Loading AI tools
1998年のアメリカのアニメーション映画 ウィキペディアから
『バグズ・ライフ』(原題:A Bug's Life)は、ピクサー制作、ディズニー配給による1998年公開のアメリカのフルCGアニメーション映画である。
バグズ・ライフ | |
---|---|
A Bug's Life | |
監督 |
ジョン・ラセター アンドリュー・スタントン |
脚本 |
アンドリュー・スタントン ドナルド・マッケネリー ボブ・ショウ |
原案 |
ジョン・ラセター アンドリュー・スタントン ジョー・ランフト |
製作 |
ダーラ・K・アンダーソン ケヴィン・リバー |
出演者 |
デイヴ・フォーリー ケヴィン・スペイシー ジュリア・ルイス=ドレイファス ヘイデン・パネッティーア フィリス・ディラー 宮本充 壌晴彦 土井美加 須藤祐実 磯辺万沙子 |
音楽 | ランディ・ニューマン |
編集 | リー・アンクリッチ |
製作会社 |
ピクサー・アニメーション・スタジオ ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ |
配給 | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ |
公開 |
1998年11月20日 1999年3月13日 |
上映時間 |
95分(劇場公開版) 97分(VHS版) |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $120,000,000[1] |
興行収入 |
$363,398,565[1] $162,798,565[1] 19億6000万円[2] |
配給収入 | 11億5000万円[3] |
ピクサー作品全体(短編含む)では8作目の作品であり、ディズニー・オン・アイスで2001年日本公演作品『センテーニバル』登場作品の一つでもある(ディズニー・オン・アイスで登場したピクサー作品としては2番目)。同時公開短編は『ゲーリーじいさんのチェス』。イメージ・ソングにホフディランの「STAND」が使用された。アメリカ本国および日本ではピクサー長編アニメーションとしては、最後のレーザーディスク版発売作品となった。またピクサーの長編映画か日本で3月に公開されるのは1996年公開の「トイ・ストーリー」以来3年ぶりとなる。
「トイ・ストーリー」のスタッフによるピクサー第二の長編。誕生のきっかけは「トイ・ストーリー」制作が大詰めを迎えたある日の昼食中の某スタッフの会話である。それから、虫の生態リサーチングをし、その99パーセントを忘れ、キャラクターの性格を掘り下げることに力を注いだ。今作の誕生はイソップ童話をヒントにした(ブルーレイの映像特典も「アリとキリギリス」である)。製作に当たっては「トイ・ストーリー」の十倍もの処理能力を持った最新式コンピュータが採用され、霧や雨、稲妻や炎、キャラクターの動きなどがよりリアルに表現できた[4]。
日本では1999年3月より全国で吹き替え版と字幕スーパー版が拡大公開された。
日本でのセルビデオ出荷本数は120万本[5]。
とある高原の池に浮かぶ、アリの島アント・アイランド。そこで働くアリたちは雨季に備えて食料を集めていた。その日々にアリたちは苦労し、女王の長女アッタ姫も毎日のようにくたびれていた。
そんなある日のこと、発明家のフリックがまたトラブルを起こしていた。彼の発明した、刈り取り機は枝を刈り取って穀物をためるというものだったが、食料を取り終えると枝を遠くへ飛ばすという危険なものだった。他のアリたちは彼の発明に呆れ、彼を「歩く災難」と呼んでいた。そんな彼を唯一慕っているのは、アッタ姫の後継ぎとなる次女・ドット姫だった。彼女もまだ小さいので飛ぶことができずにいた。同じ悩みを持つ二人は仲良くなった。その時、バッタ一味が来る合図の警笛が聞こえた。アリたちが食料を集めていたのは、自分たちのためでなくバッタたちのためだったのだ。アリたちは慌てて巣の中へ急ぐも、遅れたフリックが発明品を投げ捨てたせいで土台が崩れ、食料が一つ残らず川の中へ落ちてしまう。慌てたフリックはこのことを姫に伝えようとするも、巣の上からバッタ一味の食料がないとの声が聞こえ、巣の天井を突き破ってバッタ一味が乗り込んでくる。