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小椋 藍(おぐら あい、2001年1月26日 - )は、東京都清瀬市生まれ、埼玉県出身のオートバイレーサーである。
レース経験のある父親の影響で2歳上の姉華恋(後述)がレースを始め、弟の藍も3歳の頃からポケバイに乗り始めた。ミニバイクを経て2014年にロードレースデビューし、つくばやもてぎの地方選手権に参戦した。
2015年、アジア人ライダー育成シリーズ、アジア・タレント・カップに参戦し、1勝と2位2回でランキング7位。2016年は3勝を挙げランキング2位(1位はソムキアット・チャントラ)。同年はレッドブルMotoGPルーキーズカップにも参戦し、ランキング11位。
2017年、MotoGPへの登竜門であるCEVレプソル Moto3ジュニア世界選手権にアジア・タレント・チームより参戦。第5戦エストリルで3位表彰台、第6戦ヘレス(レース2)で初優勝し、ランキング8位[1]。ルーキーズカップでは2勝を挙げランキング5位。
2018年、Moto3ジュニア世界選手権では最終戦バレンシア(レース1)で優勝、2位1回・3位2回でランキング5位[2]。
2018年5月、ロードレース世界選手権(MotoGP)第4戦スペインGPのMoto3クラスにワイルドカード(地元推薦枠)で出場。グランプリデビュー戦を15位で完走し、初ポイントを獲得した[3]。同年はオランダGP、ドイツGP、オーストリアGPにもスポット参戦し、ランキング36位。
2019年はホンダ・チーム・アジアよりMoto3クラスにレギュラー参戦[4]。第5戦フランスGPで左手を骨折し次戦を欠場したが、第14戦アラゴンで2位初表彰台を獲得。シリーズ19戦中14戦でポイントを獲得し、ルーキーシーズンでランキング10位となった。
2020年もホンダ・チーム・アジアよりMoto3クラスに参戦。新型コロナウイルス感染症の世界的流行により短縮されたシーズンで、フル参戦2年目にしてチャンピオン争いを演じる。優勝はなかったものの、2位2回・3位5回など15戦中14戦でポイントを獲得。アルベルト・アレナスから8ポイント差の2位につけて最終戦ポルトガルGPを迎えたが逆転はならず、4ポイント差のランキング3位でシーズンを終えた[5]。
2021年はMoto3からMoto2クラスへ昇格し、イデミツ・ホンダ・チーム・アジアよりレギュラー参戦した[6]。前半戦は3度のリタイアを喫するも、第11戦オーストリアGPで2位初表彰台を獲得。第17戦アルガルベGPで左足を負傷し最終戦を欠場したが、18戦中12戦でポイントを獲得(すべてシングルフィニッシュ)し、ランキング8位となった[7]。チーム監督の青山博一はできる限り多く周回してレースを走る中で学んでほしい、という1年目の目標をほぼ達成できたと評価し、レベルアップへの課題としてバイクの止め方やタイヤの使い方を挙げた[8]。
2022年もイデミツ・ホンダ・チーム・アジアより参戦。第3戦・第4戦の連続表彰台を経て、第7戦スペインGPではポール・トゥ・ウィン(全周回トップ)でグランプリ参戦60戦目で初優勝を果たした[9] (日本人ライダーとしては2020年カタールGPMoto2クラスの長島哲太以来の優勝[10])。第13戦オーストリアGPは2度目のポール・トゥ・ウィンをチームメイトのチャントラとのワンツーフィニッシュで達成[11]。3年ぶりに開催された第16戦日本GPでは予選13位からトップに浮上し、自信初の母国優勝を果たした(日本人ライダーの母国優勝は2006年の青山博一(250ccクラス)以来16年ぶり[12])。チャンピオン争いは小椋とアウグスト・フェルナンデスの一騎打ちとなり、小椋の3.5ポイントリードで迎えた第19戦マレーシアGP、小椋はフェルナンデスより先行しながら最終ラップにトップを狙って転倒[13]。逆に9.5ポイントのビハインドを負い、再逆転をかけた最終戦バレンシアGPも転倒リタイア。20戦中ポールポジション3回、表彰台7回(優勝3回)という好成績を収めながら、Moto2チャンピオンを逃した[14]。
2023年はMoto2クラスで3年目のシーズンとなる。前年ランキング2位の実績からチャンピオン獲得を期待されたが、シーズン前のモトクロストレーニング中に負った左手脱臼骨折の回復が遅れて開幕2戦を欠場[15]。復帰後はポールポジションも優勝もなく、タイトル争いに絡めず、ランキング9位に終わった。
