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千葉県の「佐倉市」とは異なります。 |
さくら市(さくらし)は、栃木県の中部に位置する市。2005年3月28日に塩谷郡氏家町・喜連川町が新設合併して誕生した。宇都宮市への通勤率は19.8%(平成22年国勢調査)。
東京より北へ約115km、県都宇都宮より北へ約15km、JR宇都宮線利用により、東京より電車で2時間(東北新幹線併用で約75分)、宇都宮より約15分の距離にある。利根川水系鬼怒川の東に広がる平地、水田地帯である旧氏家町、及び東側の丘陵地帯を挟んで那珂川水系荒川、内川、江川沿いの丘陵の間に平地が開けた旧喜連川町により構成される。
人口
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さくら市と全国の年齢別人口分布(2005年)
| さくら市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― さくら市 ■緑色 ― 日本全国
| ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 |
さくら市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
| 32,495人
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1975年(昭和50年)
| 33,323人
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1980年(昭和55年)
| 34,820人
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1985年(昭和60年)
| 35,867人
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1990年(平成2年)
| 36,543人
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1995年(平成7年)
| 38,289人
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2000年(平成12年)
| 40,030人
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2005年(平成17年)
| 41,383人
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2010年(平成22年)
| 44,768人
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2015年(平成27年)
| 44,901人
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2020年(令和2年)
| 44,513人
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総務省統計局 国勢調査より |
氏家は氏家宿や東北本線の氏家駅に代表されるように、交通の要衝として発展した。
喜連川は喜連川城の城下町として発展した。
平成の大合併
行財政基盤の強化が求められ、市町村合併が推し進められる中、初めは氏家町・喜連川町に加えて高根沢町・矢板市・塩谷町を含めた1市4町での合併が検討されていた[1]。しかし、高根沢町が宇都宮市への編入を志向して離脱したことをきっかけに、氏家町と喜連川町の2町での合併協議に移行した[1]。
新市の名称は公募の上、協議会などでの投票で選定された[2]。公募においては予め、吸収合併を想起させて反対される可能性のある従来の自治体名「氏家」「喜連川」を採用しないこととされた[3]。投票の結果、「さくら市」が選定され、両町とも桜の名所を有することが理由の1つとされた[2]。しかし、両町の名称は歴史が長いのに対して由緒が無く固有性もないこと、ひらがな地名であることなどから少なくない批判が生じた[1][2]。このような結果になった理由として合併協議会委員の1人は、地理的・歴史的に両町に共通するような名称が無かったことを挙げている[2]。
2004年7月に合併協定書への調印が行われ、2005年3月に合併した。調印式では日本さくらの会からサクラの花の苗木200本が贈呈された[4]。また、新市名を観光振興に繋げようと、新たに荒川の堤防に桜を植栽するなど合併前から「さくら」に関する取り組みが行われた[1][2]。
年表
- 2004年(平成16年)7月25日 - 氏家町公民館にて合併協定書に調印[4]。
- 2005年(平成17年)3月28日 - さくら市が誕生。
- 2011年(平成23年)3月11日 - 東日本大震災によりお丸山(喜連川城址)や鹿子畑など旧喜連川町域側の中心とした一部で法面崩落・地表陥没などが発生。お丸山(丘陵地)は頂上のお丸山公園付近で車両立入禁止となり、麓の一部地域は避難命令発令となる(2013年3月に全面解除)。鹿子畑の浄水場が壊滅状態となり4月下旬まで断水となる[5]。
- 2011年(平成23年)9月22日 - 前日の平成23年台風第15号による大雨により、お丸山の一部が土砂崩れを起こし、麓にある「もとゆ(旧喜連川町第一温泉浴場)」を直撃。長期休館が決定される[6]。
- 2018年(平成30年)5月31日 - 市の新しいロゴマークを発表。組子細工風のデザインである[7]。
- 2020年(令和2年)3月26日 - お丸山公園の旧・喜連川城温泉センターの駐車場等が9年ぶりに全面開放された。但し、温泉センター自体や、スカイタワーは入場できない。
もともと郊外の地域で稲作などの農業や林業などの第一次産業が盛んであった。市の中心市街地である氏家町周辺の商業地区は国道4号および東北本線が南北を貫き、高校や病院・各行政機関が集積している。従来の矢板市に代わり塩谷郡地域の実質的な中心都市となっている。高根沢町と共に宇都宮市方面のベッドタウンとしても機能している。また、1990年代から国道4号沿い、2005年(平成17年)以降から国道293号沿いにロードサイド店舗の出店が順次行われ、国道293号繋がりで東隣の那珂川町とも一定の結びつきがある。
旧喜連川町は1980年代の喜連川温泉の掘削とバブル景気到来により、観光地化が進み、別荘地分譲・ゴルフ場開発などの大規模開発が行われた。大規模開発により喜連川地域には不動産系産業が盛んである。北部の県道74号線沿いに「喜連川工業団地」が造成され、軽工業を中心とした工場や各種研究所を中心に工業も一定の産業がある。
また、矯正施設として喜連川少年院と東日本地域初のPFI運営委託刑務所である喜連川社会復帰促進センターが置かれている。
工業
事業所を置く主な企業
以上、本田技研工業自体及び関係性が高い企業
主な事業所
- 喜連川工業団地
- 中山金属化工株式会社
- クォリティエンタープライズ株式会社
商業
- ショッピングセンター
- スーパーマーケット
- ホームセンター
- ダイユーエイト さくら氏家店(馬場)
- ホームセンターカンセキ 氏家店(桜野)
- コメリハード&グリーン 喜連川店(喜連川)
歴代市長
さらに見る 代, 氏名 ...