一味のリーダー・ホッパーが「雨季が近づくと、アリが食料を集め、それをバッタが食べる」という持論を話す途中で、ホッパーの弟・モルトが「ホッパーが鳥に食われかけた」ことを暴露してしまう。頭にきたホッパーは「帰るまでは一言もしゃべるな」と警告し、モルトを殴ろうとするが、なぜか別のバッタを殴った。実は死んだ母の遺言で弟を殴れなかったのだ。そこでホッパーはアリたちにやり直しを命じる。女王は「自分たちの食料はどうするの」と問いかけるも、ホッパーは「逆らうやつはこうなるぞ」と指を鳴らす。そこにサンパーが現れた。他のバッタより飢えており、かなり凶暴な性格のバッタだった。ホッパーはドットを捕まえ、サンパーの餌食にしようとした。フリックはドットを助け、ホッパーは「雨季が来るまでに二倍食料を集めろ」と無理難題を言い残すとそのまま飛び去っていった。
その後、裁判が行われた。フリックが食料集めに失敗した責任を負わされたのだ。そこでフリックは「バッタを食い止められる用心棒探しに出かける」と言い放つ。最初は止めようとしたアッタ姫だったが、そうすればしばらく問題が起きなくて済むと考え、半ば追放という形でフリックに用心棒探しを任せる。その魂胆も知らずに、フリックは用心棒探しに出かけたのであった。
一方、郊外の草畑の中では客達にバカにされ、帰られてしまったり、返金要求をされる等、いまいちパッとしないサーカス団のライブが行われていた。そんな中、ある事故で団長のP.T.フリーが全身に火傷を負ったため、団員の全員を解雇する。
その夕方、元団員達はトレーラーハウス下の都会の居酒屋で別れを惜しむ会をしていた。何週間も都会を探す旅をしたフリックは居酒屋に入るが、どの用心棒も強そうには見えない。その時にサーカス団員は不良たちに絡まれていた。そこで団員たちはサーカスでしていたロビン・フッドのお芝居を披露し、自分たちは「伝説の戦士」だと言い張る。それを聞いたフリックはお芝居とも知らずに感動し、彼らを用心棒として雇うことにした。他の団員たちも芸人のスカウトマンだと勘違いし、彼と共にアント・アイランドへ戻ることにした。
意気揚々とアント・アイランドに着いた一行だったが、次第に団員らは国民たちの歓待の劇から「バッタと戦う戦士」として称えられ、歓迎されていることを知る。団員たちはこっそりフリックに自分達は戦士ではなくサーカス団員であることを告げ、互いに正体を知ることになり、団員たちは逃げ出そうとする。バレたら、本当に追放されてしまう。そう思ったフリックは彼らを呼び止めようとするが、突然逃げ出した。実はそこには鳥の巣があった。ドットはフリックを助けようとするが、逆に追い詰められてしまう。そこで団員たちはドットを助け、鳥を追い払うことに成功する。団員たちは歓迎され、戦士として残ることを決めていた。そこで彼らはフリック発案のアイデアを戦士の発案と偽り、バッタ一味に太刀打ちできるように、本物そっくりの鳥の人形を作ることにした。それと同時に食料集めもほったらかしにしていた。
その頃、バッタ一味のアジトでは、ホッパーに不満を持つバッタたちが「アント・アイランドに雨が降ったら殺虫剤を吸ったみたいにお陀仏だ」と文句を言っていたが、身分が違うので意見することができない。彼らはモルトをホッパーの弟だから「副社長だろ?」とおだてる。すっかり乗せられたモルトは、兄であるホッパーに「ちょっとだけの食料のために、なぜ戻るんだ?」と言うも、逆に怒らせ、モルトは自分がおだてられたことを弁解する。それを聞いたホッパーは部下の不信を悟り、「当分の間アジトに残ろう」と彼らに告げ、自身の心変わりを装った。「ここには食料があるのに、わざわざ戻るとはバカげてる」と言いながらも、ホッパーは一匹のアリ(フリック)が抵抗したことを部下たちに語る。しかしモルトをおだてた部下は「ちんけな一匹」と耳を貸さなかった。そこでホッパーは彼らに穀物を一粒投げつけ「痛いか」と尋ねるが無論痛がるどころか笑い飛ばしていた。しかしついには穀物の瓶を開け、その部下たちを無数の穀物の下敷きにしてしまう。「あそこに居るアリたちは、俺たちより大勢いる。もし奴らがそれに気づいたら、もうこんな暮らしもできなくなる。食料のためじゃなく、誰がリーダーに相応しいかを教えるために戻るんだ!」と宣告した。それを聞いたバッタたちは早速、アント・アイランドへ出発した。一時はホッパーに楯突いたモルトも、兄の持論とその賢さを褒め称えるのだった。
