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ディスクドライブ仮想化ソフトウェア(ディスクドライブかそうかソフトウェア)とは、記録媒体の内容をイメージファイルと呼ばれるファイルに保存しておき、それを開くとソフトウェア的に記録媒体がマウントされている状態をエミュレートして、あたかもその記録媒体をドライブに挿入してアクセスしているかのように制御するソフトウェアのことである。特に、フロッピーディスクの場合はRAMディスクを兼ねているものも存在する。
光学メディアからデータを別の媒体にコピーする際、エクスプローラなどからファイル単位で行った場合には、光学メディアのどのセクタにどのデータがあるのか・盤面の物理的情報・ボリュームラベルなどの情報が欠落してしまう。一方で、ライティングソフトウェアに搭載されているイメージファイル保存機能を用いれば、光学メディアの情報構造や物理的情報など、特有の情報を保持した状態で保存できる。
しかしこのイメージファイルは通常、抽出したライティングソフトウェアによる書き込みにしか利用できない。このイメージファイルを光ディスク仮想化ソフトウェアは展開し、ソフトウェア的に通常の光学ドライブと変わらないアクセスを提供する。それにより、次のような事が可能である。
このように物理メディアをソフトウェア化することで柔軟な管理、整頓を行うことができる利点がある一方で、ファイル共有ソフトウェアなどで不正に入手したイメージファイルを運用するためのソフトウェアとして著作権侵害の温床となっているという批判もある。
なお、日本では、2012年6月20日に、DVDなどに用いられる「CSS」などの暗号型技術を、著作権法上の対象となる「技術的保護手段」に追加するDVDのリッピングの違法化を盛り込んだ著作権改正法案が可決されている。これに伴い、CSS等の保護技術を回避してのDVDのリッピングは私的複製の対象外となり違法行為となる。CSSを回避するプログラム・装置を提供することについても規制され、刑罰の対象となる。よって、CSS等の保護技術が使われているDVDを仮想化のために複製するツールや複製する行為は、すべて違法となる。ちなみに、CSS等の保護技術が使われていないDVDのリッピングについては、改正後も従来と変わりはない。
なお、複数のアプリケーションソフトウェアを導入し同時に実行した場合、ソフトウェアの競合によって正常な動作が妨げられる場合がある。また、一部のゲーム等には、ディスクドライブ仮想化ソフトウェアがインストールされているコンピュータでは起動できないように制限されているものがある。
ディスクイメージ、イメージファイルとは、ファイルシステムの完全な内容と構造を1つのファイルに格納したデータのこと。
通常のバックアップではブート情報やOSによりロックされた部分・機械工学的/物理的な情報はバックアップすることができないが、ディスクイメージをバックアップするとそれら全てを含んだ完全なバックアップを作成できる。
また、この点を利用して、フロッピーディスクを常時マウントする必要のある各種OSのエミュレータを使用するにあたって、フロッピーディスクを使わずに済むようにディスクイメージを作成しておくことで、快適にエミュレータを使用できるようにしている。
ddなどの標準的なコマンドを使ってメディアからディスクイメージを作成したり、逆にバックアップしたディスクイメージからハードディスクを復元したりすることができる。
2.4系列以降のLinuxカーネルにはISOイメージをマウントする機能が備わっているため、ディスクドライブ仮想化ソフトウェアを用いなくてもファイルアクセスが可能である。
OSに標準装備されているDisk Copy(Mac OS 9, Mac OS X v10.0 - v10.2)やディスクユーティリティ(Mac OS X v10.3以降)を利用して記憶媒体のディスクイメージ(拡張子 : .img, .dmg)を作成したりマウントすることが出来る。マウントはダブルクリックで行える。
ほかの用途としては、bzip2などでの圧縮や暗号化機能を備えるため、ソフトウェアの配布でいわゆるアーカイバのように使用したり、CD、DVDを作成する前に書き込みたいデータをディスクイメージに格納しておき、ディスクユーティリティでディスクイメージからディスクを作成するという使い方をされる。 ディスクイメージは多数のファイルシステムの構造に対応しており、HFS+以外のファイルシステムのディスクを作成することも可能であるほか、HFS+のままディスクに書き込むことも可能である。
かつてはDisk Copyの機能に不満を持ち、独自にディスクイメージ作成ソフトウェアが開発された事があった。しかし、Disk Copyが十分実用的になるとともに消滅した。代表的なものとしてShrinkWrapが挙げられる。現在もDisk Copyの隠された機能を利用できるようにするツールや、より高速にマウントするためのツールは存在する。独自のファイルフォーマットを使用するものがなくなったということである。Disk Copyの隠された機能とは、Internet-Enabled Disk Image(インターネット対応イメージ;ダウンロードしたイメージをマウントすると中身だけ抽出し、イメージファイルは自動的にゴミ箱に捨てられる)やチェックサムの検証を行わないようにするといったものである(後にチェックサムの検証は簡単に設定できるようになった)。
また、Classic Mac OSではDisk Copyをインストールしていないユーザのために、マウントプログラムを組み込んだ自己マウントイメージ(Self mount image、拡張子.smi)もあったが、Disk Copyがシステムに統合されるとともになくなった。
各種のライティングソフトウェアを用いて、「イメージファイルの保存」「ディスクイメージの抽出」などといったコマンドを選択することに行うことができる。
一般的に利用されている仮想ディスクイメージには次のような形式がある。
ディスクイメージのブート情報やOSによりロックされた部分・機械工学的/物理的な情報を全てを含んだ完全なバックアップを作成できる性質を利用したもの。
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