、山梨交通『山梨交通60年史―甲府盆地のくらしとともに』(ISBN 978-4434072710) の2冊がBJエディターズより刊行されている。
また2007年に交通関係書を主に刊行する出版社「クラッセ」[8] から刊行された西武バス社史『地域とともに 西武バス60年のあゆみ』[9][10] の編集協力も手がけている。
自社からの書籍刊行のほか、編集プロダクションとして、クラッセ、講談社、交通新聞社、洋泉社、人文社、PHP、JTB、マイナビ出版など、多数の出版社から刊行されたバス・鉄道・交通関連書籍の執筆および編集、編集協力も行っている。
車両アルバムは「バスのさまざまな形態を紹介する」というコンセプトで、バス車両の写真が掲載されている。
1997年までは1台のバスにつき2枚の写真(左前方・右後方)が掲載されており、バス形式写真として前後と左右側面が見える角度で撮影し、車両の全体像が分かるようになっていた(右の画像はそれを再現したもの)。1997年の『ニューハンドブックシリーズ』からは、1台の車両につき左前方からの写真1枚のみに変更されたものの、「車両図鑑」というスタイルへのこだわりが感じられる。
歴史記事については、交通ジャーナリストの鈴木文彦により文章でまとめられており、バス事業者のあゆみも分かるようになっている。
紀行編については、2005年まで20年近くレイルウェイ・ライターの種村直樹がコーナーを担当してきた。2006年からはクラッセブックス編集長の富田康裕が取材と執筆を担当した。2013年からは、劇団「シアターキューブリック」所属の谷口礼子が取材と執筆を担当している。
1989年の年刊化に伴い、季刊時代にあった読者投稿欄が廃止されるため、その受け皿として会員制の趣味団体としたものであるが、季刊時代ほどの盛り上がりはなく、結局2年ほどで解散となった。しかし、バス関連書籍の発行元が企画した趣味団体という点ではあまり例のないものであり、特筆される。
発売は星雲社。各発行月の1日に発行され、これは『ハンドブックシリーズ』にも引き継がれている。
定価は、1号から11号までは880円であったが、12号から910円に値上げされ、13号から15号までは1,500円となった。
表表紙・裏表紙は、特集したバス事業者などの車両写真。
出典:BJエディターズ公式サイト「BJハンドブック一覧」[3]
大きさはB6判で、60~70ページ前後と「ハンドブック」の名に相応しくコンパクトなサイズにまとめられている。各巻のデザインは、取り上げたバス事業者の車体カラーリングを模している。また『ニューハンドブックシリーズ』からは、タイトル部分がバスの方向幕を模したデザインとなり、番号が系統番号、事業者名が行先表示を模している。バスの本らしい遊び心のある装丁である。
鉄道事業者からのバス分社化や社名変更などにより、同じバス事業者でも巻によって名称が異なる場合がある。また正式な社名で表記されていない巻もある。
バス事業者名に続けて(他○社)とあるのは、地域子会社やグループ会社など、タイトルにないバス事業者が併載されていることを示す(書名には表記なし)。京成グループや朝日自動車グループのようにグループ内のバス事業者が多い場合は、多数の事業者が1冊にまとめて掲載されている。『ハンドブックシリーズ R』以降は、タイトル以外の併載事業者名を背表紙にすべて列挙するようになった[7]。
1990年代以降の書籍なので、全号にISBNが付与されている。シリーズの途中でISBN-10からISBN-13へ変更されているが、発行時点の表記(実際に本に印字されているもの)に従った。
初代ハンドブックシリーズでは、欠番となっている番号が存在する[6](理由は不明)。また番号と発行年月日が一致せず、番号順に発行されていない[6]。
カラーページ増加などの誌面リニューアルに伴い定価が値上げされた。またタイトルが幕式の方向幕を模したデザインとなった。文字色は白地に黒文字。
定価1,000円(税抜)[3]。R51~R80まで刊行[3]。
タイトルのデザインが、幕式からLED式の方向幕を模したものに変更され、黒地にオレンジ色の文字となった。
前述のとおり、番号が51から付番され、41~50は欠番となっている[7]。また「R」以降は、タイトル以外の併載事業者名を背表紙に列挙している[7]。
定価1,100円(税込)[3]。S81~S100まで刊行[3]。
定価表記が消費税込となる。タイトルのデザインは「R」と同様にLED式方向幕を模したものだが、番号(系統番号を模した部分)の色が反転し、オレンジ地に黒文字となった。
定価1,100円(税込)[3]。V101~刊行中[3][4]。
『ハンドブックシリーズ』は創刊以来1日に発行されていたが、「S100」から「V106」までは20日発行となった。「V107」以降は1日発行に戻っている。
タイトルのデザインがフルカラーLED方向幕を模したものに変更され、事業者名は黒字に白文字となり、番号(系統番号を模した部分)に水色・緑色・ピンクの色が付くようになった。3色を水色→緑→ピンクの順に使い回している。
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