一方、アント・アイランドでは宴が行われていた。そのどさくさに紛れ、フリックはサーカス団を逃がそうとするも、鳥の制作でアリたちと交流を深めた一行はもう少しここに残りたいという。更にアッタ姫はフリックが団員たちを見つけたことに感謝していた。その時、サーカスの団長フリーがやって来た。実はあの事故が大ヒットしたので、サーカスを再び開こうと団員たちを探していたのだ。それにより連れてきた虫達が戦士ではなく、ただのサーカス団員だということが周りにバレ、フリックは一同からの信頼を失い、サーカス団と共にアント・アイランドから追放されてしまった。
その後、アント・アイランドではアリたちが食料集めに奔走していた。しかし、数は足りず、そこへバッタ一味が現れ、「食料をすべて集めるまでは休むな!」とホッパーはアリたちを怒鳴り散らす。その間、ドットはブルーベリーズを集め作戦会議を開こうとするが、秘密基地の前をホッパーの部下が通りかかったため息を潜める。その際にホッパーの本当の狙いは"女王の命"だということを聞き、フリックを探そうとするが、サンパーに見つかり追いかけられる。逃げるのに必死になっているうちについには飛べるようになり、フリックを追いかけた。一行を見つけたドットは彼に戻るように言うが、フリックは自分の失敗が原因で皆に迷惑をかけたことを償い戻ろうとしなかった。しかし以前自分がドットを励ましたときと同じように、ドットが励ましてくれたことでフリックは気力を取り戻し、サーカス団員たちもフリーを監禁し、アント・アイランドへ戻っていった。
フリックとサーカス団員たちは、ブルーベリーズで協力しサーカスとマジックショーで女王を救い、フリックが作った偽物の鳥でバッタ一味を翻弄する。ところが、順調だった鳥の操作を誤り、フリーの監禁されていた箱にぶつかったことでフリーが外にでてしまい、偽物の鳥を本物の鳥だと勘違いして火を放ち燃やしてしまう。それを見てアリたちの作戦を知ったホッパーは激怒する。ホッパーはアッタ姫をブルーベリーズ諸共襲い掛かろうとしたが、フリックが「すべて僕が一人で考えたことだ」と言い放つ。ホッパーはサンパーにフリックを襲わせ痛めつけた。そして、フリックはホッパーが女王を抹殺しようとしたことを国民に暴露する。ホッパーはアリたちに「お前たちは何も考える必要などない。ただ俺たちのために食料を集めて入ればいいんだ」と言う。しかし、フリックは語る。「アリはバッタの奴隷じゃない。アリは優秀で働き者だ。だから、お前たちの分まで食料を集められたんだ。弱いのはどっちだ?我々にはお前たちは必要なんかない、お前たちがアリを必要としているんだ」と。他のアリたちもフリックの意見に同意し始めた。そして、フリックは「お前だってわかるはずだ、アリの方が強いんだ!」と挑発する。頭に来たホッパーはフリックを殴り飛ばし、女王の代わりにフリックを殺そうとしたがアッタ姫がフリックを庇って阻止する。ホッパーが振り向くとそこにはバッタ一味より大勢の団結したアリたちとサーカス団員がいた。そして、アッタ姫はホッパーに「正しい自然の法則は、アリが食料を集めそれを蓄える。無関係の者は出て行って」と告げるや否や、アリたちとバッタ一味の対決が始まった。ところが数の差で劣るバッタ一味の負けとなり、モルトを含むバッタたちはホッパーを置いて、サンパーですら逃げだしてしまった。置き去りにされたホッパーはアリたちに捕まり、大砲で飛ばされそうになる。しかしタイミング悪く雨季になり、大雨が降りだしてしまった。人間にとっては普通のしずくでも、虫にとっては大きな水爆弾のようなもの。それを利用したホッパーは大砲の勢いで、フリックを連れ去ってしまう。しかし、逃げる途中でホッパーはフリックを助けにきたサーカス団員たちにより触角を片方抜かれ、さらにアッタ姫はフリックを救出する。なんとか逃げ切れたフリックだが、再びホッパーに見つかり、「鳥は時間稼ぎに終わったんだ!あんな小細工は役に立たん、あの世で見てるんだな!」と彼に絞め殺されそうになったが、そこに鳥が現れた。ホッパーはこれも「またお前たちの作ったハリボテ鳥か?何度やっても同じだぞ!」と偽物だと勘違いするが、実はこれは本物の鳥だった。フリックはあえて鳥の住処にホッパーをおびき寄せ、今度は本物の鳥を利用して彼を騙したのである。気づくのが遅すぎたホッパーはタイミングを失い逃げられず、そのまま鳥に捕まり雛達の餌になり、自然の法則である食物連鎖に則った最期を迎えた。
