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オゾン酸化(オゾンさんか:オゾン分解(オゾンぶんかい、ozonolysis)あるいは発見者の名前を含めてハリースオゾン分解 (Harries ozonolysis) とも)はオゾンによって有機化合物の炭素-炭素二重結合を酸化切断する酸化反応のことである[1][2][3][4]。
1905年にカール・ハリース (Carl Dietrich Harries) によって報告された反応で、炭素-炭素二重結合を酸化切断して2つのカルボニル基へと変換する反応である。
反応は基質をジクロロメタン、メタノール、酢酸などの有機溶媒に溶解して −78 ℃ に冷却し、酸素ガス中の無声放電で発生させたオゾンガスを溶液がオゾンガスで飽和するまで吹き込むことで行う。飽和すると溶液がオゾンによって青く着色する。この段階では後述する反応機構の通りオゾニドが生成しているので、これを後処理で分解して目的物を得る。
反応の機構は1953年にルドルフ・クリーゲー (Rudolf Criegee) によって提唱された以下の機構が一般的に受け入れられている[5][6]。
オゾニドやヒドロキシヒドロペルオキシドをどのように処理するかによって異なる目的物が得られる。
通常は酢酸溶媒中亜鉛で還元したり、ジメチルスルフィドで還元することでカルボニル化合物へ誘導する。メタノール中で還元処理を行うと一方のカルボニル化合物はジメチルアセタール化されて得られる。
酸や熱によって分解すると、二重結合上の炭素に水素が結合していた場合にはカルボン酸に酸化されて得られる。両方の炭素に水素が結合していた場合にはどちらか一方がアルデヒド、もう一方がカルボン酸で得られる。水素化ホウ素ナトリウムや水素化アルミニウムリチウムを還元剤として使用すると得られたカルボニル化合物からさらに還元が進み、アルコールが得られる。
オゾニドやヒドロペルオキシドは爆発性を持つため、残存した状態で溶媒を留去して濃縮することは非常に危険である。充分に還元反応を行って完全にオゾニドやヒドロペルオキシドを消費しておく必要がある。爆発の危険を避けるために、オゾン酸化の代わりに四酸化オスミウムによる二重結合の 1,2-ジヒドロキシ化に続く過ヨウ素酸ナトリウムによるグリコール開裂によってカルボニル化合物を得る方法が用いられることがある。しかし、試薬が高価であることや四酸化オスミウムが猛毒性であるなどの別の問題点があり一長一短である。
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