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発酵飲料の一種 ウィキペディアから
紅茶キノコ(こうちゃキノコ、露: Чайный гриб)は東モンゴル原産で、後にシベリアでよく飲まれるようになった発酵飲料[1]。紅茶に砂糖を加えて溶かし、微生物群を合わせて発酵を待つ。
昭和50年に発行された『紅茶キノコ健康法』[注 1]によって日本では健康食品として流行。家庭で培養可能であることから口コミ的にも急激に株分けされて広まったが、管理方法などは知られておらず、流行は一年であっけなく終焉を迎えた。
欧米やオーストラリアではコンブチャ(英語: Kombucha)と呼び、健康飲料として売られている[2][3][4]。マンゴー味、ストロベリー味、ローズヒップ味といった、欧米向けに加工されているものもある。日本でもSNSなどを通じて関心を集め、「逆輸入」の形で2014年から2016年頃にかけて販売が拡大した[5] 。「コンブチャ」の名称は、その後も日本国内で製造されている紅茶キノコ飲料にも使われている[6]。
紅茶キノコは「コンブチャ」とも呼ばれる。これは日本語の「昆布茶」と似た名前だが、紅茶キノコと昆布茶は全く別のものである[7]。The American Heritage Dictionary of the English Languageは、英語話者がゼラチン状の培地を海草(昆布)と誤解し、「昆布茶」と混同したものと推測している[8]。英語ではKombucha[9]。
日本では1975年初頭からブームとなったが、漢方薬的効果を期待して飲んだ人の間で様々な生理的異常が生じたとされ、安全性が心配され、有効性に疑念が持たれた[10]。1977年に東京都立衛生研究所の研究者らが都内の愛飲家から分けてもらった紅茶キノコについての調査では、紅茶キノコを構成する微生物に病原性は認められなかった[10]。
共生細菌を多く含んだ発酵飲料として位置付けられる[7]。適正に培養できない場合に糖度や酸性度が高くなりすぎることがあり、飲んだ人が死亡に到る危険性もありうるとして一部の専門家は注意を呼びかけている[11]。
実際は、産膜性酢酸菌が形成したセルロースゲル(不溶性食物繊維)であり、真のキノコのような真菌の子実体ではない。酵母の Zygosaccharomyces sp. と酢酸菌の Acetobacter xylinum が主菌相であったことが報告されている[12]。製品評価技術基盤機構は紅茶キノコから分離した細菌 Komagataeibacter hansenii のセルロース膜産生性能がどの程度かを調べ他の Gluconacetobacter 属細菌と比較した[13]。
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