過剰摂取
薬物を過剰に摂取する自傷行為 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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過剰摂取(かじょうせっしゅ、英語: overdose、略称:OD)とは、身体あるいは精神にとって急性の有害な作用が生じるほどの量の薬物を使用することである[1]。それによって一時的、あるいは永続的な影響があり、最悪の場合死亡することがある[1]。過量服薬ともいう。英語の発音はオウヴァドウスに近い[2]が、日本のメディアでは百姓読みでオーバードーズと読まれることが多い。英語の超過を意味する over と服用量の dose との複合語である。
意図的な過剰摂取は、自殺企図を意味することがある[1]。数では違法な薬物よりも、合法的な薬物における方が多い[1]。
近年、医師から処方された向精神薬を過量服薬する例が相次いでいる。アメリカ合衆国での調査では、薬物による死亡は意図的でない死亡が多く、処方箋医薬品によるものが過半数である[3]。日本で精神科の患者に対する多剤大量処方が問題となり[4]、2012年の閣議決定で薬剤師の活用が提起されたが[5]、2014年度からは一定数を超えた処方箋の診療報酬が減額することとなった。日本で、2010年に原因不明の死亡を司法解剖した約3,000人から、医薬品(841人、28%)やアルコール(22%)の検出が多く、医薬品の内訳は睡眠薬(306人、10%)、精神神経用薬(10%)である[6]。一般用医薬品では、ドラッグストアで販売されている解熱鎮痛剤などが使われる。
英米では、医薬品の過剰摂取による死亡は、国際的な懸念となっている[7][8]。アメリカでは、11年連続で過剰摂取による死亡が上昇し、2010年にはアルコール以外に38,329人の薬物過剰摂取による死亡があり、死亡の原因となっている薬物は一般医薬品や違法薬物ではなく、処方箋医薬品が原因となっているものが半数を超えている[3]。そのうち、鎮痛剤に使われるオピオイド系薬物の関与が16,651人で最多、鎮静催眠剤であるベンゾジアゼピン系薬物が6,497人で第2位、3位に抗うつ薬が3,889人と続く[3]。アメリカ合衆国で、特に死亡者の多いオピオイド系鎮痛薬による死亡者数は[3]、医療大麻が合法化された州では減少している[9]。