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フラッシュメモリを用いたメモリーカード、およびその規格のひとつ ウィキペディアから
マルチメディアカード(Multi Media Card)とは、メモリーカードの規格である[1]。MMCと略される。
サンディスクとシーメンス(インフィニオン・テクノロジーズ)が共同開発し、1997年11月に発表した規格[2]が元となって1998年10月に設立されたMultiMediaCard Associationが規格の開発維持を行っている。
サイズは 32mm×24mm×1.4mm、重さは2g未満である。 インタフェースは7ピン・シリアルで、クロックは最大20Mbps、書き込み速度は最大2MB/s程である。 Version 4.2まではSPIモードがあり、低速で良ければSPIバスでの複数デバイスの接続を簡単にできた。
記憶容量は当初の4MBから順次増加し、最大4GB(2005年)までのメディアが存在する。 高速化した HS-MMC(52MB/s, 13ピン)やミニサイズの RS(Reduced Size)-MMC(24x18x1.4mm)、さらに小型のMMC Micro、コンテンツ保護機能があるSecureMMC(UDAC-MB方式)などのバリエーションがある。
このように高速化が進んだ結果、端子数の少ない高速インタフェースとしてSIMカードの高速化や、超小型ハードディスクドライブ用にATAコマンドへ対応し低消費電力インタフェースとしてなど、応用範囲が広がりつつある。
SDメモリーカードとは物理形状・電気特性・コマンドフォーマットで互換があるため、SDメモリーカードを使用している機器でもマルチメディアカードを利用できることが多い。但しコマンド自体は機能置き換えや追加があり互換は無い。また小型のminiSDやmicroSDとはRS-MMC、MMC Microともに物理形状などが異なり互換性はない。
日本国外では携帯電話シェアトップのノキアがRS-MMCを外部メディアとして採用していたために需要も大きかったが、近年ではそのノキアもmicroSDカードにシフトしている。日本では、もともとマイナーだったことに加え上位互換性のあるSDメモリーカードの急速な普及によりほとんど見かけなくなり、過去の規格と見られていた。
2004年12月に発売されたノキア製携帯電話Vodafone 702NK (Nokia 6630)のヒットにより同端末に採用されているRS-MMCの取り扱いを始めるメーカーやショップが現れるなど、一時注目を集めた。加えて、FreeBSDではSDメモリーカードの特許問題を回避するためSDメモリーカードを「マルチメディアカードの例外的な実装」として認識し「SDメモリーカードではない」と主張、実装が進められている。またMMC microというさらに小型のカードも発売され、また新たにカシオやキヤノンのデジタルカメラにMMCplusも対応している。
MMC | HS-MMC | MMCplus | RS-MMC | DV RS-MMC | MMCmobile | MMCmicro | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
幅 | 24mm | 24mm | 24mm | 24mm | 24mm | 24mm | 12mm |
長さ | 32mm | 32mm | 32mm | 18mm | 18mm | 18mm | 14mm |
厚み | 1.4mm | 1.4mm | 1.4mm | 1.4mm | 1.4mm | 1.4mm | 1.1mm |
体積 | 1,075.2mm3 | 1,075.2mm3 | 1,075.2mm3 | 604.8mm3 | 604.8mm3 | 604.8mm3 | 184.8mm3 |
動作電圧 | 2.7V~3.6V | 2.7V~3.6V | 1.65V~1.95V 2.7V~3.6V |
2.7V~3.6V | 1.65V~1.95V 2.7V~3.6V |
1.65V~1.95V 2.7V~3.6V |
1.65V~1.95V 2.7V~3.6V |
端子数 | 7ピン | 13ピン | 13ピン | 7ピン | 7ピン | 13ピン | 10ピン |
バス幅 | 1ビット | 1・4・8ビット | 1・4・8ビット | 1ビット | 1ビット | 1・4・8ビット | 1・4ビット |
最大クロック | 20MHz | 20・26・52MHz | 20・26・52MHz | 20MHz | 20・26MHz | 20・26・52MHz | 20・26・52MHz |
バス最大速度 | 2.5MB/s | 52MB/s | 52MB/s | 2.5MB/s | 3.25MB/s | 52MB/s | 26MB/s |
eMMC は embedded MMC の略で、MMC のコンポーネントを BGA パッケージに入れた物。SPIバスはサポートしない。スマートフォンやタブレットなどでよく使われている。JEDEC より 2013年10月に eMMC 5.0 が[3]、2015年2月に eMMC 5.1 がリリースされた。eMMC 5.0 の転送速度は400MB/sec。
eMMCでは、ホスト・システムは単に論理ブロック・アドレスにデータを読み書きするだけである[4]。 eMMCコントローラのハードウェアとファームウェアは、エラー訂正とデータ管理を実行することで、ホストシステムの負荷を軽減する[5][6]。 e.MMCは100、153、169ボール パッケージで、8ビット パラレル インターフェイスをベースとしている[7]。
eMMCは、基本的なホームタスクやオフィスタスクなど、小さなファイルやポータブル家電の保存に適している[8]。
eMMCはSPIバスプロトコルをサポートしておらず、NANDフラッシュメモリを使用している[9]。
eMMC の容量は、32 GB から 64 GB、128 GB から 256 GB。
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