2024年は育成年代から所属してきたホンダ系チームを離れ、Moto2クラスに新規参戦するMTヘルメット-MSIチームへ移籍した[16](ホンダとのスポンサー契約は継続)。フレームはカレックスからボスコスクーロ、ワンメイクタイヤはダンロップからピレリへとレース環境が大きく変わった。第6戦カタルーニャGPで2022年日本GP以来1年8ヵ月ぶりに優勝[17]。第8戦オランダGPで2勝目、第10戦イギリスでポールポジションと完全復調した。
2025年は最高峰MotoGPクラスへ昇格し、アプリリアのサテライトチーム、トラックハウス・レーシングに所属する[18]。MotoGPクラスにレギュラー参戦する日本人ライダーとしては13人目、アプリリア機に乗るのは原田哲也(1999・2000年)と芳賀紀行(2003年)以来となる[19]。
シーズン | クラス | バイク | チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018年 | Moto3 | ホンダ | アジア タレント チーム | QAT |
ARG |
AME |
SPA 15 |
FRA |
ITA |
CAT |
NED 23 |
GER Ret |
CZE |
AUT 20 |
GBR |
RSM |
ARA |
THA |
JPN |
AUS |
MAL |
VAL |
36位 | 1 | ||
2019年 | Moto3 | ホンダ | ホンダ チーム アジア | QAT 11 |
ARG 17 |
AME 11 |
SPA 9 |
FRA Ret |
ITA INJ |
CAT 6 |
NED 6 |
GER 7 |
CZE 6 |
AUT 12 |
GBR 10 |
RSM Ret |
ARA 2 |
THA Ret |
JPN 14 |
AUS 14 |
MAL 4 |
VAL 10 |
10位 | 109 | ||
2020年 | Moto3 | ホンダ | ホンダ チーム アジア | QAT 3 |
SPA 2 |
ANC Ret |
CZE 3 |
AUT 4 |
STY 3 |
RSM 2 |
EMI 3 |
CAT 11 |
FRA 9 |
ARA 14 |
TER 9 |
EUR 3 |
VAL 8 |
POR 8 |
3位 | 170 | ||||||
2021年 | Moto2 | カレックス | 出光 ホンダ チーム アジア | QAT 17 |
DOH 5 |
POR Ret |
SPA 7 |
FRA 7 |
ITA 6 |
CAT Ret |
GER Ret |
NED 6 |
STY 5 |
AUT 2 |
GBR 9 |
ARA 8 |
RSM 7 |
AME 7 |
EMI 9 |
ALG Ret |
VAL INJ |
8位 | 120 | |||
2022年 | Moto2 | カレックス | 出光 ホンダ チーム アジア | QAT 6 |
IDN 6 |
ARG 3 |
AME 2 |
POR NC |
SPA 1 |
FRA 5 |
ITA 3 |
CAT 7 |
GER 8 |
NED 2 |
GBR 4 |
AUT 1 |
RSM 5 |
ARA 4 |
JPN 1 |
THA 6 |
AUS 11 |
MAL Ret |
VAL Ret |
2位 | 242 | |
2023年 | Moto2 | カレックス | 出光 ホンダ チーム アジア | POR |
ARG DNS |
AME 15 |
SPA Ret |
FRA 9 |
ITA 15 |
GER 14 |
NED 2 |
GBR 8 |
AUT 3 |
CAT 7 |
RSM 5 |
IND 21 |
JAP 2 |
INE 17 |
AUS 15 |
THA 5 |
MAL 4 |
QAT 4 |
VAL 11 |
9位 | 137.5 | |
2024年 | Moto2 | ボスコスクーロ | MT Helmets MSI | QAT 4 |
POR 5 |
AME 9 |
SPA 6 |
FRA 2 |
CAT 1 |
ITA 5 |
NED 1 |
GER 3 |
GBR 14 |
AUT DNS |
ARA 8 |
RSM 1 |
EMI 4 |
INE |
JPN |
AUS |
THA |
MAL |
VAL |
1位 | 188 |
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