パフォーマンスステータス(英: Performance Status; PS)とは、全身状態の医学的指標であり、各種指標が開発されている。
精神医学では、精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-IV)までは機能の全体的評定尺度(GAF)が用いられていたが、DSM-5からはWHODASに置き換わった[1]。
各種指標
WHODAS
世界保健機関による健康および障害の評価(WHODAS)では、自己評価によって以下の多軸評価がなされる[2]。
- 認知(Cognition)-理解とコミュニケーション
- 可動性(Mobility)-動き、移動して回ること
- セルフケア (Self-care)-自身の衛生をケアし、着衣し、摂食し、自立すること
- 人との交わり(Getting along)-他の人々と関わること
- 生活(Life activities) ― 家庭の責務を担い、レジャー、職場や学校の場を持つ
- 参加(participation)― コミュニティ活動に加わり、社会へ参加する
以下の質問に対して重症度を1(なし)~5(極度または不能)の尺度で回答する[1]。
WHODAS 2.0 ー 36項目版
ここ30日間あなたは、下記の行為がどの程度困難に感じましたか?
- D1
- D1.1 何かに10分間集中すること
- D1.2 重要なことを忘れずに実行すること
- D1.3 日常生活の問題を分析し、解決策を導くこと
- D1.4 新しい技術を身につけること、たとえば知らない場所に行くなど
- D1.5 一般的に人のいう事が理解できること
- D1.6 会話をはじめ、会話を続けることができること
- D2
- D2.1 30分間程度、長い間立っていること
- D2.2 座った状態から立ち上がること
- D2.3 家の中で動き回ること
- D2.4 家から出ること
- D2.5 1km程度の長い距離を歩くこと
- D3
- D3.1 全身を洗うこと
- D3.2 着衣を着替えること
- D3.3 食事をすること
- D3.4 一人で数日間過ごすこと
- D4
- D4.1 見ず知らずの人とうまくかかわること
- D4.2 友人関係を続けること
- D4.3 親しい人と一緒にいること
- D4.4 新しい友人をつくること
- D4.5 性的行為をすること
- D5
- D5.1 家庭生活で与えられた役割をこなすこと
- D5.2 一番重要な家事をうまくやること
- D5.3 やるべき家事を終わらせること
- D5.4 必要とされる時間までに、家事を完了すること
- D5.5 毎日仕事・学校に行くこと
- D5.6 最も重要な仕事・勉強をうまくやること
- D5.7 やるべき仕事・勉強を完了すること
- D5.8 必要な時間までに、仕事・勉強を完了すること
— WHO Disability Assessment Schedule 2.0 (WHODAS 2.0) 36 Item Self-Administered
- D6:ここ30日間で、
- D6.1 あなたは社会行事に対して、他人が問題なくやっているのと比べてどの程度困難を感じたか(祭り、宗教行事、その他の行事など)
- D6.2 あなたの周囲の障害や問題のせいで、あなたはどのぐらいの問題があったか
- D6.3 他人の態度や行為によって、あなたはどのぐらい尊厳を持つことに問題を感じたか
- D6.4 あなたは自分の健康状態に関することに関して、どのぐらいの時間を使ったか
- D6.5 あなたは自分の健康状態のせいで、どのぐらい感情的な悪影響を受けたか
- D6.6 自分の健康状態のせいで、あなたや家族の、どのぐらいの経済的負担になっているか
- D6.7 あなたの家族は、あなたの経済的問題のためにどのぐらいの問題を抱えたか
- D6.8 一人でリラックスしたり楽しむために何かを行うことに、あなたはどのぐらいの困難を感じるか
Karnofsky Performance Status
カルノフスキー・パフォーマンスステータス(KPS)では、100から0にて評価される。
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ECOG Performance Status
ECOGではグレード毎に分類される[3]。
日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)でも使用される[4]。一般に化学療法が行えるのはグレード0~2の患者で、グレード3と4の場合は、原則として抗がん剤治療は行われない[5]。
- グレード0
- 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発症前と同様に振舞える。
- グレード1
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働、座業はできる。例えば軽い家事、事務など。
- グレード2
- 歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助がいることもある。軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している。
- グレード3
- 身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就床している。
- グレード4
- 身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。
- グレード5
- 死亡
日本の介護保険による要介護認定
脚注
関連項目
外部リンク
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