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EDICOLOR (エディカラー)は、キヤノンITソリューションズが開発・販売していたDTPソフトウェアである。
WindowsとmacOSとの間で完全なクロスプラットフォーム互換性を実現しており、仮想フォントによるレイアウトワークや、日本語組版(特に縦組み処理)に強いという特徴を持つ。なお、公には発表されてはいないがエフテル日東組版はEDICOLORの機能限定版である。
Macintosh版の7.0以降はmacOS専用アプリケーションとなっており、Classic Mac OSの環境では動作しない。そのため、ベンダー側ではバージョン6および7系統の販売・サポートも継続している。なお、Snow Leopardには非対応となっている。
最新バージョンは10(2012年6月現在)。macOSやOpenTypeに完全対応し、パッケージにはイワタのフォントが添付されている。
2016年12月に販売・開発を終了し、2018年12月でサポートも終了した。
仮想フォント機構の搭載により、オペレーティングシステムでなくアプリケーションのレベルでフォントを管理しており、起動時に総ての実フォント・仮想フォント情報を読み込む。この理由もあって、起動時間は他のDTPツールと比してかなり長いが、これは使用しないフォントを外すことで短縮できる。
DTP業界全体としてはAdobe InDesign・QuarkXPressなどに比してシェアは微弱であるが、官公庁などでの使用実績が高い。また、電算写植レベルの綿密な日本語組版を要求する出版社などで使用されている。
Adobe InDesign・QuarkXPressなどの欧米原産ソフトと異なり、純日本製である。基本設計レベルで日本語組版に対応しているため、日本語CTSによく見られる原稿用紙のような文字枠(後に発売されたAdobe InDesignも、日本語版において同様のグリッド機能を実装することになる)を持ち、禁則処理などもカスタマイズが可能。ただし細かい「ハウスルール」(出版社や媒体における組版ルールの微妙な差異)に関しては一部対応できない場合もあるため、この場合は他のレイアウトソフト同様手作業で「それらしく組み上げる」必要がある。 また、「日本語組版」に重きを置きすぎたためか、バージョン6.0まではウムラウト(トレマ)やアクサンテギュなどを付加した1バイト文字が入力できない(シフトJIS以外の文字コード使用を想定していない)プログラムの構造になっていた(無理に入力しようとすると「半角カナ」に置き換わる)。なお、バージョン7.0以降ではUnicodeも扱うことができる。
EDICOLORはDTPに必要とされる機能を詰め込んだオールインワン構成となっており、基本的には追加でプラグインを購入する必要がない。
仮想フォント機構とは、コンピュータにインストールされていないフォントを使って組版することを可能にするもので、Windows版でもOCFあるいはCIDのPostScriptフォントが扱えるようになり、これによってEDICOLORはWindows版とMacintosh版の間の完全な互換性を確保している。
原理的には、詰め情報をAFMファイルから取得し、画面表示には代用書体を用いる。そのため仕様は不完全なWYSIWYGとなるが、フォント運用のTCOを低下させるのに役立つ。
当初は住友金属工業株式会社(後に部門が切り離され、住友金属システムソリューションズに合流)から「SMI EDICOLOR」という製品名でリリースされていたが、住友金属システムソリューションズがキヤノンマーケティングジャパンに売却されたのに伴い名称変更された。
EDICOLORは、住友金属の大型DTP(CTS)システムSMI EDIANの弟分という位置づけで、当時パソコンDTPとしては珍しいカラー対応がなされていたためEDICOLORの名を冠した。その後カラー対応は珍しいことではなくなったが、そのまま名称は定着している。
なお、バージョン1.0のリリース当時の定価は150万円であったという。その後大きく価格を下げ、10万円強で落ち着いている。
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