ござる

日本語

語源

動詞「ござある」の連体形「ござある」の転。

発音

• (東京式) ござ​る [gòzáꜜrù] (中高型 – [2])
• IPA^(?): [ɡo̞za̠ɾɯ̟ᵝ]

動詞

ござる【厶る、御座る】

1. 動詞「ある」を意味する丁寧語。ございます。
   • ちと尋ねたいことがござる。（岡本綺堂『小坂部姫』）
   • 何も申すことはござらぬ。（林不忘『元禄十三年』）
2. 動詞「いる」を意味する尊敬語。いらっしゃる。
   • そこにござるのは、どなたぞな。（折口信夫『死者の書』）
3. 動詞「行く」「来る」を意味する尊敬語。いらっしゃる。
   • 若い巡査は或る朝サアベルをガチャガチャいわせてそのお邸（やしき）の門を潜った。「ソラ御座った。イヨイヨお嬢さんが調べられさっしゃる」と家中（うちじゅう）のものが鳴りを静めた。（夢野久作『いなか、の、じけん』）
4. 補助動詞「いる」を意味する尊敬語。～ていらっしゃる。～ておいでになる。
   • この文書に、殿は惑わされてござるにちがいない（吉川英治『鬼』）
5. 補助動詞「ある」を意味する丁寧語。～でございます。
   • 高貴のお方で厶るぞ。控えさっしゃい！（佐々木味津三『老中の眼鏡』）
   • びしよ／＼降ると寒うござるで、老寄には何より恐しうござるわいの。（泉鏡花『二世の契』）
   • おはようございます。ありがとうございます。おめでとうございます。

活用

ござ-る 動詞活用表（日本語の活用）

ラ行五段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
ござ	ら ろ	り い っ	る	る	れ	れ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	ござらない	未然形 + ない
意志・勧誘	ござろう	未然形音便 + う
丁寧	ござります ございます	連用形 + ます
過去・完了・状態	ござった	連用形音便 + た
言い切り	ござる	終止形のみ
名詞化	ござること	連体形 + こと
仮定条件	ござれば	仮定形 + ば
命令	ござれ	命令形のみ

活用と結合例

現代語では助動詞ますがついてイ音便化した「ございます」の形でのみ用いる。

関連語

• おじゃる