そして、事件から次の春。フリックとサーカス団員たちの活躍でホッパーを倒し、アント・アイランドに平和が戻った。フリックの発明で収穫を行う中、サーカス団との別れが迫っていた。アリの一部やモルトはサーカス団員として雇われ、彼らの車に乗り込んだ。ついに出発の時、勝利と平和と誇りを取り戻すこと導いたフリックへの拍手とともに、アッタ姫は女王へ昇進し、ドットも姫の後継ぎとなっていた。
サーカス団は出発し、ハイムリックには蛹から出て蝶の羽が生えた。飛び始めたサーカス団を国民の歓声の中、フリックの収穫期を応用した礼砲が発射され、フリック・アッタ・ドットの見送る中サーカス団は飛んで行くのであった。
役名 | 原語版声優 | 日本語吹き替え |
---|---|---|
フリック | デイヴ・フォーリー | 宮本充 |
ホッパー | ケヴィン・スペイシー | 壌晴彦 |
アッタ姫 | ジュリア・ルイス=ドレイファス | 土井美加 |
ドット姫 | ヘイデン・パネッティーア | 須藤祐実 |
女王アリ | フィリス・ディラー | 磯辺万沙子 |
モルト | リチャード・カインド | 岡田吉弘 |
P.T.フリー | ジョン・ラッツェンバーガー | |
スリム | デヴィッド・ハイド・ピアース | 伊藤和晃 |
ハイムリック | ジョー・ランフト | 島香裕 |
フランシス | デニス・リアリー | 田中正彦 |
マニー | ジョナサン・ハリス | 小山武宏 |
ジプシー | マデリーン・カーン | 相沢恵子 |
ロージー | ボニー・ハント | 林佳代子 |
タック&ロール | マイケル・マクシェイン | 水野龍司 |
ディム | ブラッド・ギャレット | 郷里大輔 |
Mr.ソイル | ロディ・マクドウォール | 仲野裕 |
フローラ先生 | エディ・マックラーグ | 佐藤しのぶ |
ソーニー | アレックス・ロッコ | 星野亘 |
コーネリアス | デヴィッド・オスマン | 石波義人 |
鳥 | フランク・ウェルカー | 原語版流用 |
サンパー | フィル・プロクター | 北川勝博 |
日本語版制作 | ||
翻訳 | 松澤薫 | |
演出 | 向山宏志 | |
録音制作 | グロービジョン・スタジオ | |
制作監修 | 岡本企美子 | |
制作 | DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL,INC. |
『トイ・ストーリー』シリーズの唐沢寿明や所ジョージ、日下由美等、『モンスターズ・インク』の石塚英彦や田中裕二等、『カーズ』の山口智充やパンツェッタ・ジローラモ、福澤朗等、ピクサー作品の日本語版では声優ではない俳優やタレントが起用される事が多いが、今作では逆で、いわゆる本業声優が吹き替えを担当してあり、声優を本業としない者はマイケル・マクシェイン(原語版流用)のみに留まった。ちなみに、タックとロールにて採用された「原語版流用+日本語」の制度は、『モンスターズ・インク』のブー、『WALL・E/ウォーリー』のウォーリーやイブ、モー等の多くのキャラクター、『トイ・ストーリー3』のビッグベビーでも適用されている。ほかにも、本作のドットやホッパーにも原語版が混ざっている部分がある。また、今作からは、その他の声の出演者のクレジット表記制度と、日本語版製作者「DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL,INC.」の文字表記が始まった。なお、フリック役の宮本とホッパー役の壌はそれぞれ『ライオン・キング』の日本語吹き替えでシンバとスカーを担当しており、今作でもシンバVSスカーの対決が見られた。
コナミから1999年10月28日にPlayStation用の3Dアクションゲームが発売された。Traveller's Talesが開発。日本国外ではNINTENDO64版やPC版やゲームボーイカラー版もある。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.