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
1 | 秋元喜平 | 2005年(平成17年)4月24日 | 2009年(平成21年)4月23日 | 合併前の氏家町長 |
2 | 人見健次 | 2009年(平成21年)4月24日 | 2017年(平成29年)4月23日 | 元氏家町長 |
3 | 花塚隆志 | 2017年(平成29年)4月24日 | 現職 | |
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※ 2005年3月28日の新市発足から市長選挙までの間、旧喜連川町長の滝政夫が市長職務執行者を務めた。
衆議院
- 任期 : 2021年(令和3年)10月31日 - 2025年(令和7年)10月30日(「第49回衆議院議員総選挙」参照)
町名一覧
氏家地域
- 氏家(うじいえ)
- 氏家新田(うじいえしんでん)
- 卯の里(うのさと)1-5丁目
- 上野(うわの)
- 大中(おおなか)
- 押上(おしあげ)
- 柿木沢(かきのきざわ)
- 鍛冶ケ沢(かじがさわ)
- 蒲須坂(かますさか)
- 上阿久津(かみあくつ)
- 北草川(きたくさがわ)1-2丁目
- 草川(くさがわ)
- 櫻野(さくらの)
- 富野岡(とみのおか)
- 長久保(ながくぼ)
- 箱森新田(はこのもりしんでん)
- 狹間田(はさまだ)
- 馬場(ばば)
- 松島(まつしま)
- 松山(まつやま)
- 松山新田(まつやましんでん)
- 向河原(むこうがわら)
喜連川地域
- 小入(おいれ)
- 葛城(かつらぎ)
- 金枝(かなえだ)
- 鹿子畑(かのこはた)
- 上河戸(かみこうど)
- 喜連川(きつれがわ)
- 桜ケ丘(さくらがおか)1-3丁目
- 下河戸(しもこうど)
- 早乙女(そうとめ)
- フィオーレ喜連川(フィオーレきつれがわ)1-5丁目
- 穂積(ほづみ)
- 南和田(みなみわだ)
- 鷲宿(わしじゅく)
教育
小学校
- さくら市立氏家小学校
- さくら市立押上小学校
- さくら市立上松山小学校
- さくら市立南小学校
- さくら市立熟田小学校
- さくら市立喜連川小学校
かつて存在した学校
- さくら市立金鹿小学校(2010年3月閉校)
- さくら市立河戸小学校(2010年3月閉校)
- さくら市立穂積小学校(2010年3月閉校)
- さくら市立鷲宿小学校(2010年3月閉校)
郵便
郵便番号は以下が該当する。2集配局が集配を担当する。
- 氏家郵便局:「329-13xx」
- 喜連川郵便局:「329-14xx」
郵便局
- 喜連川郵便局(07010)
- 氏家郵便局(07031)
- 上江川郵便局(07172)
- 蒲須坂郵便局(07192)
- 氏家馬場郵便局(07259)
- 狭間田簡易郵便局(07710)
- 上阿久津簡易郵便局(07718)
- 草川簡易郵便局(07729)
- 喜連川鷲宿簡易郵便局(07732)
電話番号
市内地域が宇都宮MAの管轄となる。市外局番は「028」。収容局は以下の3ビルが該当し、市内局番は以下の通り。
- 氏家別局:681、682
- 喜連川局:685(2000番台)、686
- 喜連川東局:685(1000・3000番台)
スポーツ
屋外
- 総合公園さくらスタジアム
- SAKURAグリーンフィールド
- 鬼怒川運動公園
ゴルフ
- 大日向カントリー倶楽部
- 喜連川カントリー倶楽部
- セブンハンドレッドクラブ
- 勝山城址、勝山パークブリッジ
- さくら市ミュージアム(荒井寛方記念館)
- eプラザ参番館
- 笹屋別邸 - 大正末期から昭和初期にかけて建築された、地元呉服店の別邸。
- 「杢魄舎(もくはくしゃ)・うじいえ」 - 開運!なんでも鑑定団の鑑定士で、古民具収集家・安岡路洋の民具骨董展示館。2009年6月に閉館。
- 松島温泉 - 氏家
- 喜連川温泉
- かんぽの宿 栃木喜連川温泉
- 喜連川温泉 さくら館 - 旧:国民年金保養センターきつれがわ
- 早乙女温泉
- 道の駅きつれがわ
- お丸山公園(喜連川城址)、シャトルエレベータ、喜連川スカイタワー
- 龍光寺(足利家歴代墓所)
- 氏家商工まつり(7月下旬)氏家地内
- 氏家天王祭(7月中旬~下旬)氏家地内
- 喜連川天王祭(7月下旬)喜連川地内
楽曲
| この節には内容がありません。 (2020年9月) |
出典
「さくら市――“次の大合併”に備え 道州制視野 体力を蓄積(新市誕生)」『日本経済新聞 地方経済面 栃木』2005年2月2日、42面。
「[自治新時代]第2部 合併への道(2)新市名」『読売新聞 東京本社 栃木版』2004年6月5日、26面。
「「さくら市」来年3月誕生 氏家町と喜連川町、合併協定書に調印」『読売新聞 東京本社 栃木版』2004年7月26日、32面。
「さくら市 「組子風」新ロゴ 桜の花びら 印鑑のよう」『読売新聞 東京本社 栃木版』2018年6月1日、27面。
片庭壬子夫『喜連川郷土史 後編』喜連川町公民館、1956年10月25日、128頁。
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